表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
566/574

0566・最凶ダンジョンの続き




 <りゅう○う>が使ってくる<ベ○ラマ>は真っ直ぐ火柱が向かってくる魔法のようなので、かわすのはそこまで難しくない。一定程度の距離だと使ってくるらしく、僕はその距離で<ベギ○マ>を待つ。


 するとあっさりと使ってきたので左に回避して、一気に走り寄る。そして突きを繰り出したが、持っている杖に流されてしまう。しかしそれ自体は想定内なので問題なく、僕はそこから左肩を中心に体当たりに移行した。


 派手にぶつかったものの<り○うおう>は微動だにせずに受け止め、更に杖で僕の顎をカチ上げにくる。慌てて顔を後ろに逸らせて回避すると、僕は刀で<りゅ○おう>の左足の甲を突き刺した。この攻撃は上手く刺さり、それなりのダメージを与えたようだ。



 「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



 足の甲を突き刺された<り○うおう>が痛みで絶叫するが、僕は素早く抜くと背後へと回る。そのまま右足のふくらはぎ目掛けて刀を突き刺し、そこから切り裂くように横に動かしながら抜く。ローブを着ている程度だから効いているけど、重装備の相手には効かないな。


 <りゅう○う>が後ろを振り向き、激怒した顔を見せてくるが既に遅い。その瞬間を狙って腹へと突きをお見舞いした。しかしローブで防がれ、横へと刀の切っ先が滑っていく。まさかあのローブまで特別仕様の物とは思わなかった。


 慌てて流されるままに前方に転がる事で、杖と<ベギラ○>のコンボを回避。僕は九死に一生を得た。しっかし、あんなローブで刀を防ぐとか止めてほしい。どう考えても反則だろうとしか思えない。


 <りゅうお○>は両足を刺されているからか、動き自体は鈍くなっている。僕は一旦離れ、<○ギラマ>の距離まで後退した。これで少し考える余裕が出来る。


 おそらくだけど、体の耐久力は人間と然して変わらないと思う。そうでなければ制限された中で勝つ事なんて無理だ。しかし装備品はその限りじゃないんだろう。だからあの杖も喰らったら危険だ。一撃で死亡しかねない。


 ただしそれ以外は人間に準拠した形なら戦いようは幾らでもある。出ている部分、出している部分を攻撃すれば良いだけでしかない。作戦は出来た、後は相手の攻撃を掻い潜って入るだけだ。


 再び<ベ○ラマ>が飛んできたので、素早く右に避けて走る。<○ゅうおう>が再び<ベギ○マ>を唱えようとしたが、それより僕の方が速かった。僕は<りゅうお○>の目の前まで行くと、何もせずに左へと飛ぶ。


 意味が分からなかったんだろう、一瞬ポカンとしたその時、僕は着地と同時に<りゅ○おう>の右手首を切り落とす。この杖が厄介なので、これさえ使えなくすれば勝利まではもうすぐだ。



 「ギャァァァァァァァァ!!!!」



 痛みに絶叫する<りゅうお○>が僕を見た瞬間、僕は腕を畳んだ状態から<り○うおう>の首を突き刺して引き抜く。その後は左斜め後ろに跳んで残心。前回のゴブリンと同様、<りゅう○う>は苦しんだ後に死亡。僕の勝利となった。



 ―――――――――――――――


 おめでとうございます。2戦目の敵に勝利した為、300ポイントを獲得しました。


 ―――――――――――――――



 どうやら<り○うおう>は300ポイントらしいが、やはりポイントと強さが合ってないとしか思えない。しかしマイルームの建て替えがこっちだと1万ポイントで済むんだよね。実質10分の1だよ。ポイントが10分の1だから取得ポイントも少ないのかな?。


 そんな事を思いつつ次の対戦相手との戦いを始める。次は……白馬に乗ったノブナガ? 何でこんなのが出てくるのか分からないけど、ノブナガの出現は掲示板にも書かれていたね。



 「ハイヤーーーーッ!!」



 えっ!? ノブナガ喋るの!? それは聞いてないんだけど? っていうか速い! 白馬の速度が速いんだけど、あれも速い現実の馬に準拠してるんだろう。しかも三間半の槍を構えて突進してくるし、扱い方がランスと一緒!。


