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0540・再びの称号




 僕はソファーの部屋へと移動し、外に出たらファルとドースを召喚する。いつも通りに浅層から中層へ、そして深層へと移動していく。深層に着いたらスケルトンフォーアームやブッチャーソンビを倒しつつ、森の中へと進む。


 ドースは少々戦いにくそうにしているものの、僕が弱らせたアンデッドに対して積極的に突撃している。距離は短いが体当たりを行い、後は体重を活かしたストンピングを連打して始末。結構恐ろしい威力をしているなぁ、相変わらずだけど。


 ファルは盾を上手く使いつつ、メイスで頭をカチ割ったり潰したりしている。こちらも上手く戦っているから然してダメージも受けていない。たまに【セイントエリア】も使っているので、2人の体も浄化されている。流石に瘴気を浴びすぎて瘴気アンンデッドになられても困るからね。


 僕は適度に腕を切り落としながら戦っているものの、それより【セイントクリア】を使う方が大事だ。ファルには意図的に魔法を教えていないが、これは生産に特化させる為なので、これから先も魔法を覚えさせる気は無い。


 倒し終わったら進んで行き、瘴木があったら木晶にして手に入れていく。スケルトンフォーアームやブッチャーゾンビでは浄石しか手に入らないが、これは適当に売り出すのでどうでもいい。どうやら売れてるみたいだしね。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 弱体化させながらだから、あんまり戦えなかったな。それでも2人のレベルが追いついたのだから良かった。むしろエストのレベルが1低い方が問題だろうか? ま、それは置いておいてさっさと戻ろう。


 師匠の家の前に戻ったら、いつも通りマイルームに飛んで訓練場にファルとドースを戻す。そして囲炉裏部屋に移動したらログアウト。本日はここまで。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 12月8日 金曜日 AM8:22



 今日は皆と久しぶりの素材集めだ。後レベル上げもあるけど、それは追々だね。まずはログインして、トモエに開けてもらわないないといけない。


 ログインした僕は売り上げを回収した後で倉庫に突っ込み、売り物を全てプレイヤーマーケットに出す。それが終わったら3人に声を掛け、僕は師匠の家の前に移動。トモエにメールを送るとすぐに開けてくれた。


 ソファーの部屋へと移動し、そこでラスティアとキャスティとファルを召喚。ファルには朝食の手伝いへと行ってもらった。



 「いちいち面倒臭いんだけど、まだレベルが追いつかないの?」


 「いや、昨夜追いついたから少しの間は夜にレベル上げに出たりしないよ。ようやくだけど、それでも追いついただけ良かったかな? 流石はレベル70後半から90台まで出る場所だと思う」


 「90台は本当に高いわよねえ。聞いてると結構シャレにならないみたいだから、しっかりと対処できないとヤバいんでしょうけど、コトブキは少人数でも戦えるみたいだし……大丈夫かな?」


 「ブレスを吐いてきたり、強力な魔法を使ってくるんでしょ? 思ってるよりもヤバいよねー。それでも強いからレベルは上がりそうだけど」


 「頭打ちは総合レベル60だから、種族レベル20までと、職業レベル45までは上がる。職業のランクアップは早かったから、2度目は遅いんだと思う」


 「カンカン」



 ファルが呼びに来たので食堂に移動し、食事をとったらユウヤをを待つ。久しぶりに見たユウヤは変わっていないけど、本人は慣らしていかないと大変みたい。



 「そりゃな。イベントの時は自分の身長と変わらなかったんだ。また大きくなったけど、この感覚は久々だからなぁ。ちょっと時間が掛かるかもしれないけど、すぐに元に戻るだろ」



 魔隠穴の中で素材を掘ったりしていると思い出してきたのか、ぎこちなさは無くなっていた。少し前まで普通に動かしてたんだから、そんな簡単に忘れる事もなかったみたい。


 それから豪雪山に行ったりバイゼル山で掘ったりしつつ。昼までに終わらせる事を全て終わらせておいた。


 師匠の家で昼食をとった後、次はレベル上げだ。実はユウヤもレベル上げを先にしておきたいという意見で一致。なので全員で深層に行きレベル上げをする事に決まったんだ。やっぱり暗闇ダンジョンは厳しかったらしい。


