0606・暗闇ダンジョン61階で脱出
食堂で昼食を食べた後、リアルでも昼食を食べて雑事も終わらせてきた。再びゲームにログインした僕は、今師匠の家のソファーの部屋に居る。今度は暗闇ダンジョンの60階からスタートだけど、なんとか素材を集めたいところだ。
ちなみに皆も新素材を持っておきたいらしく、売ってくれる人は居なかった。という事で、自力で手に入れるしか道は無くなった。今日の運は悪くないので何とか集まってほしいところだ。
再び暗闇ダンジョンへと移動し、仲間を呼んでレイドを組んだら60階への転移魔法陣に乗る。皆も気合いを入れて進もうとするが、とりあえず道を確認しておく。もしかしたら地図に描いている場所かもしれないしね。
色々と確認していった結果、現在地が判明したので、僕達はまだ地図が描かれていない場所へと行く。素早く移動をしていくと、早速とばかりに暗闇の造魔が3体出現。僕は一番前へと出て左手に脇差を持つ。
右手に棒を持とうと思ったら、すぐに【ダークウェーブ】を放ってきたので脇差で切る。するとウェーブ全体が破壊されたのか、スッと黒い波動が消え去った。これは恐ろしい武器だ。そのうえ魔法を切った場合、耐久力は下がらないらしい。
右手に持った棒で暗闇の造魔を殴りつけるも、流石に右手一本なので大したダメージにはなっていないようだ。今度は身体強化を自分で行って殴る。するとそれなりには効いたようだが、どのみち皆に任せた方が良い程度みたいだ。
それでも適度にダメージを与えつつ、僕は最前列で魔法を消し続ける。特に【ブラックボム】が消せたのは素晴らしかった。あの威力の高い魔法が、何の効果も無く消えていくのは楽しかったよ。あれ、思っている以上にダメージを受けるから厄介なんだよね。
皆も割と嫌ってるうえ、着弾爆発型なので盾で防いでも被害が出る。盾の周囲に居る人も爆発に巻き込まれるんだよ。だから面倒なんだけど、爆発もせずに消えていくのを見ると作った甲斐があったと思う。本当に作って良かった。代わりに最前線に居る必要があるけど。
僕自身は最前線で戦っても良いんだけど、盾の邪魔にしかなっていない気もするんだよね。誰か防御のみに専念する人が居るなら作っても良いんだけど、そうでなければ盾役に渡し難い武器だとは思う。特に攻撃に使えないのが痛い。
それでも強力な魔法を防げるというだけで、非常に大きなアドバンテージだと言える。魔法でゴリ押しとかしてくる敵には天敵と言える威力を発揮するだろう。
「確かにそんな感じね。ただし魔法がそこそこになってくると、それだけで使い難さが浮き彫りになってくるし……。何というか極端な性質っていったところかしら。白結晶用の素材として使った方が良いかな?」
「それはあると思う。ライトウッドと白結晶プラス聖結晶。これでかなりの光属性を持った武器が出来る筈だし、暗闇ダンジョンでは十二分に使える武器になると思う。60階からは木材と石材が重要。……あれ? 危険な薬品の事を聞くの忘れた?」
「そういえばそうだった。エンリエッタさんに危ない薬の事を聞いておかなくちゃいけなかったんだったね。まあ、夕方でも良いとは思うから、その時に聞けば良いんじゃないかな? ……覚えてたら」
「忘れている可能性が高そうですけど……っと、敵が出て来ましたね。集中して戦いましょう」
暗闇の造魔が出てきたので戦い、倒したら先へと進む。途中の伐採地点でライトウッドを手に入れ、採取場所でまさかのヘヴンズクラッシュが手に入ってしまった。これは死蔵するとして、60階を調べきったので61階へ。
再び地図を描き始めていき、敵が出てきたら前に出るのを繰り返す。61階ではライトウッド、聖結晶、白結晶を手に入れたけど、それよりも驚いたアイテムがあった。それがこれとなる。
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<草> 甘天草 品質:9 レア度:5
