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0083・プロゲーマーチーム




 プロゲーマー集団<羅門会>。彼らはとにかくPKを行うPK集団であり、一般プレイヤーからはそれなりに嫌われている。理由としてはとにかくPKをしてくる事も挙げられるが、それ以上に粘着してくるからだ。


 ターゲットに決めた相手に対し執拗に粘着し、勝つまで必ずつき纏い続ける。唯そこまで嫌われていないのにも理由があり、それが強いプレイヤーにしか粘着しない事と、盗賊の側としてきちんと様々なものを配信しているからだ。


 それでも勝つまで粘着し続ける事に変わりは無い。彼らもプロゲーマー集団であり現実の生活がある。<ゼウス>のような真性のバカとは違い、彼らは仕事としてPKをやっている集団だ。


 なので、きちんと彼らのファンは居るのだが、絡まれる方からすればそんな事はどうでもいい事でしかない。かつて一度、中学生になったばかりの頃にやっていたゲームで、<羅門会>の連中に粘着された事がある。


 そのゲームではアバターをモブキャラのような見た目にしていたのだが、<羅門会>に勝った後、変装しても粘着し続けられたんだよ。最終的に人数で攻め寄せられて捌ききれずに負けたけどね。とにかくしつこい連中なんだ。



 「ふーん。それでも”アレ”を使った言い訳にはならないんだけど?」


 「連中も稀人だからね、死んでも復活するんだよ。だからこっちを狙ってきても悪臭で酷い目に遭うだけだと教えてやらなきゃいけない。弱い相手でもひたすら粘着されたら鬱陶しいでしょ? あいつらをブラックリストに入れたものの、<羅門会>の連中はあいつらだけじゃないしね」


 「どういう事?」


 「ブラックリストに入れれば、僕達から見えなくなるし認識出来なくなるんだよ。つまり透明? になって声も聞こえなくなるし、こっちに触れる事も出来なくなる。そういうものがあるんだ」


 「それをやったとしても、<羅門会>って連中の全員をやったって訳じゃないって事?」


 「そう。連中は同じ事をずっとやり続けてきてる連中だ。そういうノウハウも持ってる。さっきの連中は先遣隊というか、様子見の連中だね。叩き潰したとはいえ、より巧妙な手口でこっちを狙うようになる。それでも負けてやる気は無いけどさ」


 「当然でしょ! 舐められたら負けよ? 敵は完膚無きまでに叩き潰すもの。<羅門会>だか何だか知らないけど、復活してくるなら永遠に殺し続けるに決まってるじゃない。何度ブチ殺されても諦めないなら、それ以上にブチ殺せばいいだけよ」


 「うん、まあそうなんだけどね。そういう連中に対する嫌がらせとしてオーク玉を使ったんだよ。分かってもらえた?」


 「………分かった。ギリギリで納得しましょう」


 「カタ」 「ショウガナイ」 「ブルッ」 「クー」



 えー………そこまで納得し辛い事をやったかな? 確かに吐き気が止まらないほどに臭かったけど、それでも最初のボス戦のような密室じゃなかっただけマシだよ? 実際風に流されていったし、臭い物がベチャってくっついてたのは<羅門会>なんだし。


 ちなみにオーク玉は何かにぶつかると弾け、悪臭の元である汚い物を周りに撒き散らす。離れて投げないといけないし、【クリーン】を使わないと取れないけど、言い換えれば【クリーン】さえ使えれば十分に使える兵器だと思うんだけどなぁ。


 あそこまでの悪臭は、ある意味で兵器扱いしても良いと思うんだよね。作れないから使われる事もあまりないだろうし、こっちに使われても【クリーン】でおそらく綺麗に落として消せると思う。あの悪臭を受けている中で魔法を使えというのは大変だけど、スキルとして使えば問題ない筈。


 なので、ああいうのは基本的に初見殺しだ。それ以上にはならない。奴等<羅門会>がオーク玉を使ってくる可能性は低いと思うから、後は勝ち続けられるかって事だけだね。そんな話をしつつ戻る。


