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暗殺少女の理想郷  作者: 白銀悠一
第四章 友と友
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ニューパワー

 フラン達の一件が解決し、水橋達が回復するまで暇だった直樹はその間にノーシャとノエルから異能を複写することにした。

 故に、傷が癒えたノーシャの前に彼女の思い出の場所である寂れた公園に立っている。

 フランも来たがったが、公務があるとかで来れなかった。


「で、どうすればいいわけ? 肉体的接触がどうとか言ってたけど……キスとかしちゃう?」

「っ! んなことしなくていい! 手を握るだけでいいんだよ」


 直樹が顔を真っ赤にして叫ぶと、ノーシャはフフッと笑いをこぼし、手を差しだす。

 その手を直樹が握る。すると激流が彼の身体を駆け巡った。

 ノーシャ・スラン。

 彼女が持つ異能、変化異能が直樹に入ってくる。


「奇妙な感覚……」

「――ふぅ……やっぱ慣れないな」


 僅かによろめいた直樹は、深く息を吐いた。

 この他人が自分に入り込んでくる感覚はどうも慣れない。

 たまに、怖くなる時がある。自分が他の誰かに上書きされてしまうのでは、と。

 だが……と直樹は首を振った。

 恐れていては始まらない。それに、みんなが善意で貸してくれているのだ。

 ならば、自分はその力で出来ることをするだけだ。


「昔はこれで性格まで移ったんだけど、今はちゃんと自我を保てる」


 訊かれてもないのに、直樹が説明する。

 義務があると思ったからだ。ノーシャには聞く権利、自分には説明責任が。


「じゃ、もう変化出来るの?」

「たぶん……イメージするだけで大丈夫か?」


 念のため、直樹はノーシャに確認する。

 今までの異能とは勝手が違う。明確に自分の身体を変化させるのだ。

 もう二度と元に戻れませんでした、では、目も当てられない。


「そうそう。何かイメージしやすいものとかある?」

「イメージしやすいもの?」

「そう、好きなものとか……憧れてるものとか。あたしは天使をイメージしてた。天に舞う神の使い」


 言って、ノーシャは背中に翼を生やした。かつてのような黒さはなく、眩しいばかりの白色だ。


「天使……か。うーん……とりあえず見よう見まねで」


 その純白を目視し、直樹が翼を生やそうとチャレンジする。

 ファサァッ! と羽が羽ばたく音がし――。


「……何でニワトリの羽が生えてるの」

「え? 純白の如き天使の羽じゃねーの?」


 直樹の角度から、背中に生えている翼は見えない。

 もっとも、その事こそが言葉の信憑性を高めていた。

 背に目を向けても翼が見えないということは、大きな翼を生やしているわけではない。

 三歩歩いたら忘れてしまうニワトリの如き小さな翼が、背中に生えている。


「え? マジで? いやいや……そんなまさか……」


 と空を飛ぼうとする直樹だったが、直樹の大きさと羽の大きさが釣り合ってない為、ニワトリのようにすら飛翔出来ない。

 ふっふぉっ! などと気合の込めた声を出しても、結果は変わらなかった。


「うーん……とりあえず羽を仕舞って」

「ああ……。ま、まぁ空を飛ぶ異能なら他にあるしな!」


 炎のとか! とポジティブに考える直樹。

 その様子にノーシャは苦笑しつつ、新たなレクチャーをした。


「じゃあ、手から剣を出してみて」

「オーケー。……おりゃ!」


 腕よ剣に成れ――と直樹が中二臭く念じると、右手に変化が生じた。

 ピキピキと、白く光る腕が、再構成される。

 そして――。


「……惜しい。なんか惜しい」

「だよな……」


 結果は、右手の平からナマクラの短剣が飛び出すだけだった。

 これはこれで使えそうではあるが、ノーシャの腕剣に比べれば劣る。

 そうだ、と直樹は伝え忘れていたことを付け加えた。


「俺、複写するとオリジナルの異能より劣化するみたいなんだよ」

「え? じゃあ、あたしを倒したあのパンチは?」


 不思議がって尋ねてくるノーシャに、直樹は答えられない。

 気合を載せた、スーパーパンチ。そのようにしか。


「何それ……」

「無我夢中だったからな……。そういや、誰か救おうとした時、いつもあんな感じなんだ」

「……へぇ。ブチ切れた、とか?」

「いや、怒ってるわけじゃないんだよ。ただ、これじゃダメだ、自分で何とかしなきゃ、とか……そんな風に思ってたと思う」

「火事場の馬鹿力、ということではない……? なら、こういうの創ってみましょう」


 ノーシャは、右手を盾のカタチに変えた。

 人の身を守るシールド。それならば直樹がすんなりイメージしやすいと思ったのだ。

