0655・死王の欠片討伐戦
昼食を終えた後は雑事を済ませてログイン。何とかPM01:00までに間に合った。マイルームにおいて今か今かと待っており、既に参戦ページを開いて用意は完了している。仲間達にも<死王の欠片>討伐戦である事は伝えてあるので、準備も心構えも出来ているだろう。
そしてPM01:00になった瞬間、参戦ボタンがグレーから色付きに変わったので即座に押す。その瞬間に移動した僕は、森のような地形の中に現れた。どんどんと現れるプレイヤーから離れて距離をとり、僕は仲間達を召喚する。
今回はドースではなくフィーゴを召喚してシグマと組ませている。これでフィーゴも【死気感知】を習得できるだろう。ラスティアやキャスティも準備万端のようで、さてこれから戦いに行くぞと思ったら、木々の上に巨大な黒い人型が見えた。<死王の欠片>だ!。
その方向を見ていると、近くから声を掛けられたのでそちらを向く。どうやら皆は既に合流できていたみたいだ。オウカさんも居るけど、ユウヤが守るしかないね。
「オウカさんが居るけど、おそらくユウヤが聖結晶の短剣を持って守らないと死んでしまうと思う。まだ序盤だからデスぺナは受けないけど、早々に魔法を覚えてもらって使うしかないかな?」
「そうね。イルがオウカさんに教えればいいと思うわよ? イルが戦うのは無理だし、攻撃できてもアルゼルだけでしょ? 私だって【生命力操作】は持ってないから無理だし、何かが飛んできたら聖結晶の短剣で切り裂くだけよ」
「それしかないね。私も敵の攻撃っぽいのを切り裂きながら、【浄化魔法】とか【回復魔法】を使うくらいかな?」
「そうですね。そういう意味では聖結晶の短剣を作っておいて良かったとしか言えません。攻撃でまともにダメージを与えるのは無理ですし、元々近接戦でダメージを与えるようなボスでもないでしょう。まだその想定はされてないと思いますよ?」
「確かに。【生命力操作】のスキルを持っているのがコトブキだけである以上、運営側もそんな想定はしていない筈。今回は<死王の欠片>と戦いつつ魔法を連打する戦い。これが一番正しいと思う」
「倒し方としては、まず【浄化魔法】で相手のオーラを削るんだったな。そしてオーラをある程度削ったら、次に【回復魔法】で本体にダメージを与える。これが<死王の欠片>の倒し方だ」
「私は分からないから、つ、イルに色々と教えてもらうわね」
方針が決まったところで出発しようとした矢先、妙な黒い波動が飛んできたもののラスティアが聖結晶の短剣で切り裂いた。<死王の欠片>の攻撃すら破壊できるのか、凄いな聖結晶の短剣。
「先程の攻撃が魔力由来の攻撃だからですね。<死王の欠片>の持つ死の力かオーラで攻撃されれば、おそらく切れません。ただしそういう攻撃は盾で守れるでしょう。オウカはシグマの後ろに居た方がいいかもしれませんね」
「そうだと思う。シグマはライトウッドと光結晶のタワーシールドになってる。アレは破壊力低減効果が10もあるし、耐久が1600を越えてる。とんでもない盾だから、姉さんもそっちの方が死ににくい筈」
「耐久が1600ってどんだけだよ。急にインフレしてないか?」
「掲示板でも言われてるけど、元々聖結晶系は多分2つか3つ先の装備だと思う。私達はかなり強引に突破して手に入れたけど、おそらくそんなに早く手に入れる想定はしてなかったんでしょ。運営は案外、頭を抱えてたりして」
「成る程。2つ3つ先の装備なら、これだけ強力でも不思議じゃないか。とはいえ素材が無いから採りに行くしかないんだが。それに今持ってない以上は、俺の盾は格落ちの物でしかないし」
「残念ながら当分無理。姉さんが暗闇ダンジョンに行けるようになるまでお預けになる。それはもう仕方がない。流石に姉さんを置いて勝手は出来ないし、残念だけど随分と後になる」
「それはそうだけど、そこまで難しくはないだろ。俺が前で耐えていれば<屍人の森>でレベル上げが出来るだろうし、そうなるとそこまで苦労なくレベルは上がる。スキルの苦労に関しては運営ダンジョンがあるから大丈夫だ」
「苦労というか、工夫? それをしなければこの世界では強くなれないからね。とりあえず様々な事をしてみようって感じだから、色々な事に挑戦しないと腕が上がらないし」