 師匠の家に戻った僕は、ファルと共に台所に行き、師匠のスケルトン・クラフターに持って帰ってきた肉を全て渡す。その後はソファーのある部屋へ行き、フィーゴに憑依を解除させたら【魔力操作】と【魔力感知】を教えた。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フィーゴが【魔力操作】を習得しました

 送還モンスター:フィーゴが【魔力感知】を習得しました


 ―――――――――――――――



 夕食までにギリギリ習得する事ができたので、夕食を食べてすぐにログアウト。一応フレンドメールで<羅門会>の連中が現れた事は全員に報告しておく。おそらく僕を狙い撃ちにする為に来たんだと思うし、バイゼル山に居るユウヤは大丈夫だろう。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 現実に戻って雑事を熟す。それにしても<羅門会>の連中が来たなら、<教導委員会>もおそらく来ている筈。<羅門会>の連中にとっては不倶戴天の敵が<教導委員会>だ。でもなー、連中は連中で堅すぎる。


 こうするべきだ、ああするべきだと面倒臭いんだ。そういうキャラクターをやっているのは知ってるんだけど、それにしてもウザい。連中はゲーム内での風紀委員気取りだからなあ。<羅門会>が漫画の中の不良みたいだし、面倒な連中だよ、本当。


 そんな事を考えつつ雑事を熟した後スマコンを使って調べていると、<ゼウス>が解散した事と合わせて、結構なプロゲーマー集団が第二陣で参戦している事が分かった。


 <羅門会>、<教導委員会>、<もふもふランド>、<ゲーム研究所>、<格闘連盟>、<バトルスープレックス>、<剣刀士>、<忍べ>。本当に沢山のプロゲーマー集団が参戦してるなあ。驚きだよ。第一陣じゃなかったのは様子見かな?。


 人気ゲームの配信の方が儲かるから、様子見なのは当然か。で、人気の内に乗っかったと。特に<ゼウス>の所属してた会社のプロゲーマーが丸々居なくなったからねえ。実際に<魔界王>と<美女軍団>は居なくなってるし。


 他のプロゲーマーも、いちいち面倒臭い<ゼウス>が居ないなら続々と参戦してくるか。アポロンって何だかんだと言って、弓系ゲーマーとしては侮れない強さをしてるんだよね。


 今の<レトロワールド>だとアクティブスキルが殆どないから余裕で殺せるけど、スキルが充実してくると面倒な事になってたのは間違い無い。だからこそ、早めに<ゼウス>の連中が潰せたのはありがたいんだ。まさか解散まで行くとは思ってなかったけど。


 参戦している中で期待するのは<バトルスープレックス>かなぁ。この人達はプロレスラーとプロゲーマーの二足の草鞋を履いてる人達で、ゲームの中で危険なプロレス技を使う人達でもある。もちろん動画の中で危険だから現実にはやらないようにと説明は入るけどね。


 僕も彼らの動画を見て、自分なりにアレンジして取り入れた事もある。実際に自分の肉体で受けている人達だからこそ、それが分かる強さもしてるんだよね。地方のプロレス団体だけど、全国区で名前が知られている珍しい人達でもある。


 後は個人的には好きな<忍べ>かな? NINJAという訳じゃなく、忍者なんだけど忍べない人達なんだ。どんなゲームでも忍者として活動し、常に忍者である人達。ただし配信するので忍べない忍者、だから<忍べ>だ。


 絶対に忍者のイメージを崩さない人達で、ありとあらゆるゲームで忍者をする。彼らは珍しく、国内よりも国外にファンが多いプロゲーマー集団だ。外国人ってやたらに忍者が好きだよねー。


 それとは別なのが<剣刀士>だ。あそこは剣道や居合いの有段者のみで構成されているプロゲーマー集団で、ゲームだと真剣を人に対して振るい放題だという理由を隠そうともしない人達であり、辻斬り一歩手前とも揶揄やゆされている。


 まあ、頭のおかしい集団も入ってきたって事だね。おっと父さんが帰ってきたようだから、お風呂の用意でもしてこよう。


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