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0541・皆でレベル上げ




 運営の中にプロレス好きが居るかはともかくとして、気を取り直した僕達はレベル上げをしていく。といっても、僕はもっぱら補助役というか【セイントクリア】役だ。これを使わないと浄石が手に入らないしね。



 「【クリア】を使っても大して効果は無いし、死体も消えていくだけで魔石以外は無し。コトブキみたいに【セイントクリア】が無いと本気で儲からないだけの厄介な場所だな。レベル上げだからいいんだけどよ」


 「確かにお金稼いでレベル上げもと考えたら、ここは敬遠されやすい場所だね。ただしレベルが高くても弱体化してくれるから、倒す事だけを考えたらありがたいかも。同じレベルの普通の魔物は弱ってくれないし」


 「そう考えたらレベル上げは楽なんだから、儲からない事に文句を言うなって感じよね。しかも浄化系アイテムが欲しければ倒すしかないし、アンデッドってある意味で面倒臭い相手」


 「浄化系、アイテム欲しさに、アンデッド。詠み人知らず」


 「あんたでしょうが、詠んだのは!」


 「相変わらずだが、何やってんだよ。敵が出てくる……っていうか、今はレベル上げだから集まってもいいか。どうせこれだけの人数が居るんだし、数の暴力で叩き潰せば手っ取り早いな。まあ、早い者勝ちになるだろうけど」


 「スケルトンフォーアームとブッチャーゾンビが出てきましたよ!」



 それからも騒がしい僕達一行は、敵を集めつつボコボコを繰り返し、MPが減っていっても気にせずに戦いを続けた。ここまでの大人数だと【セイントエリア】で瘴気を減らせばそれでよく、僕とアマロさんの仲間の浄化の方が先になっている。


 ここまでの数が居れば滅多打ちで倒せるので、弱体化の必要すら無い。9体出てきても滅多打ちにしたのは流石に笑ったよ。どう考えても数の暴力だし。とはいえ、それが裏目に出る相手もいるから一筋縄じゃいかないわけで……。



 「スケルトンソーサラーは範囲魔法を使ってくる。ドラゴノイドゾンビはブレスを吐いてくるから注意! 特にブレスは広がるよ!」


 「スケルトンソーサラーは近付くと【ブラックボム】で吹き飛ばしてくるから気をつけなさい。相手はアンデッドだから闇属性ではダメージを受けないわ」


 「スケルトンソーサラーのレベルが90を越えていると要注意です。強力な範囲魔法である【ダークバースト】を使ってきますよ」


 「魔法使いはダメージディーラー。それは敵になっても変わらない。出来るだけ早く倒す」


 「それは誰もが思っているけど、迂闊に近付くと魔法を使われるのよねえ。コトブキが【セイントクリア】を使ってくれてるけど……まずはあの黒い壁を消す必要がある、と」


 「厄介だね。私も【セイントバレット】で消してから【クリア】を使ってるよ。とにかく少しでも弱体化してくれると楽だからね。後は数の暴力で終わらせるだけ」


 「そこまで大変なわけではありませんが、それでも厄介な事に変わりはありませんよ。しかもあのドラゴノイドゾンビが……」



 そうアマロさんが言い出した直後にドラゴノイドゾンビがブレスを吐き、それをシグマが盾で防ぐ。その間にラスティアとキャスティが【水魔法】と【木魔法】で邪魔をする。それでも止まらなかったが、横からユウヤがブン殴るとようやく止まった。


 シグマが防げたのは良かったが、どうやら一気に盾の耐久が落ちたようだ。アレは作り直さないと駄目だな。今日のレベル上げには使えるだろうけど、新しいのに変えておかないと壊れるタイミングが怖い。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアの【火魔法】に【ファイアーボール】が追加されました

 使い魔:ラスティアの【水魔法】に【ウォーターボール】が追加されました


 使い魔:キャスティの【木魔法】に【スリープ】が追加されました


 ―――――――――――――――



 おっと2人の魔法に新魔法が追加されたみたい。ラスティアの方は分かりやすいけど、キャスティの方は嫌がらせ魔法だと言われるのも納得だよ。


 敵を倒し終わったら皆のレベルが上がったらしいが、その事に喜ぶよりもスケルトンソーサラーとドラゴノイドゾンビの面倒臭さを知ったようだ。御蔭でどうするか迷ってるみたい。



 「このままここで戦い続けるか、それとも戻ってスケルトンフォーアームとブッチャーゾンビと戦い続けるか。どっちにするべきかしら?」


 「こっちの方が経験値の入りは良いけど、流石に範囲魔法とブレスはヤバい。コトブキみたいに【セイントクリア】が使えるようになるまでは、奥に行かないほうが良いと思う。流石に色々と足りてない」


 「そうだね。あのブレスとか危険そうだったし、盾で防ぐのも大変そうだった。あのままだと盾を壊されてたかもしれないし、やっぱり戻った方がいいと思う。向こうなら気楽に戦えるし、ここは敵の数が多いから……」


 「数と戦いやすいですし、それはレベル上げがしやすい事を意味しますからね。午前中は素材集めというお金稼ぎをしたんですし、午後からは数を熟すレベル上げで良いのでは?」


 「そうね。数を沢山狩るレベル上げにしましょう。レベルが上がりきったら暗闇ダンジョンに行けばいいんだし」



 そうと決まったので素早く撤退し、深層の入り口からローラー作戦のように敵を殲滅していく。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 使い魔:ラスティアの種族レベルが上がりました

 メイン職業:暗殺者・下級のレベルが上がりました


 使い魔:キャスティの種族レベルが上がりました

 メイン職業:盾士・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セスのレベルが上がりました


 召喚モンスター:エストのレベルが上がりました

 召喚モンスター:エストのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアの【火魔法】に【ファイアバインド】が追加されました

 使い魔:ラスティアの【水魔法】に【ウォーターバインド】が追加されました


 使い魔:キャスティの【木魔法】に【ヴァインバインド】が追加されました


 ―――――――――――――――




 ウロウロとし続けた御蔭か、皆はレベルが結構上がったらしい。僕達も1つ上がったので十分過ぎるほどの成果だろう。ついでにバインド系魔法も覚えてくれた。


 【ヴァインバインド】って事は蔓草での拘束なんだろうけど、発音的に某ゲームを思い出すよ。何となく<バイバイン>に聞こえなくもないからさ。あの友情ブッ壊しゲーム、散々皆とやったんだよね。子供の頃。


 子供がやるゲームだけど、友情を壊す用のゲームって色々あるんだよ。<く○おくん>シリーズとか、<桃○郎電鉄>とかさ。面白いからこそプレイして、そして友人の足を引っ張ったり引っ張られたり。まあ、それも含めて楽しいんだけどね。



 「どうした、コトブキ? 俺の方を見て」


 「キャスティが新しい【木魔法】を覚えたんだけど、【ヴァインバインド】っていうんだよ」


 「………何だか<バイバイン>みたいな名前だな。もしかして<ドカ○ン>を思い出してたのか?」


 「そう。何だか懐かしくてさ。あの友情破壊ゲー」


 「まあ、分からなくはない」


 「じゃんけんみたいな戦闘だから誰にでもチャンスはある。一番のアイツを全員で狙う」


 「本当に友情破壊ゲームよね、アレ」


 「一番怒ってたのは毎回トモエだったよ?」


 「………」



 一番真剣に怒ってたのは間違い無い。とはいえ足を引っ張られるのを一番嫌うタイプだったからこそ、逆に狙われてたんだけど。


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