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0534・新たな敵




 夕食を終えてソファーの部屋へと戻り、そこからマイルームに渡ってログアウト。現実でお風呂や食事を終えたらログイン。ソファーの部屋へと移動したら師匠の家を出て、ファルとドースだけを呼び出して出発する。


 久しぶりの戦闘に滾っているのかドースの鼻息が荒い。まだ浅層なのに鼻息を荒くしても仕方ないと思うんだけどね、だって一撃で倒せてるし。それ不完全燃焼でしょ。


 そう思うんだけど、気にせず鼻息の荒いドースを連れたまま深層へ。そしてスケルトンフォーアームやブッチャーゾンビとの戦闘を開始する。相変わらずファルは前に出て堅実に戦い、僕は【セイントエリア】を使ってから腕を落とす。


 ドースは体当たりで吹き飛ばしたり、後ろ足の蹴り上げで大ダメージを与えている。後は踏みつけだけど、アレも地味に威力が高くて酷い。容赦なく踏みつけて骨を潰してるよ。情け容赦を一切感じないね。


 それが戦闘では当たり前なんだけど、っと。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 早速レベルが上がったか。流石はレベル80台、幸先が良いね。


 再び現れたスケルトンフォーアームとブッチャーゾンビを倒しつつ進んで行くと、スケルトンソーサラーが3体現れた。適当に【セイントバレット】を撃ち、黒い壁で防いだらすぐに【セイントクリア】を使う。


 即座に2つ目の魔法を使う事は出来ないのか、時間差攻撃に簡単に嵌まるスケルトンソーサラー。地面を転げまわって、他のスケルトンソーサラーの邪魔をしている。僕はその間に【セイントバレット】からの【セイントクリア】を使って嵌めていく。


 結局3体とも地面を転げまわるようになったら、後は物理攻撃で叩きのめして終了。やはり【セイントクリア】があると、そこまで苦戦せずに済む。おまけに3人しか居ないのに普通に倒せた事を考えると、レベル上げに使えなくもないかな?。


 僕は落ちていた浄玉を拾ったら、再びウロウロとし始めた。出来れば夜の内に多少の浄玉を稼いでおきたいんだよね。どんな武器になるかも分からないし何度も試す必要があるから、それだけ多くの量が必要だ。


 その為に少しでも多く溜めておきたいんだよね、浄玉を。木晶に関しては、朝というか次の日にならないと復活していないみたいだから一日一回しか取得できない。これは採取するアイテムと変わらないので仕方がないと諦めた。


 しかし浄玉に関してはスケルトンソーサラーさえ居れば手に入る可能性がある。だからなるべく……?。



 ―――――――――――――――


 <ドラゴノイドゾンビ> Lv91


 竜人と呼ばれる者のゾンビ。生前と変わらぬ高い能力を持つうえにブレスまで吐く強敵。弱点の【浄化魔法】を使っての速攻を心がけよう


 ―――――――――――――――



 「【セイントクリア】!!」



 目の前には二足歩行の人型ドラゴンが居る。手足はトカゲっぽく長い尻尾を持ち、顔が完全に小型のドラゴンだ。そういう種族が居るのかもしれないが、とにかくブレスなんて吐かれたらシャレにならない。


 頭を抱えて呻いているから今の内に速攻で倒す。ファルとドースと共に囲んでボコボコにしたからノーダメで倒せたけど、コレまともに戦ったら絶対に強敵じゃん。冗談でも何でもなくブレスはマズい。


 この時点で登場するのは分からなくもないんだ。何故なら暗闇ダンジョンの暗闇ヘルムもブレスを吐いてくるからね。あれでさえ冷気系のブレスを吐いて来るんだから、ドラゴノイドじゃ吐いてきても仕方ない。


 それにしても倒せてるから良いものの、敵のレベルが高すぎる。ここまで高いとは思ってなかったし、ここまで厄介とも思ってなかった。レベルの事を考えたら深層の入り口に戻るべきなんだけど……。