話をしながらも定期的に飛んでくる黒い波動を切り裂きながら進んで行く。途中からなぜか僕達の後ろを進んでくる者達が並ぶようになったけど、皆あの黒い波動を喰らいたくないらしい。
まあ、それも当然だとは思う。放ってきているのは<死王の欠片>だから、受けるとマズい恐れもある。とはいえ戦闘が始まってすぐに走って行った人も居るし、受けてもダメージぐらいじゃないかな? そう思っていたら麻痺している人を発見した。
麻痺治しの魔法ってまだ覚えてないんだよね。なので諦めてほしい。麻痺を治す薬も持ってないし、僕達じゃ治す事はできない。
「あの人は無視していいの?」
「誰も麻痺を治す魔法はまだ覚えてない。私達は麻痺を治療する薬も持ってきていないから治せない。だから捨て置く。本当はエウリティアに一度見せてもらえばコトブキが使えるけど、そこまでする意味は無いから諦めてもらう」
「まあ、何かあっても自己責任だし、仲間が居れば助けてもらえるけど、そうでなければ難しいな。一度助けると助けてくれるのが当たり前とか思うヤツも居るし、こういうゲームではあんまり人助けとかしない方がいい」
「そうなのね」
「助けてくれた相手をナンパしたり、酷い場合はストーカーとかするしね。オウカさんはユウヤと一緒に居ればいいわよ。人助けとかせずに」
「そうそう。余計な揉め事に発展するよりは、その方がよっぽど良いと思う。っと、そろそろ足下まで来たよ。相変わらず大きいけどね」
「ウルト○マンに出てくる怪獣レベル……とまではいかないけど、言いたくなるくらいにデカいヤツだよなー。そんなこいつを小さくなるまで削るんだから大変だぜ、まったく」
「愚痴ってないで、ユウヤはしっかり姉さんを守る。私達も黒い波動が出てきたら切るけど、全員が前に居ると混乱するから私は姉さんと共に後ろ。後は皆に任せる」
「じゃ、戦闘を始めるよ?」
「開始、開始。他のも始めたから私達も戦いを始めましょう」
トモエの一言により僕達も攻撃を始める。僕も【浄化魔法】を使いながら戦い、左手に聖結晶の短剣、右手に六角棒を持っている。とはいえボスには近付かず、今はまだオーラを削ってるけどね。アレがなくならないと生命力を篭めても駄目っぽいんだよ。
第三回のイベントでも、聖人の人達はオーラが削れるまではそっちを優先していたし、生命力を篭め始めたのはその後からだ。だから今はまだ様子見をするしかない。それに僕一人だけが生命力を使って戦っても意味は無いだろう。
他のプレイヤーにも活躍の場は要るし、時間が掛かるのは当然のボス戦だ。今回は聖人の人達が全く居ないんだし、プレイヤーだけだと相当に苦労するのは間違い無い。だからこそ今は様子見をしていたいんだ。
前の方を見ると有名プレイヤーがチラホラ見える、ってアレはヘイホー氏と【嫉妬】の悪魔ことヴィダか。相変わらず戦闘中もチラチラ見ながら守ってるなぁ。そしてその近くを固める女性達。あれ絶対に観賞してるだけだよね?。
何と言うか、本当にお祭りみたいになってきたよ。先頭で指揮してるのは仁王氏っぽいし、【剣刀士】の人達は斬りに行ってるみたいだ。あまりにも混沌としてるけど、レイドボスを含めて大規模ボス戦ってこんなものか。
今回が<レトロワールド>二回目となる、全員参加のボス戦だ。張り切る気持ちもよく分かる。
そういえば全員参加のボス戦って<死王の欠片>戦しかないね?。
申し訳ありません。曜日を間違っていた為その部分を修正し、更に細々とした部分も修正しましたが、修正しきれていないかもしれません。整合性が取れていなかったら、笑って流して下さい。
間違っていた箇所は、2001年1月11日木曜日の次が、2001年1月12日木曜日になってしまっていた部分です。その後は一日分の曜日がズレた状態で進んでしまい……。
今回のような事は無いように、これからは慎重に確認して行きます。真に申し訳ございませんでした。
後、最近初めて総合ポイントが評価やブックマーク数などで決まる事を知りました。興味が無い事は調べたりもしないので、投稿を始めて1年以上経ってからの理解です。
何やってんでしょうね?、いや、本当。




