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0084・インベントリとアクティブスキル




 2000年 8月17日 木曜日 AM8:22



 今日はログイン前にシズに言っておいたので、ハイ・トラッパーウィップを渡しておく。性能を見たら欲しいと言い出したので渡す事に。とはいえ僕も使わない物など持っていてもしょうがないし、プレイヤーマーケットに流しても誰も買わないだろう。


 レアアイテムだから買えないとも言えるけど、そんな物を持っていても仕方ない。なら譲った方がスッキリするしね。そういえばシズが言っていたけど、インベントリの枠が増やせるようになったらしい。1万人記念だそうだ。つまり第二陣は埋まったという事だね。


 一瞬で枠が埋まるという事はなかったみたいだけど、順調にプレイヤーが増えてるようで何よりだ。面白くても人気が出ずに終了はやめてほしいからね。ちなみにインベントリ拡充は課金かゲーム内通貨での購入となる。


 運営マーケットで購入可能だけど、そのお値段は何と10万デルもする。とはいえインベントリが10枠増える事を考えたらこれは大きい。ちなみに課金だと千円だ。それ以外の課金アイテムは相変わらず見た目系の物ばかりとなっている。


 それと細かい所の修正も入ったらしいけど、僕にとっては関わりの無い事だ。フィールドの敵モンスターが増えたぐらいかな? これはプレイヤーの数が増えたんだから当たり前の措置でもあるんだけど……。


 じつは大きなものが1つ追加されている。それは運営ダンジョンが作られた事だ。現在は1階~15階まで。これはスタート地点で碌に戦えない人に対する救済措置としてあるらしい。むしろどんな場所から始まればそうなるのか、ちょっと教えてほしいけどね。


 ちなみに中は誰にも会わない形になっており、言うなればソロ専用ダンジョンとも言える。サモナー系やテイマー系は仲間と共に入れるが、他の職業はソロで挑戦するしかない。卑怯という声はあるだろうけど、それも含めての職業だからなぁ。


 例えば剣士の【剣術】と他の職業の【剣術】は同じじゃない。威力とか倍率が違っており、当然の如く与えるダメージが違う。これはベータの時の説明にもあったし、マニュアルにも載っている。変わらないのは通常攻撃だけだ。


 ベータの時には違いが全く分からなかったが、今はアクティブスキルがあるので違いは出ているだろう。もちろん今は然したる違いが無いのだろうが、後になればなる程にその差は大きくなるんだと思う。


 おっと、師匠のスケルトン・クラフターに呼ばれたので食事に行こう。



 「ふむ。これがハイ・トラッパーウィップか。妾でも初めて見たが、確かにコレを至近距離から無防備に突き刺されれば死ぬであろうな。妾もコトブキと同じでまずは攻撃するタイプじゃからのう、そんな目に遭いそうになった事もない」


 「でしょうね。あんた達って師弟そろってソックリだし、容赦なんてある筈がないものね。宝が入ってるかより敵かどうかの方が先でしょ? 夢も希望も無い奴等よ、まったく」


 「何を言ってるのさ、ラスティア。夢も希望も命があるから感じられるんだよ? 死んだら何もかもを失くすんだから、命を保つ方が先に決まってるじゃん」


 「まったく、まったく。コトブキの言う通りじゃぞ、ラスティア。欲で命を失うなど阿呆のする事よ。そのような愚かな事を妾やコトブキがする筈などあるまい。当たり前の事じゃぞ」


 「「……はぁ」」



 何故かトモエとラスティアに溜息を吐かれたけど、僕と師匠は何も間違ってないよ? 命が無きゃ楽しみも苦しみも無いんだからさ、様々な事を感じる為にも生きなきゃいけない。それを最優先にするのは当たり前の事さ。


 師匠に今日の予定を聞かれたので、今日は周囲をウロウロして石や木を回収。武器にして稀人に流す予定だと話す。プレイヤーマーケットでのお金稼ぎと錬金術師のレベル上げだ。最近あまり使ってないので、今日はガッツリと頑張ろうと思う。


 ラスティアにはセナを鍛えてほしい事を伝え、僕はファルとウロウロする。他の皆は練習などを頑張って貰う事で決まり、食事が終わった僕は木箱からお金を取り出してインベントリを拡充する。


 2度可能なので20万デルを突っ込み、インベントリの枠を倍の40枠まで増やした。これで簡単には溢れたりしないだろうし、色々持ち歩けるようになった。ファルが外で待っている筈なので、そろそろ行くか。


 家の外でファルと合流し、僕は森の散策に出る。といっても石と木を手に入れ、合間に<澱み草>を回収するぐらいだけどね。ファルと一緒に歩きまわり、次々と回収していきながら必要な物を手に入れていく。


 雑魚モンスターは【クリア】の一撃で勝てる為、もはや邪魔にすらなっていない。フィーゴは師匠の家に置いてきたけど、それでも一撃とは……僕も強くなったもんだ。そんな事を思いつつ<屍人の森>の浅層をウロウロしつつ中層に入る。


 中層でも先制【クリア】の後の僕とファルの攻撃で簡単に沈む。<浄石>も手に入ってるし非常に都合が良い。最近はサブ職業が料理人の人も買っているらしく、今でも飛ぶように売れているのは変わっていないんだ。


 おかげで結構儲かっている。一個でそれなりに浄化できるらしく、品質の高い料理を作れば差し引きでプラスなんだろう。最近はプレイヤーの料理でお腹を満たしている人も居るみたいだし。


 それ自体は普通の事なんだけど、天使の星の食材と悪魔の星の食材の両方で料理している人もおり、その料理のみバフが付くと騒ぎになってる。つまり<レトロワールド>では、両方の星の食材を使わないとバフが付かない。


 当然、意図的にそうしてるんだろうけど、どちらもの料理人が食材の取り合いをしている有様だ。僕が出した肉も飛ぶように売れている。高級肉であるにも関わらず捌けているのは、そういう理由かららしい。


 しかしまだまだ序盤なのに高級肉が登場しても良いんだろうか? そんな思いも無い訳じゃない。……おっと、上の空だったからかファルに注意された。真面目に【採取】や【伐採】をしないとね。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアの【長柄術・下級】が規定のレベルに達しました

 【長柄術・下級】に【振り下ろし】が追加されます


 使い魔:ラスティアの【回避術・下級】が規定のレベルに達しました

 【回避術・下級】に【サイドステップ】が追加されます


 使い魔:ラスティアの【歩術・下級】が規定のレベルに達しました

 【歩術・下級】に【差し足】が追加されます


 召喚モンスター:セナの【格闘術・下級】が規定のレベルに達しました

 【格闘術・下級】に【フック】と【アッパー】が追加されます


 召喚モンスター:セナの【回避術・下級】が規定のレベルに達しました

 【回避術・下級】に【サイドステップ】が追加されます


 召喚モンスター:セナの【歩術・下級】が規定のレベルに達しました

 【歩術・下級】に【差し足】が追加されます


 ―――――――――――――――



 急にスキルのレベルアップで新しいアクティブスキルが追加されたけど、下級になってから異様にレベルが上がり難くなってるんだろうか? それとも誰かに師事している状態じゃないとスキルレベルが上がらない?。


 種族レベルなんかは上がってるのに、アクティブスキルの追加が遅かった気がする。師匠が言っていた肉体が覚えている訳じゃないってヤツかな。何だかそんな気もするな。修行の日を作った方が良いかもしれない。


 素材の回収が終わった後で、師匠のスケルトン・クラフターに頼んでファルに色々教えてもらおう。


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