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0617・戦争の具体的な話




 ソファーの部屋に来ると、皆が適当にダラダラと話していた。夕食まであまり時間も無いみたいだし、適当に椅子に座って会話を始める。皆も聞きたい事があったらしい。



 「イルが硬堅木と重結晶で弓を作ってもらうとか言ってたけど、出来たの? 流石に重結晶を使った弓なんて無理だし、そもそもしならないでしょうにね。コトブキでも無理だっただろうし」


 「そりゃね。重結晶なんて使ったらガチガチだし、どうにもならないよ。弓本体は硬堅木で作って、代わりに矢のやじりを重結晶で作ったんだ。矢羽はプレイヤーマーケットで買ったけど、上手くいったよ」


 「コトブキが作ってくれたのは、普通の三角型と、破壊力に特化した円柱型、それと私が戦争の為に頼んだ管型の矢の3種類。何故か管型の矢だけ<吸血矢>という名前になってた」


 「そういう用途に使う矢なんだから、そういう鑑定結果になるのは仕方なくない? だって矢が管状になってて、刺さると血がびゅーびゅー出るんでしょ? <吸血矢>って言われても文句は言えないと思うよ、それ」


 「ですね。とはいえ対人だと有用そうな矢ですから、魔鉄などでも作っておいた方が良いのではないですか? 重結晶や硬堅木を使うのは流石に勿体ないですしね」


 「カンカン」



 ファルが来たので食堂に移動し、夕食の席で師匠に聞いておかなきゃいけない事を聞く。少なくとも師匠なら知っている筈だ。



 「師匠にお聞きしたいんですけど、対ネクロマンサーにおいて、瘴気を利用した攻撃をされる可能性はありますか? エルフェリアとの戦争に向けて色々と考えているのですが……」


 「エルフェリアに限らず、対ネクロマンサーとしての瘴気攻撃というのはあるぞ。妾が少々暴れ過ぎたと言えるのかもしれんが、妾の召喚モンスターを潰す為に研究はされておるし、やられた事もある」


 「それを防がないと瘴気でロストしかねません。いったいどういう攻撃なんでしょう?」


 「瘴気での攻撃など、瘴気を相手にぶつけるしかあるまい。問題はどれほどの瘴気を用意しておるかじゃの。一番良いのは瘴気攻撃を受けそうになったら送還する事だ。そうすれば受けずに済む、もしくは【浄化魔法】で浄化し続けるかじゃの」


 「そもそも瘴気なんて持ってたら狂ったりとかするんじゃないの? だってアンデッドの元よね?」


 「当然だが、多量の瘴気を浴びれば生きながらにアンデッドになってしまう。だが瘴石のように瘴気を固める方法が無い訳ではない。ネクロマンスというのは瘴気と向き合い続けねばならん魔法だ。中には瘴気を悪しき事に使う者も居るしな」


 「それはまた、面倒臭そうな話ねえ。ネクロマンサー同士でロストさせ合いなんかが起きたりするの? それもそれでどうなのかしら」


 「余ほどの阿呆だけよ、左様な事をするのはな。しかしそれでも考えておかねばならんのだ、ネクロマンサーと瘴気が敵に回った場合の事は」


 「エルフのネクロマンサーが居ないという保証も無いですし、師匠の事を知っているなら自分達も強力な力を持ちたいと思うでしょうからね。そこから研究して対師匠の武器を持つというのも分からなくはありません」


 「どのみち鍵になるのは【浄化魔法】となる。アンデッドを扱うネクロマンサーにとって、切っても切り離せんのが浄化というのは皮肉が効いておろう? とはいえ元々ネクロマンサーとは鎮魂を生業なりわいとする職だからの。何も間違ってはおらんのだ」


 「鎮魂ねえ……。コトブキの仲間を見てると、それは無いとしか思えないけどね? セナなんて驚くほど好戦的だし、ヌンチャクとトンファーでカチ割ろうとするしさ。荒ぶりまくってるでしょ」


