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0075・ゴースト




 9階での進化も終わり、急いで岩の後ろの階段へと行って10階へと下りる。あまり長居したい場所でもないので、ボス前の大扉でゆっくりと休憩。現在は焼き鳥を食べたり、サンドイッチを食べたりしている。


 ラスティアは食事の後、じゃ○りこを食べながらゆっくりしている。面倒だったのでトモエとリナにも渡した。後はそっちで何とかしてほしい。メイとギンが狙っているみたいだが、羊と猫に食べさせても良いんだろうか?。


 そんな事を考えながら、僕達はゆっくりと回復中だ。結構な魔力も消費していたので、それも含めて回復しているのだが、ウチの召喚モンスター達は遊んでいる。まあ、回復するなら何だっていいんだけどね。


 十分に回復したので中に入り、昨日と同じくジャイアントゾンビと戦う。もうコイツとの戦闘も慣れたものであり、【セイントバレット】で上手くタゲ取りも出来るし維持も出来る。もちろん余裕を見せて失敗なんていう下らない事をする気は無い。


 皆も足を攻撃したりしつつ順調にダメージを与え、僕の魔力が無くなる前に足を切断する事に成功した。後は滅多打ちにして倒してしまえばいいので簡単だ。ボコボコにして倒し終わると、久しぶりの肉が出た。


 またもやセナが食べたが答えはNOだ。ハイ・ジャイアントゾンビと言われてもね、大型化なんてさせる訳ないじゃん。絶対にコレ罠だし、アイテムで進化したら能力値が低いままだと思うんだよね。予想通りだとしたら損しかない。


 そんな事をトモエ達に話しつつ、11階へと下りて転移登録。石壁迷宮を進んで行く。ここはアンデッドだらけなので大変だが、同時に<浄石>を手に入れられる場所でもある。これが意外に高値で売れるんだよね。もちろんドロップの中ではだけど。


 スケルトンやゾンビが来る中で【火魔法】が飛んでいき、あまりダメージを与えられていないようだ。僕が思っていた通り、このゲームではスケルトンやゾンビに【火魔法】は然して効かない。弱点は【浄化魔法】で決定だね。


 一応細かく【ファイアバレット】を使用しているようだけど、効きが悪いからかギンは牽制以上はしないらしい。そのうえスケルトンにしか使ってないので、ゾンビ相手では本当に効きが悪いんだろう。


 【クリア】を使いつつ戦い、出来るだけ<浄石>をゲットしつつ進んで行く。何故か一度でも使えば確率で手に入るので、無理して【クリア】で倒す必要は無い。そこだけは助かる部分だ。


 適当に戦いつつも進んで行くが、そういえばダンジョンなのに宝箱が無かったなあ。割と調べてきているのに、見つかった事が一度もないや。トモエはどうだったんだろう?。



 「あ~、それね。私も師匠に聞いた事あるけど、ダンジョンに宝箱なんてある訳がないって怒られたわよ。ただね、ダンジョンの何処かに武器が落ちていたりとか、ビンが落ちていたりとかはあるんだってさ」


 「つまり、宝箱なんかに入ってるんじゃなく、無造作に転がってるって訳か。まあ、分からなくもないかな? そもそも箱に入ってるっていうのもおかしいしね」


 「それが、そうでもないみたいよ? 師匠の話だと、何処かのダンジョンで魔物を全滅させたら宝箱みたいなのが出てきた事があるって言ってたのよ。何処だったか忘れたみたいだけど。たださ、長い棒を使って開けてみたら大爆発したらしいわ」


 「ああ、罠付きの箱ね。それ以外にもダンジョンの魔物が持つ物を手に入れる場合もあるわよ? ダンジョンの魔物が持つ武具って何故か消えるけど、消えずに残る物もあるのよ。それらは手に入れられるわ。大体が良い物なんだけど、そういう物を使ってくるって事でもあるしねえ」


 「良い物を持っている相手から奪えるけど、代わりに良い物を持っている相手と戦わなくちゃいけない訳だ。………それって相手が持ってる物を破壊したらどうなるの? やっぱり壊れたまま?」


