0086・基礎スキル
おそらく中層に居た<羅門会>の連中は敵が強い事も分かっていて突っ込んだマヌケなんだろう。僕でさえ<破壊魔>の称号が無ければ最初は勝利が難しかったんだ。連中が簡単に勝てるようになる訳がない。
中層の中をウロウロしつつ石を拾い木を伐っていると、再び争う音が聞こえてきた。今度は骨熊と争っているらしいが、何故か一人見えている。僕とファルはそっと覗き、そいつを鑑定してみた。
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<アーシュラ> 稀人 Lv7
種族:ゾンビ
メイン職業:槍士
サブ職業:薬師
クラン:<羅門会>
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ドクロマークは付いていないので犯罪者ではないが、<羅門会>の連中で間違いない。というよりクランを作る事が出来たんだなぁ。ベータ時代にはあると言われていたが実装はされていなかったので、クランの作り方自体を知らないんだよね。
僕にとってはどうでもいい事だったんで……おや? もしかしてコレ、クラン単位でブラックリストに入れられる? ………ああ、クランの所をタップしたら出来た。これって便利だなぁ。連中を気にする必要が無くなったよ。せっかくだし、これからは組織単位でブラックリストに入れようっと。
見ていると骨熊の右腕の一撃の後、少ししてから魔法陣が出た。そして骨熊は辺りをキョロキョロしているので、おそらく<羅門会>の連中は全滅したのだろう。僕は不意打ち【クリア】で攻撃し、一気に攻めてさっさと倒した。【セイントバインド】すら必要ない。
それからウロウロしつつ素材を集め、足早に師匠の家へと戻る。皆の雰囲気は特に変わっていないので、<羅門会>の連中もここには来ていないのだろう。昨日は盗賊みたいにやってきて一撃で殺されていたが……。
僕は物作りの前に修羅スケルトンにお願いし、素手で稽古をつけてもらう。殺される事はないとはいえ、そこはそれ、手抜きなど一切無い戦いであり、尋常じゃないほどに強い。僕は傷を受けると【ファーストエイド】を使ってスキルの上達を図る。
しかし、強い。僕が素早く突いても早さに差があるだけじゃない、左下の腕であっさり流されるんだ。そのまま体を泳がされて右下腕で鳩尾を突き上げられる。たとえ掌底でも苦しいものは苦しいし、痛いものは痛い。
とはいえ痛みが無ければ覚えないのも事実なので、ひたすらに稽古を続ける。今まで培ってきた全てを使うものの、どうやら僕は足りていないらしい。向こうは4本腕であるものの、何かが違っている。その何かはおそらく細かな差だ。
にも関わらず全ての場所で細かく違うので、結果としてそれが非常に大きな差になっているんだろう。そんな感じがする。ここは修羅スケルトンの一挙手一投足を見ながら、自分の糧にしていこう。
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師である<破滅のエンリエッタ>の配下との模擬戦が終了しました
力が1ポイント
敏捷が1ポイント
器用が1ポイント
能力値が上昇しました
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※スキル【槍術・下級】が規定のレベルに達しました
【槍術・下級】に【水平薙ぎ】が追加されます
※スキル【棒術・下級】が規定のレベルに達しました
【棒術・下級】に【水平薙ぎ】が追加されます
※スキル【回復魔法】が規定のレベルに達しました
【回復魔法】に【スタミナヒール】が追加されます
【回復魔法】に【ヒール】が追加されます
※スキル【握り】を習得しました
※スキル【体幹】を習得しました
※スキル【重心】を習得しました
※スキル【体捌き】を習得しました
※スキル【足捌き】を習得しました
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パチパチパチパチ。
「いやー、実に<破滅>の弟子らしいわね。よく分かっていないにも関わらず、瞬時に見よう見まねで行い、そして何度かで本質すら真似てしまう。その本質を理解していなくとも体に刻みこんでしまうとは。末恐ろしいと言うべきかしら?」
「<氷獄の魔女>リューウェさん? 師匠に何か御用でしょうか? 今は魔女の方に言われて、師匠は出掛けてますが……」
「いえ、<破滅>に用があった訳じゃないわ。単にバイゼル山の秘湯と繋いだと聞いてね、転移陣から温泉に行く為に来ただけよ。まさか面白いものが見られるとは思わなかったけど。ま、私は邪魔でしょうから退散するわ。じゃあね」
そう言って、リューウェさんは転移陣に乗って去って行った。【回復魔法】のレベルが上がったのは良いんだけど、他の習得したスキルは何だろうコレ? ………もしかして、肉体が知っている訳じゃないってこういうのも含まれてる?。
