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0079・ダンジョン16階の魔物と素材




 僕達は再び荒野を歩きだしたが、そこにタンブルウィードが転がってきた。ギンが【ファイアバレット】を撃ち込むと、タンブルウィードが火車のように燃え上がり突っ込んで来る。あれってもしかしてトラップなんじゃ?。


 慌てて逃げる僕達だけど、何故か燃え盛るタンブルウィードは僕達の方に向かって来た。追尾してくるというのは明らかにおかしいので、試しに【セイントバレット】を撃ち込むと絶叫が響く。



 「ウギャーーーー!!!」



 ―――――――――――――――


 <タンブルゴースト> 霊魂・植物 Lv19


 タンブルウィードに憑依したハイ・ゴースト。火で燃やしても然してダメージは与えられず、むしろ執拗に追いかけてくるので注意


 ―――――――――――――――



 そういう事か。そう思い僕は逃げながらも素早く【クリア】を使う。するとハイ・ゴーストは倒せたんだけど、火車のようになったタンブルウィードは追いかけてくる。皆に声を掛けて左右に分かれると、燃え盛るタンブルウィードはそのまま転がっていった。



 「あっぶないなー。まさかタンブルウィードはともかく、ハイ・ゴーストが憑依してるなんて誰も思わないよ。挙句に突っ込んでくるなんてさー」


 「あれ、ゴーストが憑依してたの? どうりで追いかけてくる筈よ。ギン、もうあれを燃やすのは止めてね」


 「ニャァ……」


 「タンブルウィードその物も燃やすとああなるらしいしね。酷い所だと車も壊されたりするらしいから怖ろしいよ。乾燥した草の塊だと思うと痛い目を見るから、その事は覚えておこう?」


 「ニャ!」


 「む……やっぱりコトブキに懐いてる気がする。それはともかくとして、あれだけ面倒なのにドロップしたのは<浄石>一個? あれが出てきたら【浄化魔法】でさっさと倒すべきね」



 まさか転がってくるタンブルウィードが魔物扱いだとは思わなかったから、最初は鑑定なんてしなかったんだよね。気をつけないと変なギミックで殺されかねないなぁ。とりあえず、今日はここで頑張ろう。


 その後もシャープホーンバッファローやタンブルゴーストを倒しつつウロウロしていると、新しい魔物? を見つけた。楕円形の仮面を着けた赤い肌の、人型の魔物だ。ただし腕が4本あるので、魔物だろうと思う。



 ―――――――――――――――


 <フォーアーム・下級> 魔物 Lv17


 かつて存在した種族とも言われている謎の魔物の下級戦士。素顔を見た者は誰もいないうえ、どんな相手でも殺しにかかるという戦闘種族


 ―――――――――――――――



 4本ある腕にはそれぞれ盾と斧に盾と剣を持っている。両方の下の腕に盾、上の腕に武器と厄介な装備をしている。そのうえ相手が持っているのは鉄製の武器だ。明らかにこちらの方が見劣りしてしまうが仕方ない。


 ファルとリナが素早く前に出ると、ラスティアとトモエはバインド系で攻め立てる。相手は足が動かせなくなっても、4本の腕で2人の対処をしてくる。本当に厄介だな。そんな中、僕はといえば【ダークヒール】を連発している。


 最初は変わらなかったのだが、段々とおかしな動きになり、現在はくねくねしながら戦っている。ファルとリナも戦いやすくなったのだが、何故か体の向きをリナに向けているフォーアーム・下級。


 鑑定してみると、そこには<発情>の文字が……。リナの方を向いてるって事は、あのフォーアーム・下級は雄なんだろう。それはどうでもいいんだけど、起こる状態異常がバラバラだなぁ。挙句、最初は効きが悪かった。


 状態異常に耐性があるか、それとも魔力か精神が高いのかもしれない。そう考えていると、どうやら沈んだようだ。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 そこまで苦労しなかったが、それは状態異常の御蔭だろうか? 戦闘前に石球をぶつけておいた方が良いかもしれない。


