0620・暗闇ダンジョン65階まで
食堂へと行くと皆は既に食事を始めていたので、僕はとりあえず食事を始める事にした。でも、すぐにライダースーツの事を問われたので、僕はプレイヤーマーケットに優先を付けて、それぞれのライダースーツを売りに出す。
それを購入した三人は、早速出してみて確認を始めた。食事中だけど、前に僕も武器とか出してるから他人の事は言えないんだよね。だからさっさと食事を始めよう。
「防御力も魔法防御力も高いわねえ。流石はウェルズベアー、しかもエリートの皮だけあるわ。鎧の方が防御が高いのは事実だけど、これだけで魔法防御は驚くほど高い。暗闇ダンジョンでの受けるダメージを随分と減らしてくれそう」
「ふむ、ウェルズベアーのエリート種か。なかなか見かけん珍しい個体だが………それほどの服を作る量が居たのか?」
「居たと言うより、生まれているという感じでしょうか? グリーントレントが繁殖した所為でメチャクチャになっていましたが、新たにウィンドトレントにパープルスライムとウィンドスライムが住み着いていました」
「ほう、居着く魔物が現れたか。それとも山の方から出てきたのか。その辺りは分からんが色々と変化しておるようじゃの。ティロエムなど以外にも様々に採れるようになっておるかもしれん。一度行ってみるか」
そんな事を師匠が言っているけど、ウェルズベアー・エリートが乱獲されなきゃいいけどね。まあ、ゲームなんで乱獲されても復活はするだろう。でも湧きが遅くなったりとかはありそうな気も……。とはいえ今から心配しても仕方ないか。
食事が終わった後はソファーの部屋からマイルームへ。そこからログアウトして現実へと戻ると、昼食を作って食べる。その後は雑事を熟してから再びログイン。
ソファーの部屋へ行って連絡し、ユウヤが師匠の家の前に来たら暗闇ダンジョンへ。準備を整えて60階から始める。地図を頼りに現在地を把握し、分かったら採取地点を回っていく。
次の階へと進むのを優先しているので、辺鄙な場所にある採取地点は捨てて先へと進む事を優先する。重要なのは多くの場所を巡る事であって、全てを回る事じゃないんだよね。欲しい物を手に入れるには、それだけ沢山の回数を熟さなきゃいけないからだけど。
そんな僕達は先に進む事と採取活動に全力を出す。ラスティアが前線で短剣を二刀流にしている御蔭で、魔法が潰されていて後衛のダメージが減っている。それが理由でもあるけど、随分と戦闘が安定してきたようだ。
現在62階だけど、今までと違って回復魔法に割くMPを攻撃に使えているので、今までよりも殲滅速度が上がっている。それもあって素早く移動できているんだよね。
「戦闘が楽になってるな。その御蔭で戦闘終了が早くなってるし、魔法を喰らい難くなってるのがありがたい。無駄にダメージとか受けてた細かいのが随分と減ったからな。ついでに光結晶の短剣も威力はあるみたいだし」
「そうね。弱点属性だと思っているよりも切れるみたい。そのおかげで十分なダメージは出せているし、倒すのも早くなったわ。たとえ短剣であっても、60階以降の素材の方が戦闘が楽になるのは間違い無いわね」
「それはそうでしょう、この階層の素材であれば随分と楽に戦える筈ですよ。少しずつとはいえ楽になっていますから、更に手に入れて楽にしたいですね。こればっかりは運ですからなんとも言えませんが」
「今日はなかなか厳しいね。今までよりも格段に出なくなってる。もしかしたら今までは初到達記念だったのかも。そう思えるくらいに出ないよ」
「流石にここまで出ないと厄介ね。先に進むのはいいけど、徐々に群れてるのが当たり前になったきたわよ。それも3体」
「まだこの数だから厳しくない。一気に進んでもっと群れる階層まで行く。そこでどれぐらい戦えるかによって変わってくる。だからそこまで頑張る」
