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0065・10階のボス撃破




 かなりのモンスターを倒せたので今の内に階段を探そう。そう思いウロウロしつつ階段を探すも見つからない。ちょこちょこと居るモンスターを倒しつつ探しているんだけど、予想以上に見つからないな。


 方位磁針が狂ってる様子は無いんだけど、これはしらみ潰しに探さないと駄目かな? そう思いつつウロウロしていると、岩の裏側に階段を見つけた。どうもフォグが岩の裏から風が吹いているのを感じ取ったらしい。


 岩の見た目で、裏を見たらくり貫いて階段にしてあるとか……こんな形にしてあるとは予想外だった。しかも周りは木が密集して生えているから、正面から見る可能性が凄く高い。厭らしい配置にしてあるなぁ。


 それでも見つけたんだから良いんだけど。そう思いつつ下りていき、ボス部屋があるであろう10階へとやってきた。5階と同じく一本道になっており、進むと大きな扉がある。その前でしっかり休憩しよう。



 「10階のボスがどうかは分からないけど、流石に舐める訳にはいかない。ラスティアの魅了が効く相手だと楽かもしれないけど、それに頼っても強くなれないしね。とはいえ、あまり細かく作戦立てると失敗する可能性が高いし……」


 「まあ、そうねえ……ボリボリ。5階の時に言ってた、バリッ、盾を前にして、ボリボリ……多数ならコトブキが、パリッ、魔法使うのが、ボリボリ……良いんじゃない?」


 「……まさかラスティアが煎餅に嵌まるとは思わなかったよ。僕も結構好きだけどね。のり煎も揚げ煎も好きだけど、お○ぎり煎餅はさ、定番商品だから気持ちはよく分かる」


 「そうなの? 味が結構濃いんだけど、飲み物と一緒なら気にならない感じ? 後、この渋いお茶もさ、お菓子食べながらだと気にならないわね」


 「まあ、お茶とお菓子はセットみたいなものだからね。それはともかく、ファルに前に出てもらって部屋へ、敵が出てきて多いなら【ダークウェーブ】を連発、少ないなら腰を据えて戦おう。そっちの場合は臨機応変にね」


 「カタ!」 「マカセテ!」 「ブルッ!」 「クー!」 「ボリボリ」


 「咀嚼音で返事をするのは止めてくれる? ま、とりあえずラスティアが食べ終わるまでは休憩しよう。急いでも仕方ないし」



 十分に休憩し、HPもMPもスタミナも闘気も完全に回復したのでボス部屋に入る。背後の扉が閉まるも、僕達はゆっくりと部屋の中央へと進む。すると部屋の中央に魔法陣が現れ、ボスモンスターがせり出してきた。


 それは非常に大きな体をしたゾンビだった。もしかしてジャイアントゾンビなんだろうか? とにかく相手は1体だ、おそらく相当の強さをしている筈。皆に気をつけさせよう。



 「1体しか出てきてない以上は相応の強さをしてる筈! だから気をつけて戦うんだ! 時間が掛かってもいい、焦らず確実に追いつめていくぞ!!」



 ジャイアントゾンビは腕を振ってきたが、ファルには回避するように言う。正直に言って相手が大きすぎて防御どころじゃない。3メートル超えにも関わらず、それなりに動きが速いんだよこのゾンビ。


 おそらく結構な高レベルなんだろう、僕は【セイントバインド】を使ったけど、あっさりと失敗。予想以上の魔法防御をしているみたいだ。アンデッドに有効な【浄化魔法】が失敗するなんて思わなかった。


 それともボスだから<拘束系>魔法は無効化されるんだろうか? 仕方なく【セイントバレット】を連発し、相手に着実にダメージを与えていく。大きくとも速いので近接攻撃がし辛く、囮になるのは僕が一番都合が良い。


 なので派手に【セイントバレット】で攻撃しつつ、相手の顔近くを狙っている。その御蔭か僕にターゲットが移ったので、現在はターゲットが外れないように魔法を使いつつ、囮の役目を熟して様子見だ。


