0080・角製の新武器
再びシャープホーンバッファローが出てきたので、転倒させてバインド系を使った後、ファルに角を折ってもらう。先ほど石球で折れたので、そこまで硬い訳ではない筈だ。リナが足を切り落とすと同時くらいに、角を折る事に成功したファル。
そのまま一気呵成に攻めて倒したのだが、予想通り肉と角が落ちた。シャープホーンバッファローの倒し方はこれで正解みたいだな。とはいえ出来れば2本とも角を折りたいところだけど、片方はどうしても下になるんだよね。
地面が近くて折り難いから諦めるしかないか。そう思いつつ<石と木の片手斧>を貸してもらい、分解して角で作りなおす。その結果なかなか良い物ができたと思う。
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<斧> 鋭角牛の片手斧 品質:5 レア度:2 耐久200
シャープホーンバッファローの角で刃が作られた片手斧。威力よりも切れ味の良い一品。耐久力が低いのが難点である
攻撃力17 破壊力2
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サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
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「切れ味が良いねえ……まあ、破壊力だけなら棍棒なんだし、斧なら切れ味も必要か。耐久力はそこまでだけど、今までのより明らかに切れそう。リナも喜んでるみたいだし」
「コレナラ、モットハヤクキレマス!」
「足さえ落とせば、後は楽だから頼むわね。コトブキも魔力を温存する戦い方に切り替えなさいよ。そのままだと帰りに困るでしょ?」
「まあ、そうだね。足が切れるまでは頑張って、それ以降は槍で戦えばいいかな?」
ラスティアの言もあり、16階の入り口に戻りつつ魔物を狩る。シャープホーンバッファローが出てきたら積極的に角を折り、手に入れた角を武器に加工していく。肉はゲットしているけど、僕にとっては角の方が大事なので角を貰う。
トモエ達は肉が手に入ってご満悦みたいだが、僕の方も戦闘能力向上の為にはありがたいので、お互いに欲しい物を手に入れている状況だ。
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<長柄> 鋭角牛の薙刀 品質:5 レア度:2 耐久230
シャープホーンバッファローの角を刃に使って作られた薙刀。細身の刃だが、その切れ味は鋭い。耐久力の低さが玉に瑕
攻撃力19 破壊力3
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これでラスティアの武器も良くなった。なかなかに強力な物になっているけど、本人は真剣に振って体の捌き方を調整している。歩法や回避が得意なだけあって、流れるように移動しながら振るうね。流石だよ。
その後は再び歩きだし、フォーアーム・下級2体に襲われるも【ダークヒール】で混乱し、同士討ちで倒してしまう。何故か持っていた鉄の片手斧が残ったので、何とも言えずリナに渡す。一応性能は見させてもらった。
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種族レベルが上がりました
メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました
召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました
召喚モンスター:セナのレベルが上がりました
召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました
召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました
召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました
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<斧> 鉄の片手斧 品質:5 レア度:1 耐久320
鉄で出来たシンプルな片手斧。シンプルゆえに、その威力は高い。耐久も高く安心して使える一品
攻撃力21 破壊力3
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やっぱり鉄製は強いなぁ。それでも鉄のメイスと比べれば圧倒的に破壊力が違うね。攻撃力は斧の方が高いから、こんなものなのかな? 少なくともシャープホーンバッファローは鉄の武器で戦う相手なんだろう。性能からもよく分かる。
青銅以上で鉄未満という事は、装備としては鉄だろう。青銅の武器と石と木の武器で戦う相手じゃないし、勝つのが大変なのは分かる。そもそもフォーアーム・下級が普通に鉄の武器を持ってる時点でねえ……。それでも僕はこのまま行くけど。
そんな事を考えつつ、石球を投げてシャープホーンバッファローを誘き寄せる。そのままタコ殴りにして角と肉をゲットしていると、遂に壊れる時が来た。ファルの使っていた青銅の狼牙棒が壊れてしまい、鉄のメイスを使う事に。
仕方がないかと思いつつ、角を折るのに役立ってくれた感謝をしつつ自分の槍を作っていく。
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<槍> 鋭角牛の槍 品質:5 レア度:2 耐久220
シャープホーンバッファローの角を使った直槍。切れ味が鋭いので深く刺しやすいが、抜けなくなる可能性に注意。耐久力にも注意を払おう
攻撃力19 破壊力1
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サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
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更に数本の角を手に入れたところで時間が来てしまったので終了。戦闘を続けていたからか、またフィーゴのレベルが上がった。今日1日で凄いレベルアップだな。
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召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました
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16階の魔法陣まで戻り、今は作業中だ。トモエはロース肉だけを残して、他はプレイヤーマーケットに流したみたい。売れているのかホクホク顔をしている。
僕は手に入れた角を木の棒に被覆して、新しい棒を作った。角を多く使ったからか、サブ職業のレベルが上がったよ。
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<棒> 鋭角牛の角と木の棒 品質:5 レア度:2 耐久280
シャープホーンバッファローの角を木の棒に被覆して作った武器。切れ味は無いものの、硬い角がそれに見合った破壊力を生み出す。角を使った武器には珍しく、耐久が高いのが特徴
攻撃力17 破壊力4
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サブ職業:錬金術師・下級のレベルが上がりました
新たな錬金術スキル【粉砕】を習得しました
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【粉砕】という事は薬作りなんかで役に立つって事かな? それ以外は今のところ思いつかないな。まあ、いいや。そろそろ魔法陣で脱出して師匠の家に帰ろう。皆もとっくに準備が出来ていたので急いで地上に戻る。
そのまま師匠の家に足早に戻ろうとするも、途中でまたもや盗賊に襲われた。ラスティアとトモエが居るから仕方ないんだろうか?。
「おいおい、そこのガキ! なに足早に逃げようとしてんだテメェ!! 今すぐそこの女ども置いドゥェッ!!!」
「鬱陶しいからさっさと殲滅するよ。盗賊は皆殺しだ!」
「カタ!」 「ブッコロシ!」 「ブルル!」 「ク!!」 「お先にー」
「「「「「「「あっ!?」」」」」」」
僕が石球を投げてブチ殺した後、素早くラスティアは前に出て薙ぐ。それは綺麗に首筋に入り、そのまま首を飛ばしてしまった。ポーンと首が飛ぶって本当にあるんだなぁ……。頚動脈の血の勢い?。
ダンジョンの16階では分からなかったけど、やはり結構な切れ味があるらしい。あれはラスティアの長く培った技術もあるんだろうけど、今までの石と木の武器と違い、本当に切り裂いたって感じだった。
赤いドクロマークですらない連中を始末し、手に入れた鉄の武器をトモエに渡す。僕はお金を持っているし、何より師匠の家に戻ったら食事をとってログアウトだ。使い道を決める暇も無い。
しかも全部鉄の短剣だから、ここから武器を作ろうと思うと品質が大幅に下がる可能性が高いんだ。なのでトモエに渡しておく。
師匠の家に戻った僕は素早く夕食をとると、すぐにログアウト。現実に戻ったら雑事を大慌てで行う。今日は牛と角と戯れすぎた。