 「それはそうでしょ。壊れた物が復活するなんて、ある訳ないじゃない」


 「「ですよねー」」


 「相手の持ってる物が良さ気なら、注意して戦わないといけないね。せっかく高値で売れる物が何の価値もなくなっちゃうよ。上手く弾き飛ばすしかないかな?」



 ダラダラ話しつつも魔物と戦っていき、ある程度で引き返す。石壁迷宮は突破出来てないし、仮に突破するにしても明日にしたい。時間ギリギリで焦って戦うのも良くないし、今日はここまで来れただけでも十分だろう。


 11階の魔法陣まで戻った僕らは<浄石>を山分けし、不要な物はプレイヤーマーケットに流しつつ師匠の家に戻る。後ろからつけてくる連中が居るので、仕方なく振り向いた。



 「また盗賊か。あっさり負ける程度のザコなんだから、いちいち出てくるの止めてくれないかな?」


 「あぁん? バカどもを倒した事があるのか知らねえが、オレ様達を随分と舐めてるじゃねえか。そんじょそこらのヤツと同じだと思ってると痛い目をぶげぇっ!?」


 「痛い目どころか一撃で頭が潰れたね? 随分脆いとは思うけど盗賊なんてこんなものか。皆、さっさとブチ殺すよ」


 「カタ!」 「ブッコロス!」 「ブルル」 「クー!」 「私の出番はあんまり無さそうね?」



 敵の盗賊は7人居たんだけど、最初にリーダー格が僕の投擲で死んだからだろう、かなりの動揺をしていた。当然そんな連中がまともな迎撃態勢をとれる筈もなく、中央に突っ込んだセナがこじ開け、後は全員がボコボコにしていく。


 ファルとセナは一撃で相手の頭をカチ割り、ドースは体当たりで吹っ飛ばした後で踏み潰す。フォグは【アースバレット】を足に当てて飛び上がったところを【スモールピット】で転倒させ、その後は首を噛み千切って殺していた。


 ラスティアは素早く接近して薙刀で頭をカチ割ると、隣のヤツの足を石突で払い転倒させる。その転倒した相手には、ファルが何度も顔面に狼牙棒を叩き込んでいた。おかげで顔がズタズタだ。


 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました

 【屍命召喚】に新たに【ゴースト】が追加されました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 あっと言う間に終了したが、トモエ達は僕達をジト目で見てきている。何処か問題点でもあったかな? とりあえず【ゴースト】を召喚登録しつつ聞こうか。



 「いや、問題があるとしたら全部でしょ。まず、いきなり盗賊のリーダー格に石を投げて殺害してるし、その後は動揺しているところに雪崩れ込んでボッコボコじゃない? 盗賊っぽいだけの一般人だったらどうするつもり?」


 「あんな一般人が居る訳ないじゃん。それに盗賊の話をしたらバカどもって言ってたしね。そもそも<悪行度>が増えてない時点で正当な行いだよ? 悪人はあいつらで善人は僕達。ついでに<善行度>が100を超えたね」


 「えっ!? 私24しかないのに? 何でコトブキはそんなに<善行度>が高いのよ!?」


 「だって僕は2度も赤いドクロマークがついた犯罪者を倒してるからね。それだけ<善行度>が加算されてるんだと思うよ。黄色や虹色のドクロマークは見た事ないけど」


 「そういえば、何で赤い色の上は虹色なのかしら? 確かに虹色は目立つけど、普通は黒色とかじゃないの? 不思議よねえ」


 「目立てば良かったんじゃない? 分かりやすさ第一って感じで」



 僕は盗賊どもが持っていた武器を拾い、さっさと師匠の家へと急ぐ。盗賊の持っていた武器はどれも青銅製であり、そこまで良い物じゃなかった。とはいえ、僕としては都合が良い。色々弄ってみよう。


 師匠の家に着いた僕達は、ファルを台所へと送り出してから各々好きに過ごす。さて、今の内にやりたい事をやっておこう。まずは素材に戻す事から始めないと。


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