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0601・暗闇ダンジョン60階到達




 暗闇ダンジョンの50階から先を進んでいる。地図は描いているものの、出来るだけ早く進む為に簡易的なものにとどめている。ここに出てくる魔物を倒す速度が思っているより速いので、進む事を優先した形だ。


 皆も実際そこまで苦戦していないので、継戦能力が上がっており進む速度も向上している。今の間に一気に進んで60階に到達しよう。そう意気込んで進むものの、たまにあるトラップに時間が掛かるので皆も少しイラッとしているようだ。


 それでも早く進めるに悪い事は無いのと、実際に進めているからだろう。そこまでストレスが溜まっているようには見えない。今がチャンスとして一気に進みたいところだけど、階段の位置がねえ。これだけは運だし、難しいところか。



 「あっ、<必中の剣>が出たわね。誰に持たせようかしら?」


 「あっ、思い出した。コトブキ、小太刀を作ってくれるって話はどうなったの?」


 「あっ、作ったんだけどインベントリの中に入れっぱなしで忘れてた。はい、コレ」



 危ない、危ない。作っておいて渡すのをすっかり忘れてたよ。魔鉄などで作ったからそんなに悪い物じゃないんだよね。性能的には今も十分使える物だと僕は思う。そもそも僕だって【刀術・下級】なんだから、スキルレベルを上げておかなくちゃいけないじゃん。


 暢気のんきに槍を使ってないで、今は刀のスキルレベルを上げよう。レベルが低いよりレベルが高い方が良いに決まってるんだしね。



 ―――――――――――――――


 <刀> 魔鉄の小太刀 品質:9 レア度:4 耐久780


 太刀としては短いものの、反面小回りが効くので使いやすい。刀身や各種部品は魔鉄で作られているが、持ち手と鞘はアイストレウッドで作られている。小太刀はその短さの分だけ相手に近付かなければ斬る事が出来ない。君はこれを使い熟すだけの勇気を持つのだろうか?

 攻撃力28 破壊力1


 ―――――――――――――――



 「怪鱗木とか地曜石があればもっと良い物が作れるんだけど、アレはここの今進んでいる場所で手に入る物だから、60階に進んでからだね。おそらく60階でも採れるだろうし、そっちの方が確率高いかも」


 「攻撃力的には十分だと思うけど、小太刀がどの程度かまでは把握出来ていないから、一応は注意しておく。短剣と攻撃力が同じでも与えるダメージが違ったりするし、実際に使ってみないと分からない」


 「ちょうど魔物が来たし、試し斬りとはいかないけどスキルを習得しようか。スキルが無ければまともなダメージも出ないしさ」



 イルは素早く小太刀を抜いて暗闇ソードと戦い始めた。2、3度斬りつければスキルは生える筈だから、後は魔法で加勢してくれれば終わるだろう。それで【刀術】スキルをゲットして、それから本格的な戦闘だな。


 イルもそれは分かっているのか適度に攻撃したら、後ろに下がって魔法を使い始めた。さっさと戦闘を終わらせよう。それでスキルを入手するだろうし、ここの敵も然して強くはない。



 「よし、戦闘が終わってスキルを習得した。やっぱりここでもスキルは問題なく上がる。今までは頭打ちだったから上がらなかっただけ」


 「そういえば【精密魔力感知・上級】になったからか、分かりやすくなったね。相手の魔力。さっきもブレス吐く前に魔力が高まったからすぐに分かったよ。やっぱりランクが上がると大きく変わるね」


 「その為にランクアップしてるんだし、その為に頭打ちだったと言えるからなあ。そりゃ違ってて当然だろ。むしろ大した違いが無い方が驚くわ」


 「まあ、そうだね。それより戦闘も終わったしなるべく素早く進んで行こう。地図を上手く描いていければ、明日は突破できるかもしれない。いや、朝からやれば突破出来るんじゃないかな? 既に55階だし」


