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0630・ビスティオとエルフェリアの戦争 その8




 気持ちの悪い黒スケルトンを倒した後、更に西へと進んで行く僕達。


 実は戦争フィールドではメッセージを送れないので、目視で確認するか情報を聞くしかない。それ以外では味方の位置が不明なんだよね。仕方がないとは思うけど。


 プレイヤーだけが情報をやり取りできるのは、流石に有利すぎるからね。今回は明らかにおかしな国があるから一方的に使えるけど、どちらもに分かれて戦うなら掲示板は情報のやり取りには使い難い。


 隠す事が出来ないから罠には使えるだろうけど。本当の情報のやり取りは無理だろう。どうしてもバレちゃいけない情報は戦争フィールドのみでやり取りするしかない。


 ある意味で、やっとこのゲームの本編とも言える天使の星と悪魔の星の戦いが始まる。とはいえ、プレイヤーはどちらに味方するも自由みたいだけど、そうしないと参加しない人が増えそうなんだよね。


 特にエルフェリアみたいな国には参加したくないだろうし、その国がどういう国なのかは情報として上がらないと厳しい。裏では極悪な事をしている国もあるかもしれないし、そんなところを勝たせる訳にはいかないしね。たとえゲームでも。


 心情的に嫌だから、流石に色々と調べている人達が情報をあげてくれるだろう。おっと、また偉そうなエルフと下っ端エルフの構成か。これってお決まりのパターンなのかな? と思うも、偉そうなエルフ二人連れもあったなと思い出す。



 「チッ! 魔人か。獣とは違うとはいえ汚らしい姿だ。そのうえネクロマンサーとは、魂まで穢れているな」


 「お前達みたいに瘴気結晶を使ったり、人間を拷問して呪いの武器を生み出すよりマシだよ。トチ狂ってる自覚が無いって無様だね」


 「穢れた汚物風情が生意気な! さっさとブチ殺せ!!」


 「「「ハッ!」」」


 「しょせんは口先だけの、自分では何も出来ないゴミか。どれだけ無様なのか自分で証明しているけど、その程度の事にすら気付いていないとは、憐れな……」


 「ふざけるなぁ!!!」



 偉そうなエルフが腰のバッグに手を突っ込み、両手に瘴気結晶を持って投げてきた。しかしファルとセナは、ヌンチャクとメイスで打ち返す。絶妙な手加減をしているのか「キン」という音がした後、偉そうなエルフへと跳ね返っていった。


 さっきもそうだけど、君達打ち返すの上手いね。



 「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁ、がががああががぐぅぅぅぅぅ、ああぐぶがわばあぁ」


 「ヒィッ!!!」


 「あ、アンデッドに!?」


 「なんで、いきなり!?」


 「なんだ、君達知らなかったのかい? 瘴気結晶を使われた者はゾンビなどのアンデッドになるって。……それにしても醜いねー、これが素晴らしいエルフなのかな? 僕には欠片も理解出来ないよ」


 「なんだどぅぉっ!!?!」


 「ふざけぎっ!?!」


 「おまばわっ!!?」



 セナ、シグマ、セスの三人が、さっさと前衛の下っ端エルフを倒し、残っている偉そうなゾンビをフォグが【セイントジャベリン】で撃ち抜いた。それで終了したらしく、あっさりと浄化されたようだ。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セスのレベルが上がりました


 召喚モンスター:エストのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 死体が浄化されて消えた場所には、持っていたアイテムなどが落ちているので鑑定していく。それにしても経験値が多いと踏んでいたんだけど、思っているよりレベルの上がりが遅いね。


 もしかしたら、レベルの低い人用のイベントなのかな? それでも参加するけど。



 ―――――――――――――――


 <剣> 痺縛のレイピア 品質:10 レア度:6 耐久980


 拷問された人間の血と肉と精神、更には瘴気結晶を用いて作られた呪術的な剣。これで切られたり刺された者は体が動かなくなってしまう。拷問の末に殺された者の痛みと苦しみと恐怖と絶望を宿す、強めて悪質な剣。作りだした者達は狂っていると言ってよい