 ファルは狼牙棒で攻撃し、セナはヌンチャク、ドースは蹴りを加えていて、フォグは【アースボール】で攻撃、ラスティアは薙刀で足を攻撃している。僕が【セイントバレット】で顔や首元を攻撃していると、怒ったのか動きが速くなってきた。


 ダンジョンの階層ボスなのに発狂モードを搭載してるのかな? 一定以下のHPになると発狂するけど、この状況は単に動きが速くなっただけなのか、それとも発狂モードに入ったのか区別がつかない。鑑定も効かないので困ったものだ。


 そう思いつつも、皆は先ほどまで以上に慎重に戦い、上手く立ち回っている。マズいのは僕だ。そろそろMPが尽きかけていて、囮の役目を果たすのが難しい。この後も石球を投げれば囮の役は続けられると思うが、大丈夫だろうか?。


 アンデッドの弱点である【浄化魔法】と唯の石球。ダメージも含めて、ヘイト値が違い過ぎるとタゲが外れてしまう。いきなり仲間を攻撃されるとマズいし、声だけは掛けておかないと。



 「ゴメン、みんな!! 魔力が無くなった! ターゲットが僕以外に行く可能性もあるから気をつけて! 出来るだけ石球を投げて引き付けてみるけど、過信しないようにね!!」


 「カタ!」 「リョウカイ!」 「ブル」 「クー」 「分かった、わ!!」



 その時ラスティアの攻撃でジャイアントゾンビの足は切られ、ついにジャイアントゾンビは後ろに倒れる。どうやらずっと足を切ろうとしていたようだが、切ると回復を繰り返されていたようだ。流石はアンデッド、凄い回復力、いや再生力というべきか。


 とはいえ、転倒させればこっちのものだ、後は一気呵成にボコれば勝てる。僕達は滅多打ちにしつつ、邪魔な腕などを攻撃して潰していく。最終的には手首を切り落とし、足首を切り落とし、顔を潰して勝利した。


 悲惨な最期という気がしないでもないが、相手はアンデッドなので気にしなくてもいいだろう。ボスの死体が消えていき、地面に変なアイテムが出た。あれ? インベントリは? ……ゲッ!? インベントリが埋まってる!。


 それでこのアイテムが外に出たのか……ところでコレ何?。



 ―――――――――――――――


 <食材> ハイ・ジャイアントゾンビの力肉


 ハイ・ジャイアントゾンビの力が篭もった肉。生者の食べ物ではない


 ―――――――――――――――



 うん、まあ、僕は食べないよ。食べるのはセナ、ドース、フォグだろうね。誰が食べるのか……と思ったら、ドースとフォグが遠慮してる? そしてセナは当たり前のように食べた。どういう事?。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:セナが特殊アイテムを口にしました

 召喚モンスター:セナをハイ・ジャイアントゾンビに進化できますが、進化させますか?


 ・YES

 ・NO


 ―――――――――――――――



 成る程、そういうアイテムね。当然答えはNOだ。そもそもジャイアントゾンビ系なんて、なったところで邪魔でしかない。特に今回大きさを見たんだし、あんな大きな仲間は使い勝手が悪過ぎる。狭い場所には一緒に連れて行けないしさ。


 色々な意味で大型化するのは避けたいところだ。そもそもだが、強くても特定環境でしか出せないとか、真価を発揮しない奴なんて役に立たないんだよ。それが兵器とか武器なら分かるんだけど、仲間がそれじゃあねえ。


 ま、ボスは倒せたんだし、そろそろ下へと行こう。11階の魔法陣を登録しないとね。それに時間も時間だから、そろそろ帰らないとマズいし。


 さっさと魔法陣まで移動した僕達は、11階がいわゆる普通の石壁ダンジョンなのを確認したら魔法陣で登録し脱出。急いで師匠の家へと戻った。


 【クリーン】の魔法で綺麗にし、師匠の家で夕食を食べた僕は、挨拶もそこそこにログアウト。現実へと戻る。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 急げ、急げ。ダンジョンの中で時間を使ってしまった。洗濯物を取り込んだり、雑事をしておかないと!。


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