1.最初の愚か者
私は…どうやら間違えてしまったみたいだ。
どこで間違えたのか、どう間違えたのか、
そんなことはもはやどうでも良い。
私は今、一切動けない状況にある。
なぜなら、私自身の身体を自らの魔力が駆け巡り、そのせいであらゆる神経が焼き切れてしまっているからだ。
つまるところ私は今、自分の魔力により殺されようとしている。そしてそれに対して私は一切抗うことができない。
(まぁ…終わったな)
思えば酷い人生だった。
魔物を従えたアト騎士団が、当時子供であった私の暮らしていた村を襲撃してきたあの時から、命からがら逃げ延びたあの時から、私の運命は大きく変わっていた。
あれ以降、私は死への果てしない恐怖を感じ、不老不死に妄執した。それを得るために手段を選ばず、時に人を生贄とすることもあった。
そして見つけた。「神へと至る魔法」を
私はそればかりを追い求め、幾つかのことを知った。
1つ。それは「身体強化魔法」の元となった魔法であること。
2つ。それは魔力の流出を抑え、身体に還元する魔法であること。
3つ。それを成功させた人は、これまでにたった一人しか居らず、その人は神となる前から天才として崇められる存在であったこと。
私はこの情報を元に「神へと至る魔法」とは「身体強化魔法に近い存在で、通常よりも魔力を使い、身体に付いているリミッターを強引に外し、身体内にその魔力を自ら流し込む事で、魔力の無限機関を生み出す魔法」と仮定し、実際にそれを完成させた。
そしてこうなった。
…脳が魔力に焼かれ始めている。
もうそろそろ私も死ぬようだ。
不老不死を追い求めた結果、自らの寿命を大きく減らす結果になるとはなんという皮肉だろう。
…まぁそれもまた運命か。いや、神へと至った"天才"による天罰なのかもしれない。
何にせよ、酷い人生だった。
彼の死因は「リミッターを外したことにより、自らの魔力により全身の神経を焼き切られ、そのまま脳も焼かれたから」です。




