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0531・天使の星と悪魔の星




 「何か変な雰囲気じゃのう、何かあったか?」


 「ちょっと昔の話をしただけです。私も色々あったのですよ、色々と。【純潔】を保つ為にも苦労したのです。愚かな貴族や王などが居ましたからね」


 「ああ、そういう事か。ラスティアとは違うから大変じゃな。妾としては精神的な【純潔】じゃから問題無いとは思うが、それでも阿呆に呉れてやるものでもないか。そもそも天使を襲うとか、色々と頭のおかしい奴しかやらんしのう」


 「そうねえ。悪魔の星で悪魔に喧嘩を売る奴ってそれなりに居るけど、性欲の為に襲う奴は居ないわねえ。名を上げるとか、強い奴を倒したいって連中は居るけどさ」


 「何だか悪魔の星の方がマシな気がしてきましたね。本っ当にしつこかった者も居たのですよ。あまりにしつこいので我慢の限界を超えましてね、その国の王城の一部を破壊したんです。王ごと」


 「「「「「「「………」」」」」」」


 「まあ、その後、その国からは謝罪の使者が何度も来て、更に鬱陶しかったのですがね」


 「キャスティ……あんたって【破滅】と変わらない事してたのね、知らなかったわ。王城ごと木っ端にするとは……」


 「一部ですよ! 一部! そもそも私は国崩しなんてやってませんから、【破滅】殿ほど酷い事なんてしてません!!」


 「よく考えたら師匠は国崩しなんだから、破壊の規模が桁違いなのか……」


 「そうです! 無辜むこの民が路頭に迷おうが、お構いなしに国崩しをやったのですよ? 私はそこまでしていません。ただ、王ごと木っ端微塵にしただけです!」


 「それも十分以上に酷いと思うのは、きっと私だけじゃない」


 「っていうか、まず木っ端微塵がおかしいでしょ。王城ってそれなりに色々な物で守られてるんじゃないの? それを王ごと木っ端にするって尋常じゃないけど? しかも多分だけど大天使に許されたんでしょ?」


 「許されたと言いますか、お説教はされましたね。言っても聞かない者には、さっさと実力行使をしなさいと」


 「大天使も大天使で色々ズレてる? それとも天使の星は欲望塗れ? なんだかそんな気がする」


 「秩序で締め付けておるからじゃろ、だから爆発したり捻じ曲がったりするのだ。悪魔の星は適度に発散させる事をしておるというか、許容しておる。だからこそ、そこまでには至らんのであろうな」


 「まあ、小さい欲の間に発散させてしまえば大きくなり難いとは思うけどね。性欲だってそんなものだし、他の欲も似たようなものだと思うわよ? そこはそれぞれの星の事だから、大天使に言うしかないでしょうけどね」


 「でも爆発するも捻じ曲がるも人によるんだから、どっちが良いかは難しいところじゃないかな? 発散してても捻じ曲がる人も居るじゃない。そういう犯罪者だって居るんだし」


 「まあ、それはそうだの。犯罪をする者など居なくはならんし、縛られようが自由であろうが、やる奴はやる。やらない者はどちらでもやらんのだから、やはり本人の問題じゃな。その王がそういうヤツだったというだけよ」


 「だからブッ飛ばしたんだもんね。それも大天使からは、もっと早くやっておけって言われるくらいだし。もしかしたらキャスティがそこまで我慢するとは思ってなかったんじゃない?」


 「まあ、そうですね。後で【忍耐】にも、「私でさえ、そこまで我慢しない」と言われましたよ。【忍耐】は追いかけられるより追いかける方が好きだとか、訳の分からない事を言っていましたが……」


 「「「「「「「………」」」」」」」



 全員の顔が何とも言えない微妙な顔になったね。僕もおそらく同じ顔をしていると思うけど、アレが追いかけてくるとか何ていう地獄なんだろう。もはや【忍耐】じゃなくて【悪夢】の間違いじゃないかな。


