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0549・友人達の状況




 「とにかく少しは落ち着きなさい。それとそろそろ朝食にするわよ。流石に冷めちゃってるけど、焼いた食パンの上に乗せれば多少は温まるでしょ」


 「うん、何とか復活した。もう大丈夫。おかしな事にはならない」


 「どうせ家に帰って落ち着いた頃にまた悶える事になるわよ。思い出してね。そもそも昔、似たような事があったでしょうが。タマとデートする事になってウキウキで出かけたら、あまりにあまりで悶えたの忘れた?」


 「あれはシズや棗が聞いてくるのが悪い。思い出したらああなったんだから、思い出させるのは駄目」


 「いや、思い出って振り返るものでしょ。何で思い出したら悶えるのか訳が分からないんだけど? ……普通にデートする前に、VRでデートした方が良い気がしてきたわね」


 「それは普通に良いアイデアだと思うけど? 今日と明日は会えないし、VRなら夜でも大丈夫だしね。僕の方は構わないけど?」


 「私の方も問題ない大丈夫今すぐ出来る」


 「いや、今すぐはおかしいでしょうが。……椿、あんた本当に大丈夫? 色々とアレ過ぎるけど、そこまでポンコツだったかしら。今までなら多少で回復したはずだけど、何だか打たれ弱くなってるような……」


 「とりあえずパンが焼けたから先に食べて行ってよ。僕のはこれから焼くから」


 「それなら先に頂くわね。……椿、あんたも冷める前に食べなさいよ。さっきからタマの顔しか見てないじゃない。って聞いてるの? ………とう!」



 シズが椿の頭をチョップしたら、流石に正常に戻ったようだね。今まで散々待ってやっとだから、心の方がちょっと混乱してるのかな?。



 「痛い。流石にやっていい事と悪い事の区別はつけるべき」


 「それを言いたいのは私の方ね。朝食が出来てるんだから、さっさと食べなさい。それに椿は家に帰って一眠りしておかなきゃ駄目でしょうに。今は7:28分だから、後32分しか居られないわよ」


 「………」


 「その絶望した顔はなんなのよ……。今日は帰って寝てパーティーでしょうが。流石にその明らかに寝ていない顔じゃ行けないんだから、早く帰る必要があるって分かる筈よ」


 「それに朝8:00に迎えに来るっていつもの事だしね。毎年同じだからそこは変えられないでしょ。運転手の人も怒られるし」


 「………………仕方ない。帰って一度寝てから行く」


 「毎年出席しているんだから出なきゃいけないでしょうに、長い葛藤だったわね。流石にそこまで悩む事じゃないと思うけど?」


 「そこまで悩む事だから悩んでる。1回ぐらい出なくても誰も文句なんて言わない筈だし、そもそも重要なのは両親と兄さんだけ。姉さんや私は家を出るから関係ない」


 「あれじゃないの、婚姻を結べば五條グループと近づけるってヤツ。あんな感じの欲深い連中も上手く捌かなきゃいけないんでしょ? 桜さんに未だに恋人が居ないのも関係あるんでしょうけど」


 「姉さんは自分の恋愛にはポンコツだから仕方ない。好きになるのは必ず仲の良いカップルの男で、何も出来ないままに撃沈する。それがいつものパターン。何故そっちに行くのかは分からない」


 「誠実な人を求めてるんだと思うけど、その人が誠実だって分かるのは誰かと付き合ってるからな訳で……。何とも言えない感じかしら? あのまま恋愛相談師として活躍しそう。だって他人の恋愛は上手く纏められるし」


 「本当にそう。ある意味でどうにもならないのが姉さん。まだ高校三年だから良いけど、そろそろ色々と言われ始める年齢に差し掛かってきた」


 「18かぁ……確かに結婚とか言われるかもね。そういう家なんだから仕方ないとは思うけど、まだ大学があるのに言われるのは厳しいと思う」


 「仕方ない。FUJIYAMAでも葛城建設でも同じ事を言われる。だから友哉も棗も大変。特に友哉は色々と大変だから、何とかした方がいいと思う。私は手助けとか一切しないけど」