 ユウヤを加えて屍人の森を進み、浅層や中層の澱み草を枯らしつつ深層へ。入って少し歩くと、すぐにスケルトンフォーアームとブッチャーゾンビが出てきた。



 「早いけど、ブッチャーゾンビはそこまでかな? それよりスケルトンフォーアームが厄介そう。特に3本の武器と盾を持つっていう面倒臭い装備してるし」


 「クネクネして弱ってるみたいだし、今がチャンスじゃねえの? 俺もさっさと倒してレベル上げしないとな」



 仲間達が【セイントクリア】で弱らせ、その間に皆が倒して行く。そのパターンで進んで行くと、なんとユウヤが<血染めのバンテージ>を入手した。



 「これまた防御力も魔法防御力も高いけど、どう考えてもアレな装備だよな?」


 「セナがブッチャーゾンビに【地獄突き】を使ったらプロレスが始まったよ。既に聞いてるかもしれないけど」


 「ああ、聞いてる。っていうか、やっぱりこれがプロレスを始める用のレアアイテムかー。…………よし、俺も一回やってみよう。手に入れたのは召喚モンスターであってプレイヤーじゃないからな」


 「まあ、次にブッチャーゾンビが出てきたら、やってみればいいと思うよ。それぐらいなら協力してくれると思うし」



 皆も特に異論は無いらしく、その後は適当に歩き回る。するとスケルトンフォーアーム7体とブッチャーゾンビ1体が現れた。何というか仕組まれてるほど綺麗に出てくるね。既にユウヤは装備してるしバッチリだ。



 「よっしゃ。早速ブッチャーゾンビに………うりゃぁ!!」



 ユウヤはブッチャーゾンビの牛刀を流すと、【地獄突き】を喉に喰らわせた。その後、すぐにブッチャーゾンビは武器を捨て、素手で戦いを始める。ユウヤも同じく武器と盾をインベントリに仕舞い、素手でブッチャーゾンビと戦い始めた。


 ブッチャーゾンビがパンチをするも、ユウヤは意に介さず喰らいながらヘッドバットを見舞う。それにダメージを受けたのか、後ろに下がって目を瞑り少し頭を左右に振るブッチャーゾンビ。無駄に芸が細かいな。


 再びブッチャーゾンビが前に出てパンチを放ってくるも、今度は前に出て受け止めたユウヤは肘でブッチャーゾンビの顎を強打。ブッチャーゾンビは堪らず地面に膝を突く。


 そこにユウヤは<ケンカキック>を喰らわせて倒すと、肘を倒れている相手に叩きつける<エルボードロップ>を繰り出した。その一撃を受けたブッチャーゾンビはお腹を押さえて左右を転げる。本当に芸が細かい。


 再び仰向けで止まったブッチャーゾンビに対し、ユウヤは<ボディプレス>を行いそのままフォール。再び何故かゴングで3カウント。ユウヤが勝利すると、カーンカーンカーンカーンカーンと鳴ってブッチャーゾンビは消えていった。


 前回と同じだけど、ユウヤは目の前に出たウィンドウを見て固まってるね。いったいどうしたんだろう? 称号を得たんだと思うけど……。



 「おつかれー。ユウヤ、戦いは終わってるのに、いつまでウィンドウを見てるのよ。驚いてるって事は【3カウント】の称号を得たんでしょ?」


 「いや、それがさ……。<おめでとうございます。全プレイヤーの中で初めて巨人族がボディプレスからのフォール勝ちを収めました>って出てさ、何故か【人間山脈】っていう称号をもらったんだよ」


 「それ、アン○レ・ザ・ジャイ○ント……」


 「だよな?」



 ユウヤが巨人族だからなんだろうけど、何故こんな称号が用意されてるのさ。運営の中にプロレス好きが居るでしょ、絶対。


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コレはフィニッシュホールド別でも称号替わりそう
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