編みかけの私
最終エピソード掲載日:2026/03/08
面接に落ちた夜、深夜のコインランドリーで洗濯物を回していた有羽(ゆう)は、場違いなくらい綺麗な女の子に出会う。
白い手編みのニット、赤いスポーツカー。社交辞令が通じない、不思議な距離感。 スウェットに七センチヒールのあたしの足元を見て、彼女は言った。 「それ、好きで履いてるんでしょ」
たった一度の、たった数十分の出会い。 でも帰り道にイヤホンから流れてきた彼女の歌が、あたしの中の何かに引っかかって——まだ取れないでいる。
白い手編みのニット、赤いスポーツカー。社交辞令が通じない、不思議な距離感。 スウェットに七センチヒールのあたしの足元を見て、彼女は言った。 「それ、好きで履いてるんでしょ」
たった一度の、たった数十分の出会い。 でも帰り道にイヤホンから流れてきた彼女の歌が、あたしの中の何かに引っかかって——まだ取れないでいる。