生産方法、そのリアルさの追求
VRMMO小説でよく扱われるのは、生産だと思います。下手をすると、戦闘より重視されているような気がしますが、私の気のせいでしょうか。
しかし、この生産、みなさんリアルと同様の手順にしていますが、それにはどこまで意味があるのでしょうか?
まず、私はゲーム中の生産活動にリアルと同じような要素を混ぜるのは控えるべきだと考えています。
リアルと同じ手順が有効になる。一見するといい事のようにも思えますが、いくつか落とし穴があります。料理を基準に考えてみます。
まず、扱うデータの種類が煩雑になりすぎる。料理の基本として「さしすせそ」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。これは調味料を入れる順番なのですが、これを守れば美味しくなるという訳ではありません。時には例外的な物も存在します。特定手順にボーナスを加えるとか、そういった判定はどこまで適用するのか。それともどこまでも適用しようと、調理時の化学的変化をゲーム内で完全再現でもするのでしょうか。カレーを作るとして、料理の材料だけで、調味料や工夫用の素材だけでどれだけになると思いますか? アイテムのデータだけで現代のゲームが一つか二つは出来てしまう勢いですよ? 無駄が多すぎるように思います。
次に、リアルで料理が下手な人が、ゲームでも料理が下手という事になってしまう。
どちらかと言えば、こちらの方が致命的です。ゲームの中ですら料理が下手のままとか、それはどんないじめなのでしょうか。これでは万人が楽しめるゲームになるとは思えません。
最後に、ネタばれしやすい。
リアル準拠であれば、リアルの料理を参考にすれば良いと簡単に気が付くでしょう。どの素材アイテムがどの材料に当てはまるのかを知られてしまえば工夫も何もあった者ではありません。レシピを暗記し、それからゲーム内で再現を行う。それだけで済んでしまいます。
実際に工夫する余地を作る事はいい事だと思います。
ですが、VRだからとどこまでもリアルを追求するのが最善とは私には思えません。
2014年2月23日 誤字修正
× 度の素材アイテムがどの材料に →
○ どの素材アイテムがどの材料に




