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0056・ユウヤとシャルロット




 それからも<澱み草>を抜いたりしていたが、昼が近くなってきたので戻る。スキルが色々上がったので、イベント中もそれなりに内部数値は上がっていたのだろう。



 ―――――――――――――――


 ※スキル:【棒術】がランクアップし、【棒術・下級】となりました

 【棒術・下級】に【叩きつけ】が追加されました


 ※スキル:【闇魔法】のレベルが規定に達しました

 【闇魔法】に【ダークヒール】が追加されます


 ※スキル:【闇魔法】がランクアップし、【闇魔法・下級】となりました


 ―――――――――――――――



 どうやら【ダークヒール】は見習い最後の魔法だったらしい。まあ、アンデッドを治す魔法だから、大半の人からは必要とされないだろう。……そういえば普通の人に【ダークヒール】を使ったらどうなるんだろうね?。



 「あんた酷い事を考えるわね? 良くて体調不良、悪ければ精神が傷付くかもしれないわ。殺していい相手なら使ってもいいでしょうけど、抵抗力が高いと気分が悪くなるだけとか、最悪は……効かないで魔力の無駄かな?」


 「ふんふん、殺していい相手なら積極的に使った方がいいね。発動が速いから回避されにくいだろうし、状態異常を起こす魔法と考えれば意外に優秀かも」


 「……すぐにそういう発想するところが、本当に師弟よねえ。絶対に<破滅>もやった事あるわよ、それ。普通は使う意味ないから止めとこうと考えるもの、それを嫌がらせには有効と考える辺りが本当にそっくり」


 「まあ、師弟だしねえ。それに使えるものは何でも使わないと損だよ? 特に殺し合いに禁じ手なんて無いし、殺ったもの勝ちさ」


 「………」



 何が言いたいのは分かるが、僕は気にせずに師匠の家に戻る。家に着いたのと同時ぐらいのタイミングで、魔法陣からユウヤと知らない女性が現れた。筋骨隆々の巨人族で、しかも女性だ。という事はユウヤの師匠のシャルロットさんか。



 「こんにちわ。ユウヤの師匠のシャルロットさんですね。僕はエンリエッタ師匠の弟子で、コトブキと言います。宜しくお願いしま……」



 何だろう? 何故か高速で近付いてきて抱き締められている。……この人って人見知りじゃなかったの? 師匠からはそう聞いているんだけど、いったいどういう事なんだ? 意味がまったく理解出来ない。



 「あー、師匠? コトブキが困惑してますんで、その辺で。昨日ぶりだけど、本当に聞いてた通り森の中に住んでるんだな。ここってアンデッドの森なんだろ?」


 「そう、<屍人の森>って呼ばれてる所。で、ユウヤとシャルロットさんはどうしてここに?」


 「師匠もお金を稼ぐ為に町に売りにな。師匠って内弁慶っつーか、顔見知りだと普通に話せるんだよ。でもそうなるまでが大変でな、俺が一緒に町までついていく事になってる。それでコトブキは?」


 「僕は師匠の家に戻ってお昼ご飯だよ。食べ終わったら、再び中層かな? 今日はちょっと【浄化魔法】のレベルを上げたいし、ここはアンデッドの森だから都合が良いんだよね」


 「っていうか、いつまで抱き締められてんのよ? 後、シャルロットは久しぶり。巨人族としては最高点まで到達してるのに、まだ盾を作ってるの? もう必要ないと思うわよ?」


 「うむ。確かに盾を使う必要性は薄れているのだが、私の身を守ってくれた原点だからな。今も盾を大切にしている。それに私の仕事にもなっているしな」


 「おお、師匠が俺に対して以上に流暢に喋ってる! という事はラスティアさんって古い知り合いだったのかー」


 「ああ、古くに出会ってな。当時は様々な場所を巡っていたのだが、その折に出会ったのだ。何が原因だったか忘れたが戦いになり、双方ギリギリだったので引き分けとした。それからだな、普通に過ごしているのは」