 「まあ、確かにそうですね。鎮まるきざしもありませんけど、アレはアレで良いのでは?」


 「ネクロマンサーの呼び出すアンデッドは、通常のアンデッドとは違うからの。それぞれに個性があったりするし、ネクロマンサーによっても違うのだ。コトブキに似たのではないか?」


 「「「「あー……」」」」



 そこで納得するのは止めてほしいんだけどね? まあ、言ったところで流されるだけだろうから言わないけどさ。それはともかくとして、食事も終わったしマイルームへと戻ろう。結局は【浄化魔法】でどうにかするか、さっさと送還するのが一番良いみたいだしね。


 ソファーの部屋からマイルームへと戻った僕はログアウトし、お風呂や夕食を経て再びログイン。後はイルの相手をしながら、円柱の矢と<吸血矢>を量産しておいた。魔鉄とトレントで作ったけど、それなりに優秀な矢になったよ。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2001年 1月11日 木曜日 AM8:24



 今日も暗闇ダンジョンに行って素材を得る日だ。というより、素材を得て全員分の装備が揃っても、壊れた時の事を考えて素材の回収をしておかなきゃいけないんだよね。そこまで手に入れるのに、どれだけの時間が掛かるのやら。


 そう思いながらログインすると、いきなりウィンドウが目の前に現れた。読んでみると色々と書かれているが、要約すると単純な事だったよ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 ・明日から4日間、ビスティオ対エルフェリアの戦争が始まる

 ・戦争に参加する者は、ログイン後にどちらの陣営に参加するか決める事。人数枠が空いていれば参戦可能

 ・戦争は戦争フィールドという特別な場所で行われ、地形は森に決まった

 ・ビスティオ側の魔法陣はマップの南東。エルフェリアの魔法陣はマップの北西。そこから出現して戦う事になる

 ・プレイヤーの参戦は一日につき一度だけ。死んだらそこで終わりとなり退場。次の日まで戦争に参加は不可能

 ・どちらの陣営に参加するも自由だが、報酬などは一切貰えない。ただし経験値取得やスキルのランクアップなどはある


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 これらの事が表示されているが、しっかりと読んだうえで、参加しかないなと改めて思う。こういう戦いに参加している場合、スキルのレベルアップが早かったり、取得経験値が多かったりするんだよ。


 どう考えても参加しないと損だと思うし、せっかくならエルフェリアの戦力を削いでおきたいしね。あんな国がビスティオの領地を得て、悪魔の星に進出してくるなんて堪ったものじゃないし。


 流石にそれは勘弁してほしいので、僕はビスティオ側で参戦しよう。というか、多くのプレイヤーもそうだろうね。ただ、両方共に5000人ぐらいしか参戦できない筈だから、参加できたらなんでも良いという人はエルフェリアにつくかも。


 まあ、それならそれで殺せば済むし、あまり難しく考える必要は無いね。まずはラスティアとキャスティとファルを連れてソファーの部屋へと行こう。


 3人に声を掛けた後ソファーの部屋へと移動し、皆に挨拶する前に召喚する。そして挨拶が終わったらイルの隣に座った。



 「コトブキは朝のウィンドウを読んだ? もう一度読みたいなら運営のヘルプを見に行けば書いてある」


 「ちゃんと読んだし確認もしたから大丈夫だよ。そこまで難しいものでも無かったし、分かり難くも無かったからね。とにかくビスティオで参戦しようと思う。エルフェリアが勝って悪魔の星に進出してきても困るし」


 「確かにそれはそうね、そう考えると嫌がらせに走るバカとか現れそう。ただし1日目以降も参戦するかは疑問しかないけど」


 「一度エルフェリア側で参戦したら、嫌気も差すかもしれませんからね。それに一日目なら追い込まれてもいませんから、絶対に態度は尊大でしょうし」



 だろうね。そもそもエルフ至上主義者がエルフ以外を認めるかな? 国が滅ぶまで、あり得ないと思うけど。


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