0558・学期末登校日
2000年 12月27日 水曜日 AM7:48
今日は登校日なので早めに起きて洗濯などの雑事を終わらせた。それにしても年末間近が登校日な理由ってなんだろうね? 僕には理解出来ないよ。この日じゃなきゃいけない理由って何だろうって、毎年思う。
もちろん予定のある人は早めに学校に行って、簡易的な学期末終了の挨拶をするらしいんだけどね。僕は一度も早めに登校した事はないからなぁ。とはいえ父さん母さんも仕事納めだから、学校もそうなのかな?。
この日が仕事納めで忘年会という会社も多いらしいし、クリスマス含めての流れでこの日なのかもしれない。ま、僕が考えたところで意味ないし、流石にそろそろシズを起こすか。洗濯とかも終わってるし、これ以上寝ていら「ピンポーン」れても困る。
「はーい。って、やっぱり椿だったんだね。とにかく上がって待っててよ。今からシズを起こすところだから」
「お邪魔します」
椿には適当に待っていてもらおうと思ったら、僕の後ろをついていくる。もしかしてシズの様子を見たいのかな? まあ、好きにしてもらって良いんだけど。僕はいつも通りにノックして返事が無いのを確認したら扉を開け、中に入ったらシズの……?。
「そいっ!!」
「ふぇっ? ……って、さむっ!? 返しなさいよ!!」
「もう起きる時間だし、今日は登校日。さっさと用意する。下に行けば暖かいから、さっさと下に行けばいい。そもそも何故冬場なのに下着で寝てる?」
「私はオールシーズンこれで寝てるっての。沢山着込んで寝るヤツは根性が足りないのよ、根性が」
そういう言いつつ、急いで下の階に下りるシズ。今日は登校日だから、制服は下の階に置いてあるんだよね。下の部屋はエアコンで暖まってるから寒くないけど、僕達の部屋のは付けてないからね。
一晩中付けてたりすると電気代がとんでもない事になるから、VR中とかはベッドで暖かくしてゲームしてるし、寝てる時は暖かいから別に付ける必要ないんだよ。我が家で暖房が必要なのは着替えの時だけだから、全員が同じ部屋で着替えるんだ。
「電気代を節約するにはそれが一番良いし、無理して暖房を使う必要も無いからね。一日中付けてて怒られた事あるし」
「まあ、VRマシンも結構電気代を喰うから仕方ないわよ。これ以上電気代を増やしたら絶対に怒られるし、そこまで寒くないじゃない。着替えが終われば」
「普通はそれでも寒いと思うけど、慣れればそうでもない?」
「慣れればそうでもないわね。毎年の事だし、別にどうこうは無いかしら。どうしても駄目なら厚着すれば済むし、そこまで寒い事はあまりないじゃない?」
「本当に寒くて耐えられないっていう地域じゃないしね、白山は。山から冷たい風が吹き下ろすような地形でもないし、だからか昔から耐えられないほど寒い事は無いよ」
「雪は稀に降るけど、氷が張る事はあまりない。確かに寒い地域に比べればマシ?」
「寒いけど、もっと寒い地域に比べればマシね。さてと、ようやく制服に着替えられたけど……どうしてスカートなのか理解に苦しむわ、本当。冬は女子もズボンにしてほしいって思うわね。寒い日に履くのは2日だけなんだけどさ」
「2学期の終業式と3学期の始業式。この2日が寒いスカートの日。それが終われば後は家にいれば済む。昔の学生はこれで毎日通ってたと聞くけど、今から考えればあり得ない」
「本当よねえ。とりあえず準備も終わったから、さっさと行きましょ。タマもやる事終わってるんでしょ?」
「そもそもシズ待ちだったから、シズの準備が終わってるなら後は学校に行くだけだね」
僕がそう言うとシズはすぐに玄関に行き、靴を履いて外に行き戻ってきた。
「さ、寒い! 今日こんなに寒いの!? 絶対にワザとこんなに寒くしてるでしょ!」
「むしろどうやってやるのか聞いてみたいけどね。それより早く外に出てよ、鍵をするんだからさ。それに学校に行かなきゃ怒られるよ」
「うー……しょうがない」
シズは諦めた感じで外に出ると、動いて暖をとろうとバタバタ動く。だから寒いんだと思うけど、敢えて何も言わないでおこう。玄関に鍵をして確認した僕は、2人を連れて登校する。