もう一度軽く、いつものように力を籠めないでそっと柄を握る。何だか<BUSHIDO>の時のように握れている気がするんだけど、もしそうならスキルとして所持してないと駄目って事なのかな? 肉体が握り方などを知っている訳がない。
言い換えれば、この肉体は武器の握り方も学んだ訳じゃないという事になる……! マジか! そんな事を考えた事も無かった。でも、今は物凄くしっくりきてる!! こんな基礎的なスキルがあるなんて!。
ヤバい! マズい! まさかこんなに重要なスキルがあったとは思ってなかったし、これを覚えさせなきゃ駄目じゃん! セナなんて特にそうだけど、近接戦闘職にとってとても重要だろうコレは! ……今は黙っておいた方が良いだろうか?。
物凄く興奮してしまったけど、もしかしたら僕の思い過ごしかもしれない。うん、とりあえず頭を冷やす為に昼食を食べよう。師匠のスケルトン・クラフターが呼びに来たし。
昼食後は錬金術師のレベル上げと金策の為に石と木で武器を作る。これは錬金術師しか作れない物だから、鍛冶師の領分を侵食するものじゃない。なので自分達の物が売れないと文句をつけてきた鍛冶師のプレイヤーを、僕はブラックリストに放り込む。
そもそも何を買うかは本人の勝手だし、値段は僕達がつける事は出来ない。安くて使い勝手の良い武器があれば、初心者が飛びつくのは当たり前だろうに。初心者をカモろうとしている奴は何なんだろうか。ま、二度と見なくて済むからこれで終わりだけど。
そうやって物作りをしていると、またもや目の前にウィンドウが出た。
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使い魔:ラスティアが【握り】を習得しました
使い魔:ラスティアが【体幹】を習得しました
使い魔:ラスティアが【重心】を習得しました
使い魔:ラスティアが【体捌き】を習得しました
使い魔:ラスティアが【足捌き】を習得しました
召喚モンスター:ファルが【握り】を習得しました
召喚モンスター:ドースが【体幹】を習得しました
召喚モンスター:ドースが【重心】を習得しました
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どうやら自分の欲しいスキルを修羅スケルトンから教えてもらったらしい。この、僕が習得すると凄い速さで仲間が習得するシステムは、一周回ってちょっと面白くなってきたよ。
それと、セナが僕をジッと見てくるけど、セナはスキル枠が埋まっているので諦めてほしい。僕だってまさかこんなスキルがあるなんて思わなかったんだ。コレ、真面目に練習に取り組まないと、多分だけど習得できない類のスキルだと思う。
なら、お前は何なんだとか言われそうだけど、僕は生来の模倣力で身につけられたに過ぎない。むしろズブの素人の方がちゃんと身につけるんじゃないかな? 何かそんな気がする。
さて、夕方まで頑張ろう。
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使い魔:ラスティアの【闇魔法】が規定のレベルに達しました
【闇魔法】に【ダークヒール】が追加されます
使い魔:ラスティアの【闇魔法】がランクアップし【闇魔法・下級】となりました
召喚モンスター:ドースの【風魔法】が規定のレベルに達しました
【風魔法】に【エアカーテン】の魔法が追加されます
召喚モンスター:ドースの【風魔法】がランクアップし【風魔法・下級】となりました
召喚モンスター:フォグの【闇魔法】が規定のレベルに達しました
【闇魔法】に【ダークヒール】の魔法が追加されます
召喚モンスター:フォグの【闇魔法】がランクアップし【闇魔法・下級】となりました
召喚モンスター:フォグの【浄化魔法】が規定のレベルに達しました
【浄化魔法】に【クリア】の魔法が追加されます
召喚モンスター:フォグの【浄化魔法】がランクアップし【浄化魔法・下級】となりました
召喚モンスター:フィーゴの【闇魔法】が規定のレベルに達しました
【闇魔法】に【ダークヒール】の魔法が追加されます
召喚モンスター:フィーゴの【闇魔法】がランクアップし【闇魔法・下級】となりました
召喚モンスター:フィーゴの【浄化魔法】が規定のレベルに達しました
【浄化魔法】に【クリア】の魔法が追加されます
召喚モンスター:フィーゴの【浄化魔法】がランクアップし【浄化魔法・下級】となりました
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さて夕方だからそろそろ呼びに来るだろうけど、しっかし早いなぁ。やはり僕のスキルレベルが物を言うんだろう。代わりに僕の持っていないスキルは普通だけど。それと僕のスキルレベル以上の場合も、多分だけど通常の速度だと思う。
師匠のスケルトン・クラフターに呼ばれたので、考察はここまでにしておこう。