「それはいいけど65階だと4体が当たり前に群れてたりして。そうなってると一気に倒すのは難しいかな? 今でも稀に8体同時とかあるのに、それが頻発しそう」
「それどころか12体の群れとか出てくるかも。エンリエッタさんが厄介っていうぐらいだから、どれだけ厄介かは分かるわよねえ。それと連戦する恐れもあるんだし、気合い入れて素材を入手していかなくちゃ」
そう言いながら暗闇の造魔に鞭を振り下ろすトモエ。他の仲間達も頑張って戦ってるし、イルは硬堅木の弓を試しているみたいだね。さっき射ったのは僕が作った円柱の鏃の矢だ。それなりに威力は高かったようだし、使えそうな感じか。
セナは前でヌンチャクを振り回しているけど、トンファーが弱いので完全に防御に回している。ファルもメイスで攻撃してかなりのダメージを叩き出しているみたいだし、思っている以上に順調に戦えているね。このまま進んで行きたいところだ。
途中の採掘地点で重結晶が一つ出たけど、今のところはこれとライトウッドぐらいしか当たりが無い。本当にここ最近は運が良かっただけみたいだ。まさかここまで出ないとは思わなかったけど、こういう日もあるのは仕方ない。
不満は暗闇の造魔に叩きつけて、素早く先へと進んで行こう。地図も描いているから、どうしても遅くなってしまうんだけど、それは仕方ないと諦めてほしい。階層全てを回らないと、どういう道順で行くか決められないからさ。
「現在64階。結構な数を倒してきたけど、ここから更に増えて行くのよねー……」
「そもそもレベルが合ってないから仕方ないだろ。向こうはもう112とか出できてるんだぜ? こっちはまだ61ってところだ。根本的にレベルが違うんだから、どうにもならないさ」
「プレイヤーとモンスターのレベルが一緒とは限ってないけど、少なくともコイツらは確実に上。だから厳しいのは仕方ない。それでも今までよりは楽なんだから、この調子で進む」
「そうだね、気合い入れて頑張らないと。ただ、明日から戦争でしょ? 一応は出るけど、嫌がらせばかりって聞くし上手く戦えるかなぁ……」
「上手く戦おうと考えない方が良いと思います。出来る限り死なないように立ち回りましょう。そうしないと経験なども出来ませんし、少しでも多く敵のやり方を学んでおくべきですよ」
「そうなんだけど、相手のやり口が分からないと突然殺されるかもしれないわよ? 慎重に慎重を重ねないと駄目かもね。そのうえ地形は森だし、完全に相手の得意なフィールドでしょ?」
「矢が飛んでくるのは確実だけど、代わりに矢を防げる木も多くある。それをどう使うかも考えなきゃいけない。罠とかも仕掛けてくる可能性がある。トラバサミとかは相性が良さそうだし」
「やってくる可能性は高そうだね。とはいえ僕達が向こうの真似をする必要もないし、こっちは自分達のペースを乱さないのが一番じゃないかな? どんな戦いでも自分の強みを相手に押し付ければ有利に戦えるよ」
「そうだな。こっちが崩れておかしな事をする必要もないだろ。おそらく明日はストレスとの戦いだろうさ」
最終的には65階で帰る事になったけど、それなりに色々と集める事は出来た。今日は前半駄目だったけど、後半盛り返す形だったね。ライトウッドとかに関しては、意外に出やすいのかもしれない。
重結晶と硬堅木も出たので、新しい武器も作れる。後は師匠の家に戻ってヤバい薬の原料を渡しておこう。いつものスケルトンに渡しておけばいいかな? 前にも渡しているし、大丈夫だろう。
何に使うのかは聞いてないし、聞く気も無い。どう考えても碌な事じゃないだろしね。デッド草に関しては解毒薬だと聞いたけど、ヘヴンズクラッシュに関しては何も言わなかったんだよ。
だから僕も空気を読んで聞いていない。どうせ「聞くんじゃなかった」と思うだろうしさ。