 ここは荒野なので身を隠す場所も少なく、不意打ちで攻撃するのは難しい。だから向かってきている最中の牛に投擲!! そう思い、【身体強化】も使って全力で投げた石球は、牛の角に直撃し圧し折った。その一撃を受けた牛は転倒し、悲しみの声を上げる。



 「モ~~~」



 普通の牛みたいな声を上げられても困るんだけど? そう思っていたのだが、立ち上がるとスゴスゴと去っていった。何か悪い事をしてしまった気がするが、去っていった所為で肉が手に入らず、トモエ達から睨まれる。


 先にダメージを与えておくのは悪い事じゃないと思うんだけど? そう言うものの、何故か睨まれたままだ。食べ物の恨みは怖ろしいって事かな? そう思いつつ、何故か残ったままの角を鑑定してみた。



 ―――――――――――――――


 <素材> 鋭角牛の角 品質:4 レア度:2 耐久330


 鋭角牛の角。非常に硬く、その割には軽いので使い勝手の良い素材。十全に扱うには錬金術を必要とする


 ―――――――――――――――



 これ割と根元の方から折れてるから、このまま槍にする事も出来るんだけど……どうしようかな? 【変形】を使えば石の代わりに使えると思う。しかし何に使うか……悩んだ挙句、こうしてみた。



 ―――――――――――――――


 <剣> 鋭角牛の剣 品質:4 レア度:2 耐久190


 剣身にシャープホーンバッファローの角を使った剣。なかなかの切れ味を誇る優秀な剣ではあるものの、耐久力が低いのが難点

 攻撃力18 破壊力1


 ―――――――――――――――



 鞘も作り、これをファルに持たせる。セナには僕の持つ鉄の短剣を渡して身につけさせた。戦闘で何度か使えば該当のスキルは得られるだろう。そう思っていると、丁度いいところにフォーアームが来た。タイミングが良いなぁ。


 今回もバインド系で動けなくしつつ、【ダークヒール】を使う戦法だ。相変わらずおかしな挙動になったので鑑定してみると、<痺れ>という状態異常になっていた。どうやら麻痺までは行っていないらしい。


 それでも4本の腕を動かし難そうにしているので、相当戦闘はし辛いのだろう。その間にファルは剣を叩き付け、セナは後ろから短剣をグサグサ刺している。スキルが無いからか碌にダメージを与えられないようだが、最後にラスティアが喉元を突き刺して終了。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルが【剣術】スキルを習得しました


 召喚モンスター:セナが【短剣術】スキルを習得しました


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 フォーアームが倒れた後にファルとセナに説明するが、打撃攻撃の効き難い相手に剣や短剣を使うように指示する。どうしても棍棒や格闘武器の方が壊れにくい。なので普段使いはそっちにしてほしいんだ。


 壊れやすい物を普段使いされると、幾らお金があっても足りないからね。ファルとセナも理解してくれたので、再び魔物探しだ。それよりトモエの方は大丈夫なんだろうか?。



 「武器の事? 私の方はそこまでだけど、リナの武器が厳しいかなって感じ。壊れたら新しく作ってもらえばいいし、そこまで気にしなくてもいいわよ?」


 「ああ、僕が作るのは確定してる訳ね。プレイヤーマーケットでもっと良い物が売ってるんじゃないの?」


 「売ってるけど、性能と値段を考えると微妙な感じ? 正直に言って、コトブキが作ってるのってそれなりに優秀なのよ? 本人があんまり理解してないみたいだけど」


 「そうなんだ?」



 確かに最初の頃に比べれば良くなってるけど、最近は品質が上がっても耐久だけで、攻撃力や破壊力は頭打ちっぽいんだよね。だからそこまで品質を上げる事に拘ってないんだけど、それでも適当に作ったのは売れてた……か。


 プレイヤーマーケットでも買われてたしね。


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