 「流石に多少はしてやりなさいよ。明日のパーティーにはFUJIYAMAも葛城建設も出席するんでしょ? 毎年友哉と棗と一緒にパーティーで会うって言ってるんだし」


 「そうだけど、友哉が頑張っても何故か姉さんは気付かない。本当に自分の恋愛というか、自分を好きになってくれる相手には勘が働かない。不思議で仕方ないけど、ワザとなのかとも思う」


 「ああ、確かに。桜さんって相手のいる男性しか好きにならないもんね。ワザとフラれるような相手だけ選んでるような気もする。本人に自覚があるかは知らないけど」


 「そう考えれば確かにそうね。もしかして友哉の事を分かってて、敢えてはぐらかしてる感じ? もしくはタマと椿の逆バージョンとか?」


 「友哉がずっと好きだったら応えるって事? ………姉さんならあり得るかも。本当に恋愛の勘が鋭いなら、友哉の好意は分からない筈が無い」


 「流石に椿みたいにあからさまにおかしいうえに、変態チックな感じじゃないけどね。それでも割とハッキリ言ってるから分からない筈ないのにアレだもの」


 「私は変態じゃない。私はタマが好きなだけ」


 「僕も好きだよ」


 「//////」


 「照れる事になるんだから最初から言わ「ピンポーン」なきゃいいのに、って来たわよ。もう8:00じゃない!」


 「後は置いておいていいから、早く帰って寝るといいよ。本当に眠れてないみたいだし」


 「うん。じゃあ、今日の夜に」


 「メールが来たら後はVRでね」



 僕とシズは椿を玄関まで見送る。その後は後片付けをし、雑事を終わらせてログイン。


 倉庫に入っている物をプレイヤーマーケットに出し、売り上げを回収してから3人に声を掛ける。その後はソファーの部屋に移動したんだが、アマロさんが一人でスケルトンと何かしていた。



 「おはよう。何かしてるみたいだけど、ちょっと召喚させてもらうね」


 「あっ、おはようございます。どーぞ、どーぞ」



 ラスティアとキャスティとファルを召喚した僕は、ファルに朝食を頼んでソファーに座る。ちょうどそのタイミングでトモエも来た。随分と遅かったけど何かあったのかな?。



 「おはよう、アマロ。ちょっとゲームにログインせずナツと話してただけよ。今日はユウヤとナツとイルがログインできないから、朝の内に話しておこうと思ってね」


 「そういえばパーティーでしたっけ? そんなのに出席しなきゃいけない家柄も大変なんでしょうね。私は庶民で良かったです。そういうグループ企業のパーティーとか、何をしていいか分かりませんし」


 「だいたいは話すだけらしいわよ。単なる顔合わせってヤツね。子供に何か期待している訳じゃないし、当たり障りの無い話をするだけらしいわ。まあ、その中から付き合ったりとかあるらしいけどね」


 「実際にそういう場で結婚相手が見つかるとかは芸能人でもあるらしいし、案外バカに出来ない効果があるんだと思うよ。着飾って行く場所だから」


 「成る程。そういうパーティーに出席する人って家柄も確かな人が多いでしょうし、そういう意味でも将来の相手を探す場所になってるんですね。あの3人もそうなんですか?」


 「ナツは許婚が居たんじゃなかった? 誰かは知らないけど」


 「確かそうだった筈。子供の頃に聞いただけだから、今でもそうなのかは知らないけどね。聞いたりとかしないし。それと後の2人は聞かないであげてほしい」


 「特にユウヤは可哀想だから聞かない方が良いわ。私達も上手くいくか見守ってるだけだから」


 「そ、そうなんですか……。周りの方にバレてるって大変ですね」


 「まあ、ね。色々とあるのよ」



 本当にそうだよね。友哉は大丈夫なんだろうか?。


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