レベル制とスキル制
クラス制RPGとスキル制RPG。
VRは関係ありませんが、今回はこの違いについて考えてみたいと思います。
昨今のVRMMO小説では、ほぼ例外なく「スキル制」が採用されています。クラス制も採用して複合型を採用する話も多いですが、基本的に「スキル制」をみな採用しています。これはなぜでしょうか。
まず、クラス制とスキル制、それぞれを単独で採用した場合の差について考えてみます。
クラス制のウリは、「考えることを省く」ためにあります。
これはクラスを最初に決めてしまう事で今後の方向性を明確にし、プレイヤーは自分の役割を考えることなくクラスに沿って動けばいいだけになるのです。戦士なら前衛職で武器の扱いに習熟する反面魔法が使えなくて当然、僧侶の一番の仕事は回復で弱点は脆いこと、魔法使いは強力な魔法が使えるけどMPないと何もできないし、盗賊がいないときはダンジョン攻略なんてやらない方が無難です。TRPGでも最初期の名作D&Dのイメージですが、現在のRPGでもこのイメージはあまり変わらないでしょう。
欠点としてはキャラに融通を利かせにくい事。クラスチェンジ、ランクアップなど、もっと幅広く何かができるクラスになることは可能です。また、より深く自分の役割を狭く掘り下げることも可能です。
いろいろと抜け穴はあります。が、クラスのランクアップでは最初に選んだクラスが制限を作り最後まで影響します。
逆にスキル制はどうでしょうか。
スキル制の特徴は、「選択肢の広さ」です。これについては賛否両論、いいところであり悪いところでもあります。
できることが多いという事は、迷って何をすればいいか分からなくなる可能性を多々含みます。運営サイドが「おススメスキルの例」を作ったらそこから抜け出せない初心者プレイヤーもいるほどです。
ですが、ある程度RPGというジャンルになれている熟練プレイヤーさんにしてみれば、自分のやりたいことかつ遊びやすいスキル構成などお手の物でしょう。既存のゲームのクラスで表現できないプレイをやりたいと思う人にお勧めです。熟練プレイヤーさんであれば。
最初に戻りますが、スキル制RPGというのは難易度が高いのです。誰しもプレイの大まかな方向性は持っていたりするのでしょう。ですが世間一般では、完全スキル制RPGなどほとんど見かけません。現実のゲームではあまり受け入れられないスタイルだったりします。小説ではあんなに人気があるというのに。暇な方は「スキル制 RPG MMO」で検索してみてください。その数の少なさに驚くと思います。
私なりの結論だけ言ってしまいますが、バランスを取るというか、いいところ取りの「クラス・スキル複合型」が最も分かりやすく人気があるのではないでしょうか? リアルの話ですけどね。
スキル制がマイナーだとか、そんなんで人気が出るはずがないと言う気はありません。
ですが、珍しいという事だけ頭に置いていただけると幸いです。
少し話は外れますが、ゲームセンターでも「クラス・スキル」制が一般的だったりします。
レベルは毎回リセット、ワンプレイごとにスキルなどのカードを1枚渡し、制限枚数内でデッキを作らせ、それでスキル・アイテムを持ち込ませるタイプのゲームです。ゲーム内の倉庫に別枠でアイテムを持っていく人もいますが。