 もしかすると、羽や剣のようなちんちくりんでないものが創生されるのではないか、と。

 そして、ノーシャの予想は当たっていた。


「うぉ!? びっくりした」

「すごい……」


 如何な攻撃も弾き飛ばしそうな、厳つい大盾。

 ノーシャが構成する盾は中盾だったが、それよりもはるかに大きく、直樹の身体をすっぽり覆っている。

 上手くいけば、味方の攻撃すら防げる程。


「……フフッ。あなたに攻撃的なイメージは難しそうね。あたしの異能は、守りに使った方がよさそう」

「守りに……?」

「そう。ま、それでぶん殴れば相手は気絶しそうだけど。……戦闘的な意味でのレクチャーはこれで終わり。今度は人に化ける練習をしてみましょう」

「わ、わかった」


 直樹は右手を戻し、ノーシャの説明に耳を傾けた。


「ま、これはただイメージしろ、としか言えないわね。ん~、あたしに化けてみて」

「え? それ難易度高くないか? ふつう、男に……」

「異能者にふつうなんて存在しないわ。さぁ」

「あ、ああ……」


 しぶしぶ頷いた直樹は、念じる。ノーシャと成れ――。

 すると、見事直樹はノーシャへと変わった。全裸で。


「う、上手くいっ……きゃあああ! 裸!?」

「えっと、服を生成してくれないかしら」


 ノーシャが微妙な顔をする。

 それもそのはず、全裸の自分が悲鳴を上げる様を、客観的に見せられているのだ。

 それほど、完璧にコピー出来ていた。

 紫色の髪、紫色の瞳、豊満な胸も。


「こ、こうか? ……ふぅ」


 ノーシャの声で安堵し、右手で額の汗を拭う直樹。

 偽装は上手くいった。役に立つかどうかは不明だが。

 彼女が着る紫色の服を摘まみ、じろじろと自分を見回す直樹に苦笑しつつ、ノーシャがいたずらっぽく笑みをみせた。

 何かイイコトを思いついた顔だ。だが、確実に直樹にとってではない。


「ちょっと、面白いことをしましょうか」

「え? ノーシャ?」

「フフッ……耳を貸して……」


 と言い、ノーシャがノーシャに耳打ちする。

 直樹がええっ!? と声を上げた。甲高い声で。


「そ、それは騙すみたいで気が引ける……」

「訓練よ、訓練。偽装練習。だから、打ち合わせ通りに、ね」


 フフッと笑うノーシャの笑みが、直樹には悪魔的なものにしか見えなかった。




(やっと……やっと終わったー! 何が公務よ! また写真撮影じゃないの!)


 声にこそ出さないが、憤慨した様子で裏道を駆けるフラン。

 もはや行き慣れた道で、勝手に足が動く。

 ノーシャと初めて出会ってから、時間が空いた隙を狙い、ずっと通い続けた公園だ。


(ノーシャは、と……いた!)


 フランの親友は、いつも通り、ベンチに座っていた。

 いつも通りで、いつも通りじゃない光景。

 ノーシャがいなくなってから、フランが探し求めていた光景だ。

 一瞬涙ぐみそうになりながらも、笑顔でノーシャに声をかける。


「ノーシャ! ナオキは?」

「……あら、フラン。ごきげんよう」


 ノーシャはなぜかフランの問いに答えず挨拶してきた。日本語で。

 訝しんだフランに、ノーシャが言う。


「日本語、練習中でしょ? 日本語で会話しましょう」

「然り。一理ありますね」


 なるほど、確かにそうね、と返す。

 ノーシャがぎこちない笑みを浮かべ、また失敗したということをフランは悟った。

 日本語って難しい。そんな事を思いながら、フランは改めて質問した。


「で、直樹は何処に?」

「お、じゃないあたしの異能を複写したらすぐ帰ったわ」

「何それ。薄情者である」


 フランが正直に心中を吐露する。すると、なぜかノーシャがぎこちない顔を浮かべた。


「そ、そんな風に言わなくても……」

「ノーシャ?」

「ああ、うん。……何でもないわ。そういえばフラン……」

「なに?」


 ノーシャはなぜか恥ずかしさを押し殺したような顔で口を開く。

 一体どうしたのだろうか。フランは少し心配になった。

 何か、いつもより違う感じなのだ。まるで別人のような――。


「神崎直樹との……婚約についてどう思ってる?」

「……ノーシャ、嫌なことを想起させんでくれ。それに父親が言ったことであるからノーカン」

「嫌なこと……そこまで嫌なのか……」


 なぜか落ち込むノーシャ。

 彼女が落ち込む理由についてフランは見当がつかないが……その様子を見て、フランは心に秘めている想いを教えることにした。


「……正直、嫌、というかよくわからない。……あの男は、私を命掛けで守り、ノーシャを救ってくれた。……いきなり婚約! なんて言われるのは困難だけど、もし、これから友達としていっしょにすごして……恋人みたいになったら……もしかしたら、もしかするなんてことが……ノーシャ?」