 「そうねー、って、それよりアンタ達は町に行くんでしょ。私はコトブキと一緒に昼食だから、後でね。………シャルロット、コトブキを離しなさいよ。相変わらずの可愛い物好きだけど、それ、生きてるからね?」


 「………!? ………///」



 何か離された瞬間、物凄く高速で動いて離脱していった。人見知りなのは間違いないみたいだけど、僕の着けている<幸運のウサギ耳>が可愛かったからかな? だったらあげても良いんだけどね。いや、自分で着けるのは駄目か。


 シャルロットさんが喋れなくなってしまったので、ユウヤが連れて行ってしまった。自宅に。


 何故か転移陣で戻って行ってしまったが、僕達は昼食を食べよう。家に入りスケルトンクラフターの用意してくれた昼食を食べ、再び出発と思いきやユウヤとシャルロットさんが来た。


 バッタリと出くわしてしまい、そして再び喋れなくなったようだ。この状況はどうすればいいのだろう?。



 「ああ、もう! さっさと来なさいシャルロット! 行くわよ!! コトブキもついてきて、コイツを慣れさせないとどうにもならないわ。そもそもコトブキと出会う可能性は十分にあるんだから、毎回コレじゃあ困るでしょ!」


 「まあ、確かにね。僕は気にしないけど、シャルロットさんが困るだろうし、このままじゃ駄目か。とりあえず行こうか、ユウヤ? ゼット町に案内するよ」


 「お、おお……すまねーな。師匠も慣れてくればそうじゃないんだが、最初はやっぱりこうだったんだ。俺なんて碌に喋れなかった時の師匠に弟子入りしたから大変だったぜ。その弟子入りの理由がまたアレだったんだけどな」


 「アレ……?」


 「いつも来る商人の人じゃなくて師匠が困っててな。それで何故か近くに飛ばされた俺が商人と師匠の間に立って何とかしたんだよ。そしたら弟子入りってなってな、それで師匠のトコで腕を磨いてる」


 「おー。僕なんて最初の頃に教えてもらったけど、それからはサッパリだよ。多少は教えてもらえたけど、それだけだね。何というのかな、要所だけ教えてもらえる感じ」


 「それで大丈夫なのかよ? コトブキは模倣というか他人の真似は得意だけど、自分でどうにかするのは下手だったろ。まあ、今までの積み重ねがあるだろうけどな」


 「まあね。それよりも、森を出たけどウサギはあんまり狩らないように頼むよ。町の狩人の収入源だから、乱獲すると犯罪者扱いを受ける。ネズミの方なら問題ないから、倒すならネズミの方」


 「ネズミっつーか、どうみてもカピバラサイズだけどな。しかし巨人族の俺にとっては小せーわ。2メートル50を超えてるからなぁ、アレを倒すのは無理だな」


 「そう? じゃあ僕が……ふっ!!」



 インベントリから石球を取り出して、身体強化で投げた。当たり前のようにヒットして倒すと、何故か<ネズミの器用な尻尾>がドロップ。またか、と思いながらも<ネズミの器用な尻尾>をアクセ枠に着けた。これで器用が+3だ。



 「ネズミ倒すと尻尾落と「お前もやれ」すのか……って師匠、俺もですか?」


 「この<ネズミの器用な尻尾>は<神の贈り物>、つまりレアアイテムでさ、器用が+3されるんだ。盾を作ったりする時にも器用さって要るんじゃない?」



 シャルロットさんはコクコク頷いているので、間違ってなかったようだ。僕はユウヤに石球を渡すと、ユウヤは【身体強化】を使って投げ、見事に一撃で倒した。イベントの時に妙に活躍してたのはその所為か。となると、イルとナツも何らかの方法で習得してるな?。



 「ま、とりあえず石球のストックは沢山あるから、レアアイテムが出るまで頑張ろうか? ユウヤ」


 「………マジか」



 そこからユウヤの運が試される事になったが、ユウヤが【投擲】スキルを習得するのと同時に手に入れる事が出来た。そして装備したのも束の間。シャルロットさんにイジられる。


 もしかして尻尾で遊びたかっただけなんだろうか?。


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今だけ、ウサギ耳を貸してあげればもっと楽だったろうに…
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