何故椿がウチに来たのかは分かるけど、寒いんだから無理しなくても良かったと思う。上からムートンコートを羽織っているから暖かそうではあるけど、歩くのは……大丈夫みたいに見える。
シズはダッフルコートを着ていて、僕はピーコートを着ている。とにかく12月だから寒いのは当たり前なんだけど、この前ホテルに行った日より寒いから、シズがワザとかと言いたくなる気持ちも分からなくは無い。
冷たい風に負けないように足を動かし、時間は掛かったものの学校に到着。すぐに上履きに履き替えて教室へ。人が多い所の方がまだ暖かいだろう。
「おはよう。それにしても遅かったね。結構ギリギリに来たんじゃない?」
「おはよう。シズが寝てた所為。私が行った時にはタマはもう起きてた」
「おはようさん。いつも通りの展開っつーか、予想通り過ぎて何とも言えなくなるな」
「「おはよう」」
僕とシズは挨拶した後、すぐに鞄を机の上に置く。その後に話を始めるものの、ギリギリに来たからかすぐに教師がやってきた。
「終業式は今までと変わらず体育館だ。さっさと向かうように」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」
皆もやる気無しっていうか、さっさと終わらせて帰りたいって感じかな。まあ、こんな寒い時季だし、いちいち出歩きたくないよねえ。
体育館に行って終業式を終えた僕達は教室へと戻る。すぐに教室に教師がやってきて、必要な連絡を始めた。
「期末テストの受付は昨日までだったが、山木! お前のは提出されてないから0点だ。よって冬休みの間の補修が決定した。それを熟さないと留年だから気をつけろよ」
「うぇっ!? オレちゃんとテストを終わらせましたよ!! 何でですか!?」
「送信したかー?」
「…………分かりません」
「何処の学年でもそうだが、毎年そういう奴が出る。流石に高校生なんだから、そろそろしっかりしろ。どのみち採点は学校のAIがやってる。そこに無いって事は、やってないか送信してないかのどっちかしかない。諦めろ」
「おおぅ………マジかー……」
「マジだから諦めろ。後、テストの点数はちゃんと出してあるから、自分の点数が悪かった場合は勉強しておけよ。学年末試験で落ちないようにな。高校生からは本当の意味での1年の総纏めとなるぞー」
「どれぐらいなら安全圏ですか?」
「そうだな、宝の弟ぐらいの点数なら安全圏だぞ」
「それって満点じゃないですか。聞かなくても分かりますよ!」
「まあ、聞かなくても分かるな。とはいえ双子揃って僅差でしかないが」
「そこの双子は小学生の時からずっとそうですから、今さらとしか思いませんけどね」
「「「「「そうそう」」」」」
「ま、そこら辺はともかくとして、1年の総纏めである以上は出題範囲が広い。お前達も今年の前半ごろの授業内容なんて忘れてるだろ。ちゃんと復習しておかないと、最後の最後で留年なんて事になるからな。今の時期から復習はしっかりしておくようにな」
「「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」」
それからは注意事項などを聞いて解散となった。やっと終わったという思いが大きく、教室を出て靴に履き替えて学校を出る。
友哉は桜さんと一緒に帰る為に3年の教室に行ったけど、僕達はそのまま下校する。2人の邪魔をするのもアレだからね。
「昨日でイベントが終わったから、今日からポイント交換だけど、どんな商品が出てるのかなー? ちょっと楽しみ」
「コラボ会社が増えたから、お菓子が増えるのは知ってる。有名な洋菓子店だけじゃなく、和菓子の店もそれなりに追加されてた。他にも有名な鯛焼き屋とかたこ焼き屋とかも」
「そっちは余ったポイントで見るとして、まずはマイルームへの追加よね。いったい何が追加されてるのかによって、どれだけポイントを注ぎ込むか決まるし」
「マイルームの拡張とかも予想されてたね。実際には帰って確かめるしかないんだけど」
本当にあのポイントで足りるのか。ちょっと怖いけど、全ては帰ってからだ。