 真っ赤になってあわあわと慌てふためく親友に、フランは面食らう。

 これはどういうことか。よもやノーシャが直樹を好きということもあるまいし……。


「一体どうしたの? 今日、何かおかしいよ?」


 慣れない日本語ではなく、アミカブル語で応対するフラン。対し、ノーシャは何を言ってるかわからないという感じで困惑する。

 

「ノーシャ? 大丈夫?」

 

 いよいよ本気で心配になってきたフランが、ノーシャの肩を叩く。

 すると、パリン! と鏡が割れるような音がした。

 そして、目の前に神崎直樹が現れる。


「お、お前……今のってどういう」


 意味だ、と外国人の一般市民がのたまった瞬間、


「うわあぁぁあああああっ!!」


 フランが絶叫し、静かな公園内にこだました。




「フフッ、そんな驚くことないじゃない」

「ひどい……ひどすぎる……こんな……」


 フランは公園のベンチでぶるぶる震えている。

 それが怒りによるものなのか、羞恥心によるものなのかノーシャにはわからない。

 神崎直樹は怒り狂ったフランに追い出され、今は病院だ。

 しかし、少しやり過ぎたか、と彼女は思う。

 単純な事実として、フランは友達が少ない。

 てっきり自分が囚われている間に交友関係が増えたかと思っていたが、そんなことはなかった。

 王族故に、孤独。

 フランはずっと一人だったのだ。それはノーシャにとって嬉しくもあり、重苦しくもある。


(うーん、あたしのことを大事に思ってくれるのは嬉しいんだけど……)


 フランにとってノーシャは親友で、ノーシャにとってフランは親友。

 それは良いことなのであるが、自分に依存してしまうのではないかという心配もある。


(ま、それ言ったらあたしも何だけど……)


 思って、ノーシャは首を振って頭を切り替えた。今はフランである。

 フランは、曲がりなりにも王族。フレッド王は国が安定したら民主制にしたいと考えているようだが、まだまだ安定には程遠い。

 その為、フランは間違いなく国を統治する。

 すると、発生するのは婚姻問題だ。

 王である以上、世継ぎを創らなければならない。

 フランは子の、そして国の母となる女性なのだ。

 とすれば、だ。親友には、なるべくいい男と結婚してもらいたい。


(そう考えるとナオキがベストに思えるのだけど、やっぱ早計かしら)


 彼なら間違いなく、フランを命を賭しても守ってくれる。

 そんな安心感が、ノーシャにはあった。彼がいればフランは大丈夫であると。

 無論、自分でも守護する。親友と、この国を。

 もう、裏切ったりしない。操られたりもしない。

 命に代えても、絶対にこの国を守る。

 だが、やはり万全を期したい。

 人間、何があるかはわからぬのだ。その事を、ノーシャは誘拐された時に学んだ。

 やっと手に入れた安寧を、一瞬で奪われる。

 人生に絶対はない。

 突然の事故死や病死。

 異能者と無能者の抗争による戦死。

 全てが可能性としてある。

 なればこそ、神崎直樹を確保しといてもらいたかったのだが――。


「やっぱ嫌い! あんな奴! 私を騙すなんて!」

「フフッ、あたしもそそのかしたから、そんな風に言わないで」

「私にはノーシャさえいれば……」

「それは早計が過ぎるわ、フラン。友達はたくさんいてもいいのよ。少なくとも、ナオキと、その友達とは仲良くなってもいいと思うわ」


 もちろん、これは計略を巡らしただけではなく、ノーシャの本意でもある。

 フランには友達がもっといていい。色んな人間と遊び、学び、ふれあい、優れた王女となって欲しい。

 でも……と、ノーシャは先程と矛盾した想いを巡らせる。


(やっと再会出来たんだから、もう少しだけ、遊んでいても罰が当たらないわよね)


