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0557・皆で適当に雑談




 「うん? ああ、最初に会った時から何かコトブキの方を見る目が違ってたのよ。明らかに狙ってるっていうか、それが分かりやすい感じだったからね。ハンターとしたら失格よ。駆け引きも何もないゴリ押しだしね」


 「とはいえ子供の頃からであれば、そんなものでは? 子供の頃なんて駆け引きなんてしませんし、一直線だと思いますよ。駆け引きをしだすのは一度失恋をしてからじゃないですかね? それまでは今までの方法で良いか悪いか分からない訳ですし」


 「更にいえば知ったかで恋愛の駆け引きをした子は、大抵失敗するのよ。どういうタイミングと雰囲気で使うか分かってないから、知識で覚えてるのを使って派手に失敗。大きな傷の残る失恋になったりするって聞くわね」


 「あー……大きな傷というか、何であんな事を言ったのかとか、何であんな態度をとっちゃったんだろうって、後で頭を抱えた事は何度かあります。それが大きな傷といえば確かにそうですね」


 「ある程度距離が近くなるまでは使わない方がいいテクニックって多いらしいわよ。そもそも相手の事が分かってないのに駆け引きを始めてもねえ、って感じ。相手だって自分の事を知らないでしょうし、そんな相手に駆け引きをしても……」


 「1人で空回りして失敗って感じだよねー。………かつて許婚相手にやらかした事あるけど」


 「それは……御愁傷様です」


 「まあ、相手もそういうものだと思ってくれたみたいで合わせてくれたらしいけど、今思い出すと顔から火が出るって言いたいくらいに恥ずかしいよ? 昔の私を殴りたいくらいには派手な失敗をしたし」


 「それは相当の思い出ですね。思い出すと悶絶しそうな黒歴史ですか?」


 「そうなの。今は笑い話で済むけど、あの頃は許婚が離れるんじゃないかって気が気じゃなかったよ」


 「そういえば、ナツはその許婚を放ってるけど大丈夫? だいたい私達と遊んでるけど、年齢的にはそろぞろマズいんじゃないの?」


 「私より4つ上だから、相手はもう大学生だよ。向こうは向こうで色々とあるだろうし、連絡は取り合ってるけど……この先どうなるのかはちょっと分からない。家同士の話だし、私には口を挟めないからね」


 「それもそれで難儀な話ねえ。相手との事が家単位で決まるっていうのも、どうなのかしら? まるで貴族と変わらない感じだけど、どうなるか分からずに待たされるっていうのも厄介なものだと思うわ」


 「それが貴族だと言ったらそれまでですが、その貴族もギリギリになって婚約解消とかありますからねえ。やはり本人達もやきもきするのでしょう。駄目なら新たに探さねばなりませんし」


 「そう考えると私達は気楽よねえ。私は特定の相手を作らないし、キャスティはそもそも【純潔】だからこじらせてるし」


 「こじらせてなどいません!」


 「カンカン」



 途中からファルが昼食作りに行ってたんだけど、それが出来たみたいだ。食堂に行って食べるとソファーの部屋に戻り、マイルームへ移動した後ログアウトする。


 現実へと戻ってきたら昼食にし、食べたら雑事を熟してログイン。マイルームからソファーの部屋に行き、全員揃ったら素材を採りに行く事にした。ユウヤが居ないから暗闇ダンジョンは止めておこうとなったんだ。


 相変わらずそれなりの人数が魔隠穴に入っているけど、未だに【魔力感知・上級】になったという人は出ていない。となると確実に頭打ちにされている筈だ。とはいえここは闇属性金属の為の素材が出るから来る人は多い。


 魔力関係のスキルを鍛えつつお金稼ぎをしている感じか。それらの素材は天使の星のプレイヤーに買われる事が多い。光属性に大ダメージとなるから天使の星では需要があるんだ。逆に向こうにある光属性金属の素材は悪魔の国で売れる。


 とはいえ光属性金属の素材は手に入りにくいらしく、知り合いなどに売ってしまう為こっちまで回ってこない。たまに出している人は居るらしいが、大抵ダンジョンの中とか戦闘中に出されて買われている。


 だから僕が手に入れられる事は滅多に無いんだよ、それはそれで仕方ないんだけど。よし、魔隠穴はこれで終了だから次は豪雪山だ。


 僕達は防寒具を着てから移動し、豪雪山に出る。移動しながら敵と戦っていると、ナツが明日の事を聞き始めた。



 「明日学校だけど準備してる? 事情がある子は早くに終わらせてるけど、どうして2学期はいつもギリギリなんだろうね?」


 「授業を終わらせていないのが一番多いからだと思う。1学期は夏休みの為、3学期は卒業シーズンだから焦る。でも2学期はダラダラする事が多い」


 「確かに2学期ってダラダラしますよね。そこまで寒くないし食べ物が美味しい秋がありますから、その間に授業を受けてない事が多いんですよ。その結果追加の授業を受ける羽目になったり、最悪は授業数が足りないなんて事になる子も居ますね」


 「アマロの学校でもあるんだ。ウチもそういうのが居るんだよね。年末ギリギリだから、年末ギリギリまで遊んでる奴とかさ。早めに終わらせておけばいいのに、何故か不思議とやってないのよ」


 「遊んでたのは本人の所為だから仕方ないにしても、授業は受ければ済むんだから受ければ良いのにね? それより今日のテストだけど大丈夫かな? 授業は終わらせてるけど、忘れてる可能性が……」


 「そこはちょこちょこ思い出してから受ければ良いんじゃない? テストに掛かる時間はそこまで長くないしさ。終わったらすぐ次のテストが受けられるのは、VRテストの良さよね」


 「何故か大学の入試テストは紙で受けに行かなくちゃいけないけど」


 「アレは何故でしょうね? 今さら時代遅れな気がしますけど、不思議です。VRならカンニングも出来ませんし、わざわざ移動しなくても試験が受けられるのに……」


 「大学は凄いんだぞ、とか思わせたいんじゃない? とはいえ難関大学ぐらいだけどね、そんな事を今でもしてるのは」


 「東京6大学とか京都大学とかがそれに当たる。昔から妙な連中や団体が大学内に蔓延はびこってるところ」


 「中にはカルト宗教が勧誘していたりするらしいし、そういう連中の為にテストを受けに行かせるとかも言われてるわね。いつまで経っても薬物の事件が起きているくらいだし、大学って汚いのよ。色々な意味で」


 「全員がそうじゃないのでしょうけど、でも汚染されてるとは聞きます」


 「その汚染を綺麗に出来ない以上は、自浄能力が無いって事なんだけど……分かってなさそうな気がする」



 バイゼル山も終わったし、そろそろ戻ろう。


 僕は戻った後にマイルームで精錬などを熟す、それが終わったらソファーの部屋へ行き夕食まで雑談。夕食が終わったらマイルームへと戻ってログアウト。現実へと戻る。


 夕食の用意をして食べた後、お風呂に入ってから自分の部屋へ。シズは母さんからテストの事を言われてたけど大丈夫かな? 聞き流してた気がするんだよね……。っと、僕も他人の事を考えてる余裕は無い、今日中に送信しなきゃいけないし。


 ………テストが終わったのは22:30分を回ったところだった。急いでやって良かったよ。本当は昨日か一昨日に終わらせる気だったんだけど、色々とあったからズレたんだ。シズは早く出来た筈なんだけど、毎年ギリギリだからなぁ。


 まあ、テスト結果も送信したし、後は向こうで採点があるだろう。テストで疲れたからさっさと寝よう。それじゃ、お休みー。


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