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2.やっぱりそうでしたか。

お気に入り登録ありがとうございます。


「ああ、ああ!お妃さま!ようこそいらっしゃいました!」


「おい!皆の者!エディの嫁だ!」


「なんですと!」


「なんですって!」


「それは真で御座いますか―――っっ!!」


どわあああああ、すごい大騒ぎされた! 逃げられない!


突然の事態に身動きがとれずにいる間に、少年と青年二人しかいなかったはずのその部屋にはありとあらゆる身分とみえるひとびとが大集合し、青年二人に両脇がっちり固められているわたしの周りを十重二十重(とえはたえ)に取り巻いた。


四方八方から手がのびてきて、握手されたりハグされたりと忙しい。おばあさん、拝まないでくださいなんもご利益ないです!おにいさん、騎士の誓いとか今はいいから!ぎゃ!て、手にちゅーすんな!あ、どさまぎで太もも触られた!うわ、お、おねえさま胸もむのやめてええええ!


ばん!


「やめなさい!」


目を白黒させるばかりでかまされつづけるナチュラルセクハラに対応できないわたしを救ったのは、当のエドワードくんご本人だった。推測だけど。だって見えない。


彼がつかつかと歩み寄ってくると(推測)人垣がしぶしぶといった様子で崩れた。ドアを開閉する音が続いているのは皆さん退室しているからのようだ。そうしてわたしと両脇がっちりのお方二人、救世主エドワードくんのみになったところで、部屋に静寂がおりた。


「レフ、バルド」


「は、」


「何でしょう、エドワードさま」


さっと片膝をついたふたりに、少年は眉をさげて言う。


「大騒ぎしすぎだよ、彼女もさぞ困ったことだろう」


「申し訳ありません、つい」


「エドワードさまの慶事ですから」


悪びれた様子がないのにいっそ感心する。ていうか、愛称で呼んでいた方もいつの間にか敬語になってるし。つまりあれか、あんたらさっきのアレ、


「わざとかこのやろう」


思わず言葉にすれば、青年二人が振り向いてにやりといい笑顔をした。


「御名答」


「レフ、バルド」


困り顔のまま少年は二人をたしなめた。そのまままっすぐにわたしを見つめ、一礼する。流れるような所作。なんか偉い人そうなだけはある。


まあ、この若さで高貴なひとっぽくて,わたしがここへきた状況を鑑みるに、彼はたぶん――――


「申し訳ありません、貴女を驚かせてしまった」


長いまつげにふちどられた大きな瞳、菫色に射抜かれる。


「わたくしはアイリシスカ国第一王子、エドワード」


貴女のお名前を、お聞かせ願えますか。


その声を聞いて、なんだか、ズバンと胸に響いた。一歩下がって背筋をのばす。


「不法侵入してしまって申し訳ありません。わたしは、樹早(きさ)神山樹早(かみやまきさ)と申します」


なんだかこう、いとけなさを隠せないなりに誠意と誇りを持って相対してくれている彼を前に、わたしも姿勢を正さずにはいられなかった。うん、くんづけで呼んだりとか(心の中だけだけど)してすいませんでした、はい。


ていうか。


ひとつ言ってもいいですか。


やっぱり、王子様ですか。



はい、タイトルの『菫』どこからか分かったんでアッシュグレイも皆さんお分かりかと思いますが………まだ文には出ませんね。つぎには出るんじゃないでしょうか。


しかも、主人公である新卒女子 (ツッコミ)の名前もここでお初でした。

まだあまりツッコミいれてませんがこれからびしびしいれてもらいます。


側近二人は愛称だけ出てますね。次回は側近二人の本名も出せるかと思います。


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