 僕は進路上に立って引きつけ、ギリギリのタイミングで回避する。そして通過していったノブナガは反転して再び襲ってきた。どうやら掲示板の書き込みにあったような、三間半の槍を小枝のように振り回す事はしないらしい。


 いや、人間に準拠しているなら出来ないんだろう。脇に挟んで両手で持ち、ランスのようにしなければ馬上では使えない。何度も突進してくるので回避していると、ノブナガは三間半の槍を捨てて馬を降りた。


 そして腰の太刀を抜くと、一気に僕に襲い掛かってくる。おそらく槍を持つ手が疲れたか、それとも当たらないとしてパターンを変えてきたんだろうね。問題はノブナガじゃなくて馬だ。アレも敵なんだよ。



 「イィィィィィヤァァァァァァ!!!!」



 裂帛れっぱくの気合いが篭もった太刀を袈裟に振り下ろしてくる。僕は青眼の構えからノブナガの太刀を流しつつ止め、そこから水平に斬りに行く。しかしノブナガの着ている鎧に阻まれ斬る事が出来ない。


 ノブナガが着ているのは建勲たけいさお神社に奉納されているという紺糸縅こんいとおどし胴丸具足というヤツだ。そもそもノブナガの死後に南蛮胴は入ってきているので、ノブナガが南蛮胴の鎧を来ていた可能性は極めて低い。


 それは横に置いておくとして、やっぱり防具とか武器がシャレにならない。もう防具がある場所は無理だと考えた方が良い。僕はノブナガの背後に回ように前に出ると距離を置く。


 すると、いきなり馬が突進してきたので回避。バックステップで距離をとったものの、目の前にはノブナガが居た。



 「ツェアァァァァァァァァ!!!!」



 相も変わらず裂帛れっぱくの気合いで攻撃してくるけど、戦国時代の人だから間違ってはいないだろうね。今度は水平に切り裂きにきたけど、僕は前に出るように刀で防ぎつつ、ノブナガの向かって右をすり抜けていく。


 そしてノブナガがこちらへと振り返った瞬間、僕はノブナガの首を突き刺した。しかし、そこに馬が突進してくる。僕は慌てて身を捻るものの、馬の突進に撥ね飛ばされてしまった。


 それでも自分から身を捻って飛んだ分ダメージは少なかったが、死に掛けているのは間違い無い。騎兵はこれだから厄介なんだ。ノブナガである以前に、騎兵だって分かってたら絶対に槍で戦ってたよ。


 僕は震える足で立ち上がると、再び突進してきた馬を少し早めに回避する。しかしそれと同時に刀を足に引っ掛けた。手は殆ど離していたので弾かれたが、それでも足にダメージを負ったのは間違いない。馬はしきりに右前足を気にしている。


 僕は素早く刀を拾うと、既にノブナガの死体が消えている事を知った。ノブナガが使っていた太刀を借りたかったけど、それは許されないらしいね。


 再び突進してきた馬の足を引っ掛けると、ようやく傷らしい傷が出来た。こうなると突進は使えなくなる。馬は足をやられたら終わりだからね。僕は再び刀を拾い、構えて馬を待つ。


 最後の突進とばかりに襲ってきたけど、最初の頃に比べれば格段に遅い。僕は右下段に構えつつ左に跳んで回避し、そのまま右前足へと振り抜いた。今までなら勢いでやられてただろうけど、この速度なら振り抜ける筈。


 刀は僕の予想通りに振り抜かれ、馬の右前足を斬り飛ばした。その一撃で馬は転倒、起き上がれなくなる。僕はゆっくりと馬に近付くと、倒れて暴れている馬の首を斬って後ろに下がり残心。


 馬は激しく血を噴出させたが、死亡すると消えていき、僕の勝利が確定した。その瞬間に体の痛みは取れて回復し、元に戻ったようだ。最初の2戦は攻撃を受けてないから分からなかったけど、勝利したら回復するんだね。



 ―――――――――――――――


 おめでとうございます。3戦目の敵に勝利した為、1000ポイントを獲得しました。


 ―――――――――――――――



 おおっ! ノブナガさんは1000ポイントもくれるらしい。あの太刀でも良かったんだけど、それは無理みたいだね。残念。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