 僕は浄玉を拾いつつ考えるが、敵は待ってはくれないらしい。新たにドラゴノイドゾンビが4体も現れた。僕はファルとドースに指示を出し、つかず離れすの距離を保たせる。その間に1体1体【セイントクリア】で動きを止めていく。


 3体目までは上手くいっていたのだが、最後の一体にブレスを吐かれてしまった。僕はすぐに【セイントクリア】を使い、燃やされてしまったドースに【ダークヒール】を連発。何とか回復する事が出来た。


 驚くほどに強烈なダメージを受けてしまった原因は、ドースは馬なので左右に動き辛いという理由からだ。それなりにブレスの火が広がる所為で、すぐには安全圏に脱出できなかったんだ。それもあって思わぬ高ダメージを受けてしまう結果となった。



 ―――――――――――――――


 種族レベルが上がりました

 メイン職業:ネクロマンサー・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:ドースのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――


 僕達は反撃を受けながらも4体のドラゴノイドゾンビを倒した後、すぐに深層の入り口近くまで後退する。流石に何度も戦い続ける事はできない。レベルが上がったのと、浄玉を2つ手に入れただけで良しとしよう。


 最後に出来るだけ戦ってから帰るか。



 ―――――――――――――――


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 ドラゴノイドゾンビの経験値が大きかったのか、ファルのレベルが更に1つ上がったので切り上げた。これ以上はMPが厳しいし、タイミングとしてはちょうど良い。さっさと師匠の家の前まで戻って、マイルームへ戻ろう。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 12月7日 木曜日 AM8:15



 今日も皆はイベントだけど、ドラゴンを倒すのは朝からだ。となると今日の内に2周目クリアは達成されそうだね。ラスボスは時間が掛かるだけだし、そこまで苦戦もしない。単に面倒臭いだけだ。


 HPが高いだけのサンドバッグと考えれば、昨今の<ス○パーロ○ット対戦>のラスボスみたいなものか。大して難しくもない簡単な、各ロボットの必殺技をブッパして楽しむだけのゲーム。


 昔のに比べて難易度が下がりすぎなんだ。第2次とか第3次はそんなものじゃなかったよ? 僕も友哉と一緒に1ターンずつ「ああでもない、こうでもない」って相談しながらクリアしたからね。


 それぐらい第3次の<ラグナロク>到達とクリアは大変だったんだけど、昨今はあの大変さが全くない所為で歯応えが無い。おっと、オープニングを見ながら下らない事を考えてないで、早くログインしよう。


 囲炉裏部屋に移動したら売り上げを回収し、倉庫に入っている物をプレイヤーマーケットに売り出す。素材を適当に買ったら倉庫に入れ、それが終わったらラスティアとキャスティとファルに声を掛ける。


 そして師匠の家の前に移動し、トモエに連絡して開けてもらって中に入った。



 「また夜に屍人の森で戦ってたんですか?」


 「まあね。昨日【セイントクリア】っていう魔法を覚えてさ、それで新しい素材が手に入るようになったんだ。それでレベル上げを兼ねてログインしたんだよ」


 「新しい素材?」


 「浄玉っていう、浄石よりも上位の素材。浄石、浄化石、浄玉という形でランクが上がるみたい。レベル88とかのスケルトンソーサラーや、レベル90超えのドラゴノイドゾンビじゃないとドロップしないんだよ」


 「「「「レベル90!?」」」」


 「あらら、レベル90超えまで出てくるとはね……。流石は深層というべきかしら」


 「ドラゴノイドとは厄介ですね。おそらくブレスを吐くでしょうし、ゾンビのタフさも持つでしょう。今の実力だと強敵と言えますかね?」


 「【セイントクリア】で頭を抱えてたから大丈夫だとは思う。ただし反撃はしてくるけどね」


 「レベル90超えならその程度はしてくるでしょう。それでも効くだけマシですか……」



 まあね。止められなかったら全滅してた恐れすらあった。ドラゴン系は舐めない方がいいね。


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