「フフッ」

「ノーシャ……?」

「何でも。さて、今日は何して遊びましょうか?」

「あ、そうそう! これ!」


 そう言ってフランは花を取り出した。

 約束が、ノーシャの脳裏を駆け巡る。

 誘拐されたあの日……フランと約束していた。花を植えて、公園を色鮮やかにしようと。


「ノーシャみたいな紫色よ! 綺麗でしょ」

「ええ……とても綺麗。じゃあ、あたしはフランみたいな綺麗な花を探さなきゃ」

「ええ! いっしょに探しましょう!」


 行こ! と先に進むフラン。

 幼い自分とフランのビジョンが思い返され、ノーシャは堪え切れず涙をこぼした。

 そして、歩き出す。この光景を二度と忘れまいと。

 絶対に壊させはしない――。そう心に刻みながら。




「さ、散々な目に遭った……」


 そういいながら病室に入ってきたのは直樹である。

 眠っていたノエルは、薄目を開けその来訪を確認した。

 三人(彩香は含めない)寝ていた病室には、ノエル以外誰もいない。

 心と炎、メンタル、彩香、久瑠実は市街の観光に向かってしまったし、水橋は動けるようになると仕事だ! とエージェント達の元へ赴き、矢那もそれについて行った。

 小羽田に関してはよくわからない。街角でナンパでもしているのかもしれない。


「ナオキ……」


 寝ぼけ眼で、ノエルが起き上がる。

 睡眠は幸福。故に、ノエルは寂しさなど感じていない。

 だというのに、その顔はとても悲しみに愁いていた。それはなぜか。


「この国の……特産品を食べたかったです……」


 ハァー、と深く重いため息を吐き出すノエル。

 とても、とても辛いことである。

 食事と睡眠は人の原動力であり、これすなわちノエルの原動力でもある。

 病院は眠り放題であるが、食事は食べ放題というわけにはいかない。

 正直あまりおいしくない病院食と、忌々しい点滴。

 それが三食続いただけでも気が滅入る。

 異端狩りの騎士として戦っていた頃に比べれば贅沢な話なのだが、それはそれ、これはこれだ。


「一応、それっぽいもの買って来たぞ」

「ホントですか!?」


 ノエルはぱっと顔を輝かせ、直樹が持っている包みに目を落とした。


「目についたものを適当に買っただけだからあんま期待すんなよ」

「とにかく何でもいいので早く寄越してください!」


 ノエルは強引に直樹の手から包みをひったくり、開封する。

 すると、中からチョコレートが出てきた。


「これは?」

「アミカブルチョコレートとかいう安直な名前だったな。名産品みたいな風に書かれてたから買ってみたけど、まずかったか?」

「……」


 ノエルは直樹の問いに答えず、とりあえず口の中に放り込んでみる。

 瞬間、口の中に芳醇な香りが広がった。

 何か液体のようなものがチョコの中に含まれている。

 彼女は口の中でチョコを転がし、とろける感覚に舌鼓を打ちながら、じっくりと味わった。


「……うん。これはいいもの、です。とてもおいしい。甘さが口の中に広がります」

「そうか……良かった」

「中に何か入ってますね。初めて味わう感覚……ん?」


 一瞬妙な感覚が身体中を駆け巡る。

 しかし、直後に直樹が頼みごとをしてきた為、ノエルは違和感を振り払い、対応した。


「異能を複写させてくれ」

「はい。まだでしたね……」


 ノエルが手を差しだす。直樹が手を握る。

 そして、念じる。――ナオキに、異能を。


「――ッ」


 奇妙な感覚が、奔った。

 電撃が駆け巡るような感覚。瞬間、ノエルは理解する。

 これが絆なのだと。自分と、直樹の。


「これで成功……ですか?」


 荒い息の中、ノエルが訊ねる。


「……っ。ああ、そう……おい、大丈夫か? 顔が真っ赤だ……」

「ですよね……さっきから身体が熱い……」


 頭がぐるぐる回るような感覚。ノエルは聞いていなかった。

 こんな妙な感覚に陥るとは。

 まともに思考が働かない中、延々とチョコを咀嚼し、食べ終える。


「ごちょそーさぁでしぁ」

「え? なんて?」

「だぇれす……ナオキュらさんにゃーにぃへえたー」

「は? え?」


 当惑する直樹を見ながら、ノエルはベッドに備え付けられているテーブルに突っ伏した。


「みょーれす。しかぃがぐりゅぐりゅ~」

「ノエル……? おい、おい!?」


 ノエルは、直樹の声を聞きつつ倒れ込むように眠る。

 困惑した直樹が、え? は? 何だこれ? と言葉を漏らした。



 丁度その頃、食事を終えた炎達は、店先で商品を眺めていた。

 アミカブル語で書かれた色とりどりの説明に悪戦苦闘しながら、ノエル用の食べ物を探している。


「何かいいのないかな?」

「うーん。あんま変なものは持っていけないし」


 久瑠実と並んで、炎が陳列されている商品の中から手ごろな食品を探すが、いいものがなかなか見つからない。

 と、その時良さそうな物が目に入った。外装を見るにチョコレートだ。


「あっ、これに……」

「待って、炎。それはダメ」

「どうして?」


 引き留める心に、炎が訊ねる。

 心は携帯を見ながら理由を教えてくれた。


「お酒が入ってるみたい。すごい強いの。間違っても食べさせちゃダメ」

「そっか。なら仕方ないね」


 炎はありがとう、と言うと、別の商品に目を移し、あれでもないこれでもないと思案を始めた。



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