0662・素材収集とダンジョンへ
2001年 1月16日 火曜日 AM8:21
昨日からオウカさんが加入しているので、今日はダンジョンに行く事になっている。と言っても、まずは素材を集めに行かなきゃいけないので魔隠穴が先なんだけどね。ログインした僕はマイルームで声を掛けてから、ソファーの部屋へ。
ラスティアとキャスティとファルを呼び出したら、ファルには朝食の手伝いへと行ってもらう。その後でソファーに座ると、隣のイルが腕を絡めつつ話を始めた。
「おはよう、コトブキ。昨日姉さんはちょっと暴走して、危うくセクハラでアカウントを凍結されるところだったみたい。カップルリングを装着した後に、体をくっつけようとして注意されたんだって。それでも止めようとしなかったようだけど」
「何かいつものオウカさんと違うっていうか、昔から見てきたオウカさんと違いすぎる。あんな感じの人だったかなぁ……?」
「あんな感じの人ではなかったけど、あんな感じの人だったんでしょうね。ユウヤと付き合うようになって変わったっていうより、ユウヤと付き合うようになって本性を隠さなくなっただけの気がする。イルみたいに」
「何で私? 私はいたって普通だし、そもそも隠していない。オープンにしてる」
「うん、まあ。オープンではあったね。最近その暴走に拍車が掛かってる……んじゃなくて、昔に戻っただけかな? 暴走を私達が止めてたけど、今は止める必要も無いから。そう考えると、確かにイルそっくりだね。もちろん姉妹なんだけど」
「姉妹だからといって必ず似る訳ではありませんよ? そっくりだとは思いますけど。特に暴走具合が」
「そうよねえ。女子会をVRで開いてると禁止用語を連発するし、そういう意味でも暴走してるわよねえ。まあ、私はスルーしてるけど」
「コトブキ君とのアレの話だもんね。トモエが聞いていても微妙な気分にしかならないのは分かるよ。私達は色々と為になるというか、勉強になるけど。もちろんアマロの話もね」
「女子会ってそんな話をするんだ。何か男子よりも赤裸々っぽいね。僕はユウヤとそんな話はしないし、他の男子の知り合いともそんな話はしないよ」
「カンカン」
ファルが来たので話は終わるけど、聞きたくなかったから丁度良かった。僕との事を語ってるっていうのもどうなんだと思うけど、聞きたくないから全力でスルーする。それはともかく全て終わったら師匠の家の外へ。
やってきたユウヤとオウカさんをつれて魔隠穴へと移動。中へと入ると真っ暗なのでオウカさんが慌てた。
「姉さん落ち着いて、ここは目が見えなくても代わりに【魔力感知】で把握できる。だから集中して周りの魔力を認識する。そうすれば洞窟の中が分かる筈」
そのイルの言葉で冷静になったのか、オウカさんは目を閉じて集中し始める。そしてすぐに分かる様になったからだろう、何となくで歩けるようになった。僕達が周りに居るので分かりやすいという事もあるだろう。
ユウヤが横につく形で進むけど、手を繋いだりはしない。それをすると努力ではなくなるので、スキルレベルが上がらない可能性がある。せっかく魔隠穴まで来ているのに勿体ない。なので自力で歩いてもらう。
進んで行って魔物と戦闘。オウカさんはレベルだけではあるけど、昨日それなりに上げているので戦えない訳じゃない。なので適当に攻撃しているようだ。それと、【長柄術】のスキルは習得しているらしいので、武器でもダメージは出せる。
採掘場所に着いたらツルハシで掘っていく。オウカさんもプレイヤーマーケットで適当なツルハシを購入したらしい。お金を持っているみたいだけど、<幸運のウサギ耳>を着けているのが答えかな?。
「姉さん昨日遅くまでゲームしてたけど、もしかして最凶ダンジョンに挑戦した?」
「ええ。随分と苦労したけど、夜遅くにやっと真柄直隆を倒したわ。槍を薙刀っぽく使ったけど、案外上手くいくものね。最初は驚いたけど、慣れてくればそこまでじゃなかったの。何となく何処を狙ってくるのか、何を狙っているのか分かるし」
「俺も抜かれるかもしれないって思って、昨夜頑張ったよ。御蔭でちょっと眠たいけど、これからオウカはポイント稼ぎをするんだってさ。マイルームで会うには次の西洋の館にしておかなくちゃいけないし」
「確かにそうなんだけど、予想以上にオウカさんて適正があったんだね。VR適正が低い人はアレだけど、高い人は上手く動けるから。それでもリアル以上には動けないから、オウカさんは元々の戦闘力が高いんだろうね」
「私の戦闘力は5「言わせねえよ!?」」
「俺達しか通じない話をしてもしょうがないだろ。それよりもさっさと進むぞ」
「うぃーっす」
「何でその返事?」
下らない事を話しつつ進み、回収する物を回収したら外に脱出する。どうやら外に出た段階で【魔力操作】が【精密魔力操作】になったみたい。今度は魔隠穴から師匠の家に戻り、次の場所であるバイゼル山へと行く。
そちらでも掘り進めて鉄などの金属をゲットしたら、その後はウェズベア森へ。トレント系は【クリーン】を使いながら始末し、スライムなども魔法を使って倒していく。もちろんウェルズベアー・エリートも倒して皮をゲット。
それらを繰り返して十分な素材を確保したら戻る。ウェルズベアー・エリートの皮に関しては防具に使えるので残しておいた方が良い事を言っておいた。後は売るなり好きにすればいいんじゃないかな? どのみちユウヤがアドバイスするだろうしね。
トレント系の素材などを流して儲かったら、ウェルズベアー・エリートのライダースーツを流す事は言ってあるので、そのうち連絡が来るでしょ。それまで放っておこう。
師匠の家のソファーの部屋に戻ったらマイルームへと移動し、三人以外を訓練場に召喚して錬金部屋へ。結局ここを使っているから上達しないんだろうか? 疑問に思った僕は倉庫のある場所まで行き、そこで錬金をする事に。
魔鉄を作ってトレント材と組み合わせてツルハシなどを作製。ついでに伐採用の斧なども作製しておく。それが終わったらソファーの部屋へと戻り昼食まで待つ。皆と雑談をしているとファルが呼びに来たので食堂に移動。
昼食を終えたらマイルームへと戻ってログアウト。現実へと戻る。
キッチンへと移動して昼食を作り、シズと一緒に食べたら片付けと雑事を済ませて自分の部屋へ。再びログインしたら、今度はダンジョンだ。ここからはそこまで苦労しないかな。
皆を連れて行っても邪魔になるのでドースとフィーゴを連れて行く事に。移動速度に特化した編成かな? そう思いつつ師匠の家の前で待っていると、ユウヤとオウカさんがやってきた。一応魔鉄とトレント製の薙刀は作ってある事を伝えて出発。
オウカさんはそこまでスタミナがないのでフィーゴが憑依しているドースに乗ってもらい、一気に進んで行く。トモエもアマロさんも少数精鋭状態だ。トモエはリナとギンだけ、アマロさんは僕と同じで馬とレイスだけ。
しかもラスティアとキャスティはマイルームに居るままだ。理由はダンジョンの40階まで転移できるからであり、エウリティアさんとアルゼルが居るのは転移出来ないからとなる。2人が来なかったのは1階から進むなんて面倒なのが理由。
なので2人はマイルームで踊りの練習と農業をしている。ラスティアもたまには集中して練習するのも悪くないって言ってたね。キャスティはいつも通りの農業だけど。