 そんな微妙な雰囲気のまま昼食が終わり、僕はソファーの部屋からマイルームへ戻りログアウト。現実へと戻ったら昼食作りを始める。


 今日は出来上がって呼びに行くまで、シズは下りてこなかったね?。



 「ああ、ゲーム内掲示板で話してたのよ。大した話じゃないけど、タンク・バイソンの話を少しね。それはともかく、午後からは<解明のネックレス>を手に入れて地下よ。今のところは<秘刀・千華>があるけど……」


 「前にも言ってたけど、<竜巻の斧>よりは<秘刀・千華>の方がおそらく楽だと思う。もし持って行くなら、先に<忍者の足袋>を入手してからの方がドラゴン戦は楽かもね。【跳躍強化】が付いてるから」


 「あー、確かに。それはそうかもしれないわね。でも、あの毒蛙を倒すのに【リジェネレイト】がないと厳しいし……どうしようかしら?」


 「確かにそれを考えるとドラゴンの後の方がいいか。ジャンプ力が高ければ楽になるかと思っただけだし。無くてもドラゴンは倒せるからね。変な事はしない方がいいかもしれない」


 「そうね。持って行ったらどうなるか興味はあるけど、3周目が出来る保証は無いからキッチリと攻略しないと」


 「あれ? もしかして2周しか出来ないって決まってる? あそこの運営ならやり直しが出来ると思わせておいて、1回だけとか普通にやってきそうだね。何回も出来るとは言っていない、って感じに」


 「その可能性が十分にあるから慎重に確実にノーデスで進んでるのよ。というか、あんなあからさまにもう1回出来るってなってる時点で怪しいのよねえ。最初の死神から地獄だったけど」


 「それはしょうがない。後もうちょっとだから頑張りなよ。ごちそうさま」


 「ごちそうさま」



 シズはさっさと部屋に戻っていったから、これからローリングストーンか。あんな所で死ぬ事もないだろうから心配はしてないけど、やはり地下のモンスターハウスがネックだな。あそこを越えたら後は楽なんだけど……。


 最後の一踏ん張りってところかな? シズならやれるでしょ、あれだけのセンスと才能を持ってるんだしさ。って、洗い物が終わったから今度は他の事をしないと。


 ………ようやく終わったか。そろそろ僕も部屋に戻ってログインしよう。今日もこれから深層でレベル上げだけど、そろそろレベルも上がるだろう。やはり人数が多いと、どうしてもレベルの上がりが悪いんだよね。


 レベル80台が相手でもそこまで経験値が貰えてる気がしないのは、やはり人数の問題だと思う。限界ギリギリまでパーティーメンバーが居るからさ。


 ログインして囲炉裏部屋に来たら、ソファーの部屋へと移動して、と。後は師匠の家を出て皆を召喚。今日もドースは一人で留守番だけど、流石にそろそろ夜のレベル上げには連れ出そう。ストレス溜まってるかもしれないし。


 浅層の澱み草を全て枯らし、中層の澱み草も全て枯らす。それが終わったら深層へと進むんだけど、早速スケルトンフォーアームが出てきたな。5体きてるけど、そこまで苦労はしない。


 そもそもMPは満タンに近いんだしね。弱めればそこまで強い相手でもないし、弱めなくても戦い様は十分にある。無理しなくても倒せるんだよ、僕達の実力なら。



 ―――――――――――――――


 使い魔:ラスティアの種族レベルが上がりました

 メイン職業:暗殺者・下級のレベルが上がりました


 使い魔:キャスティの種族レベルが上がりました

 メイン職業:盾士・下級のレベルが上がりました


 召喚モンスター:ファルのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セナのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フォグのレベルが上がりました


 召喚モンスター:フィーゴのレベルが上がりました


 召喚モンスター:シグマのレベルが上がりました


 召喚モンスター:セスのレベルが上がりました


 召喚モンスター:エストのレベルが上がりました


 ―――――――――――――――



 っと、そう思ってたらレベルが上がったね。僕のレベルは上がらなかったけど、コレは仕方ない。夜の戦闘で先に上がってるし。


 それにしても順調と言えば順調かな? レベルアップのスピードは。


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