非常に珍しい甘味と旨味を持つ不思議な草。料理に入れても良し、茶に入れても良し、薬に混ぜても良しの万能調味草。危険な薬品に使用しても味を誤魔化せる為、取り扱いを禁止にしている国もある。なので売る際には気を付けよう
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「かんてんそう、ねえ。あの危険な草とか毒草の味も良く出来るとなれば、確かに悪用するヤツは出てきそうだ。それはそれで危険だから取り扱い禁止にするのも分からなくはないな。勿体ないとは思うけどよ」
「でも危険な薬かどうかが分からなくなるっていうのは怖いでしょうし、実際に味を良くされたら飲み込む可能性は高いわよ。飲み込まずに吐き出せば助かるかもしれないけど、飲み込んだらアウトでしょうしね」
「料理に使っても良いって事はバフ系に関わる可能性があるし、薬はあれでしょ? マズいのを改善できるって事だろうし、意外と言ったら何だけど需要は多いと思う。これが禁止になってる国のプレイヤー、減らなきゃいいけど」
「重要になってくるなら、確かにプレイヤーは減りそうね。特にバフ系に関わってくるとなると結構問題かも。完成品を買えば良いんだけど、料理人は嫌がって国を変えるでしょ。問題は天然ならどこで手に入るのかって事なんだけども」
「レア度5で今まで見つかってませんからね。もしかしたら天使の星かもしれません。お二人は何かご存知ですか?」
「いや、私は知らないわね。そもそも甘天草なんて物を見たのも初めてなくらいだし」
「私もありませんね。他の天使なら知っているかもしれませんが、私が育てるのは野菜がメインです。なので草は育てた事もありません。流石に育てた事が無い以上は増やせませんね。破滅殿なら買い取ってくれそうですが」
「仮に育てられるとしたら育ててもらった方がいいかな? どういう風に育つ植物かは知らないけど、希少価値は十分にありそうだし。ただ、問題は種が手に入るんだろうか?」
「分かりませんね。植え替えてから育ててみれば分かるかもしれませんので、まずは破滅殿に聞くのが先でしょう」
キャスティの言葉を聞きつつ、木材を伐採していると硬堅木が出た。初めて手に入ったけど、今のところは保留だね。ユウヤも言ってたけど、これと合わせるのは重結晶だ。あれを使って優秀な武器が欲しい。
皆も伐採が終わったので更に進むと、赤い魔法陣の近くに採掘場所もあった。僕達はそこで採掘をし、それが終わったら帰る事で意見は一致。皆で採掘を始めた。最期と決めたからか聖結晶と重結晶をゲット。
何に使うかを考えながら赤い魔法陣に乗った僕達は、暗闇ダンジョンの外に出される。今日はここで終わりなのでさっさと戻り、師匠の家の前でユウヤと別れた。
僕はマイルームに戻ってラスティアとキャスティとファル以外を戻し、師匠の家の前に移動して中へと入る。ソファーの部屋へと戻ってきたら、やっと落ち着いた。とりあえずファルに夕食の手伝いを頼んでおこう。
「素材は手に入っているけど、まずはコトブキの実験結果が出ないと分からないわね。どれが優秀で必要なのかはさ」
「毒草は要らない事が分かってるけど、それ以外は組み合わせによるとしか言えない。もちろん性能を見なければ分からないけど、少なくとも有用そうな組み合わせは既に分かってる。鑑定にも出てたし」
「そうですね。そういえば60階で手に入れた物って、ちょこちょこヒントが書かれてました。アレって初めてですが、何か理由があるんでしょうか?」
「さあ? 今のところは分からないし、多分だけど聞いても答えは出ないんじゃないかな? たまたまの可能性もあるし」
確かにそれはそうなんだけど、組み合わせる物が全部60階から出るんだよね。もしくはそういう物をワザと集めたのかな? 60階辺りに。




