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0081・怪しい木箱




 2000年 8月16日 水曜日 AM8:12



 今日もログインするんだけど、お知らせに不具合修正が出ていた。それを読むとピンポイントで僕の事だというのが分かる。ゴーストが憑依しているとダンジョンの階層を無視出来るバグの修正と書かれていたんだ。


 昨日までの攻略情報は無かった事になっているらしく、もう一度攻略し直しらしい。まあ、レベルなんかは変わらないので、もう一度行けば済むだけとは言える。朝に話したが、今日トモエは金策とダンジョン街に買い物に行くらしいので別行動だ。


 なので攻略は僕達だけになるし、そうなると15階が大変になる。オーク玉の使用許可をとろう。きっと皆が反対するだろうが、殺されるよりはマシなのだから受け入れてくれるだろう。


 ログインした僕は不具合の事を説明し辛いなと思いつつ、昨日ゴーストが憑依していたら11階からスタート出来たのは不正だと言われたから、もう一度1階からスタートする必要があることを説明した。



 「確かに言われてみればそうねえ。憑依してたら攻略しなくてもいいっていうのは、他の者から見ればズルいでしょうし。それにもう一度行くにしたって、もう道順は分かってるんだから、昨日みたいに苦労はしないでしょ」


 「昨日はウロウロしたからねー、あれは大変だった。そのうえ階段の上でシャドウが待ち伏せしてるとかいう、完全に喧嘩を売ってるような状況だったし。コトブキが気付かなかったら、そのままやられてたかも」


 「ほほほほほ、まだまだじゃのう。疲れている時など、一番罠に嵌めてくる時ぞ。そういう時ほど周囲を確認して罠がないか調べねばならん。体も心も元気な内は罠に嵌めようとはせん、弱ってきた時じゃ、狙われるのはのう」



 朝食後、僕達は出発してダンジョンへ。フィーゴを【憑依】させたままダンジョンへ入るものの、1階からのスタートとなった。当たり前ではあるが、不具合は修正されているようだ。なので僕達は1階から攻略する。


 もはや慣れたもので、ささっと5階にまで到達しオーク10体を倒す。今回はオーク玉が出なかったので胸を撫で下ろした。その後は慣れ親しんだジャングルを突破していき、9階でラスティアに踊って貰って殲滅する。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 フィーゴのレベルしか上がらなかったかー。やっぱり次のレベルまでの経験値が相当増えてる。ここら辺から大変になってくるようだけど、このままスキルなども増やさないで進もう。どうも取得できるスキル数に上限があるみたいなんだ。


 当然と言えるのかもしれないけど、スキルを習得し過ぎると、重要なスキルを習得できない恐れがある。このゲームでは【HP増加】などのパッシブスキルもあるらしいので、出来れば取得したいところではあるんだけど、今のところ取得方法が分からない。


 取得した人も口を閉ざしているらしく、証拠のSS以外は不明なんだそうだ。僕としては【MP増加】などがあれば欲しいんだけど、今のところは取得方法が不明なのでしょうがない。


 10階のハイ・ジャイアントゾンビもさっさと倒し、11階を進んで行く。もちろん今までの階層でも登録しているので問題は無い。わざわざ【憑依】を解除してから登録させているぐらいだ、これで登録は出来ている筈。


 11階からの石壁迷宮も地図がある以上は苦労もしない。道中のザコモンスターは皆に任せ、僕はゴーストに【クリア】を使うだけで済む。皆も暴れられてスッキリしているみたいだし、この調子でどんどん進んでいこう。


 14階も突破するんだけど、ついでに地図の完成していない部分も完成させようと進むと、階段のある場所よりも奥に箱を発見した。明らかに怪しいんだが、どうするか……。



 「コトブキは棒を持ってたでしょ、アレで開けなさいよ。あれ木箱だし、開けようとした段階で爆発するでしょ」


 「いや、爆発するのを前提に語られてもねー。魔力の反応も闘気の反応も無いし……僕なら、こうするね!」



 僕はそう言って【セイントバレット】を木箱に撃ち込む。すると「ギュアブゥエア!?!!!?」という声が聞こえ、箱が勢いよく開いたかと思ったら中から触手が出てきた。



 ―――――――――――――――


 <ハイ・トラップボックス> 魔物 Lv17


 箱の中に隠れ潜み獲物を待ち伏せする魔物。非常に鋭い突き刺す触手と、獲物を絡め取る触手の二種類を持つ。危機意識も無く開けた愚か者を貪る事で知られ、有効な対策が少ない厄介な魔物として知られている


 ―――――――――――――――



 「ミミック系は居ると思ってたけど、やっぱり居たかー。調べる方法が無い場合は、宝箱を攻撃して調べるしかないからねぇ。皆、近付かないように、コイツは魔法なんかの遠距離攻撃で倒すよ。あっ、セナは石球を投げといて」


 「リョウカイ!!」



 僕は足下に石球を置くと、【セイントバレット】で攻撃する。ラスティアは【ダークバレット】、フォグは【アースバレット】で攻撃し、セナは石球を喜んで放り投げている。大した威力は出ないものの、何だか楽しそうだ。


 バレれば近付くバカなどおらず、触手の届かない所からの一方的な攻撃に沈むハイ・トラップボックス。残念なヤツだった。そんな事を思っているとインベントリにアイテムが入ってきた。なるほど、これがミミック系を倒した際の報酬なんだな。


 そう思ったら、ハイ・トラップボックスの消えた後に鋭い触手が残った。……何故?。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました

 召喚モンスター:セナが【投擲】を習得しました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <鞭> ハイ・トラッパーウィップ 品質:10 レア度7 耐久660


 ハイ・トラップボックスの鋭い触手をそのまま鞭にした物。<神の贈り物>として手に入れるしか入手方法は無く、非常にレアかつ優秀な武器

 攻撃力31 破壊力1


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <巻物> 筋力増強のスクロール 品質:10 レア度:4 耐久1


 スキル:【筋力増強】を習得できる特殊なスクロール。一度使用すると消えてしまうので、使えるのは1人だけとなる。よく考えて使おう


 ―――――――――――――――



 魔力関係じゃなかったのかぁ……しかし仲間内で筋力を増強して意味があるのはセナかドースだけ。どっちにしたものか? と思うんだけど、ドースはスルーしているのでセナに決定。


 スクロールをセナが持って読んだ瞬間「ピカッ」として終了。スクロールは塵になって消えた。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:セナが【筋力増強】を習得しました


 ―――――――――――――――



 スキルを確認してみると、どうやらパッシブスキルで、常時筋力を増強してくれるらしい。これ系はだいたい大した量は増加されない。それでも【身体強化】を持つので無駄にはならないだろう。


 とりあえず戻って15階に下り、ボス扉の前で少し早いお昼にしよう。そう言って皆と一緒に階段へと向かう。相変わらずシャドウが居たので叩き潰し、階段を下りてボス扉の前へ。少しゆっくりしよう。


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― 新着の感想 ―
普通に召喚し直せばいい事はわざわざやり直しをする?
鞭強い...けど...神の贈り物専用武器って修理どうすればいいんだろう...
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