 攻撃力30 破壊力1 【パラライズ】


 ―――――――――――――――



 既に瘴気結晶は持っていなかったけど、この剣が見つかった。これを持ったら悪行度が上がるだろうか? しかしビスティオ軍に預けるには持つしかないしなぁ……どうしたもんか? 何となく持つと悪行度が上がりそうなんだよね。


 よし決めた、蹴り飛ばして持って帰ろう。そうすれば持った訳じゃないんで、悪行度も上がらないだろう。もしくは縄か何かを触らないように結び付けるかだ。紐のような物は………あるね。弓の弦に使った繊維の余りだ。これを結びつけて……よし、出来た。


 コレで持ち上げてみたらどうだ。……よし、悪行度は上がってない。少なくとも触れなきゃOKという事は判明した。これで持って帰って預ける事が出来るので、とりあえず一旦戻ろう。もしかしたら一定以上集めると何かあるかもしれないし。


 僕は結びつけたレイピアをプラプラさせながら、東へと歩いて戻る。それにしても皆と出会わないけど、いったい何処に居るんだろう? まさかと思うけど、死んだ訳じゃないよねえ? 流石に皆の実力で殺される事は無いと思うんだけど……。


 そう思いつつ戻っていると、まだあの11番ピエロのゾンビが居た。僕は側を通りかかると【セイントクリア】を使い、また弱体化しては去っていく。誰かに殺してもらえるといいね。


 そう思っていたら、後ろから来たエルフに殺された。



 「何故アンデッドのような汚い者が居るのかは知らんが、悪魔の星の者は醜い事を考える。我ら高尚なエルフには理解できん」


 「お前達が持ち込んだ瘴気結晶でああなったんだよ。ついでにこのレイピアはエルフェリアのお前達が拷問で生み出した物だ。鑑定結果にもそう出ているねえ?」


 「チッ! 貴様ら、あれをさっさと奪い返せ!」


 「「「ハッ!」」」


 「また口だけで自分は何もしないマヌケか。エルフってのはゴミしかいないのかな?」


 「殺せ!!」



 なんでこうも煽り耐性が低い癖に相手を挑発するんだろうね? レイシストって本当にこういう連中だから困るんだけど、リアルにもこういうヤツって居るのを思い出したよ。他人を見下すヤツほど、不思議なくらい煽り耐性が低い。なんでだろうね?。


 前衛のセナ、ファル、シグマが下っ端エルフの頭をカチ割ると、後ろの偉そうなエルフの魔力が急激に高まった。僕はすぐにレイピアを地面に落とすと、聖結晶の脇差を取り出して前に出る。



 「死ねゴミどもが! 【ストーンパラン】」



 おそらく【木魔法】だと思うけど、パランというくらいだしコレも胞子系かな? どのみち斬れば潰れるから簡単だけど。そう思って切り裂いたら、いとも容易く斬れて無くなった。



 「なにぃ!? そんなバカなぁべし!?!」



 セナが後ろからヌンチャクでカチ割ったんだけど、喋っている最中だから「あべし」が出たよ。「ひでぶ」じゃなかったのがちょっと残念だけど、流石にあのセリフは普通にしてたら出ないよね。「あべし」が出ただけでも喜ぶべきかな?。



 ―――――――――――――――


 <剣> 呪いのレイピア 品質:10 レア度:6 耐久950


 拷問された人間の血と肉と精神、更には瘴気結晶を用いて作られた呪術的な剣。これで切られたり刺された者はランダムな呪いに掛かる。拷問の末に殺された者の痛みと苦しみと恐怖と絶望を宿す、強めて悪質な剣。作りだした者達は狂っていると言ってよい

 攻撃力30 破壊力1 【カース】


 ―――――――――――――――



 コイツもだけど、碌な物を持ってないね。他にも持ってるかもしれないけど、まずはこのレイピアも残っている繊維で縛ろう。硬堅木の繊維だから丈夫で良かったよ。


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