 「明日は朝からでもいいけどね。今の内に聖結晶が手に入れられるなら悪くないし、他の材料を混ぜても使えるってエンリエッタさんが言ってたもの。最悪はつぶてとして使える訳だし、採っておいて損は無いわ」


 「そうね。何があるか分からないし、なるべく聖結晶は確保しておきたいわ。あんた達と居ると何と戦う事になるか分かんないし」


 「ですね。稀人は復活するので神の試練が厳しいと思います。結構無茶な事をさせていますし、させられていると思いますよ」



 稀人ってプレイヤーだからね。普通なら頭のおかしい事も、死に戻り前提で平気な顔してやるから仕方ない。何ならデスルーラの為に崖からダイブする人まで居るしさ。そういう事を考えるとプレイヤーって狂人だよね。僕はしないけど。


 そんな横道に逸れた思考をしつつも、地図はきっちり描いていく。そんなこんなで56階。ついに今日はここでストップとなった。明日朝から素材集めに行かずに暗闇ダンジョンを攻略すれば60階までは確実に行けるだろう。


 これで聖結晶を始め、新しい素材を入手出来る可能性が高くなった。明日、一気に進もう。


 暗闇ダンジョンから戻った僕達は、ソファーの部屋からマイルームに行き皆を訓練場に戻す。その後はソファーの部屋に行き、ファルが呼びに来たので夕食。それが終わるとマイルームに戻ってログアウト。


 現実で夕食やお風呂を済ませると、再びゲームにログイン。後は眠るまでイルと一緒にマイルームで過ごす。いつもやってるけど、本当にカップルリングに効いてるかは謎だけどね。


 僕としてはイルの機嫌が良いので続けるし、そのうち何か目に見える効果の違いが出てくるだろうと思っている。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2001年 1月9日 火曜日 AM8:23



 今日も洗濯含めて雑事を終わらせたのでログインする。今日は朝から暗闇ダンジョンなので気合いを入れて行かないとね。出来れば一気に行って午前中に終わらせてしまいたい。そして午後からは60階の素材集めをしたいところだ。


 3人に挨拶をしてソファーの部屋で呼び出し、朝食を食べたらすぐに暗闇ダンジョンへ。50階から始めて最速最短で進んで行く。昨日と同じ56階に来たら、再び階段を探してウロウロ。それを繰り返した結果、予想より早く60階に到達。


 皆も驚いているけど僕も驚いている。でもここで転移登録の黄色い魔法陣を見つけないと意味が無い。なので調べつつ素材を採取して行こう。そう思って出発すると、早速60階の魔物が現れた。



 ―――――――――――――――


 <暗闇の造魔> 特殊魔物 Lv107


 暗闇ダンジョンにのみ生息する特殊な魔物。高レベルの魔法と身体能力を持ち、暗闇ダンジョン60階からの難易度を急激に上げている魔物。造魔とは造られた悪魔という言葉だが、その通り沢山居る仲間を呼ぶので注意しよう。場合によっては詰んでしまうので対処は素早くするのが基本だ


 ―――――――――――――――



 「レベル107!?」


 「ウゲッ! マジかよ!? ……うわっ! マジだ!!」


 「誰かさんが大分前にグレーターとか言い出すから出てくるのよ。見た目は青いガーゴイルだけど、魔法といい完全に寄せてあるじゃない。これ思ってるよりキツいわよ」


 「文句を言う暇があるなら速攻!! 1体だけだし、さっさと倒すわよ!」


 「そうです! 仲間を呼ばれる前に倒しますよ!!」



 それを思い出し、慌てて一気呵成に攻め立てる僕達。【ブラックボム】まで使用してきたが、何とか早めに倒す事が出来た。それにしても強すぎない? 50階までと強さが違い過ぎる。



 「お疲れー。戦ってた感じ、やっぱり【光魔法】には弱かったね。ここも【光魔法】主体で進んで行こうか?」


 「そうした方が良い。ちょっとアレはヤバい。慎重に進みながら採取するべき」



 だね。あそこまでレベルが変わるとは思わなかったよ。


600話の誤字報告、ありがとうございました

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