表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
519/567

0519・屍人の森・深層 その2




 スケルトンフォーアームと戦うのだが、ハッキリ言ってかなり厄介だ。何と言っても武器の種類が多く、またそれを的確に使ってくる。僕は見ているだけで意図的に何もしていない。現在はファルとシグマが前に出て防ぎつつ、各々が攻撃しようとしている。が……。


 セナがファルの左側から攻めているが盾で防がれ、ファルの攻撃は相手の武器に阻まれる。予想以上に厄介だが、だからと言って【浄化魔法】を使う気にはならない。使えば弱体化するだろうが、それでは意味が無い。



 「確かにそうですね。この者達は思っているより技量があります。伊達に上級ではありませんので、実力を付ける為にも利用させてもらいましょうか」


 「そうね。とはいえ、なかなかに防御が硬いわ。思っている以上に防御寄りなのかしら、コイツら」


 「武器で防いでも残っている武器で反撃してきますからね。思っているよりは厄介ですが、それでもしっかり見ていれば隙もあります。後はどう気付くかぐらいでしょう」



 ラスティアとキャスティは分かっていたのかさっさと倒し、残りは2体になっている。そこまで難しくなかったのは色々な敵と戦ってきたからだろう。セナ達はまだ経験をする状態なので仕方がない。


 4本も武具があっても必ず変幻自在に使い熟せる訳じゃない。かならず自分が使い慣れた方法で振る。つまり同じような使い方をするので、必ずチャンスの瞬間は出来る。後は踏み込むだけだ。



 「ヤァッ!!」



 盾で防がれようとも、もう片方の手で攻撃したセナ。両手に武器を持っているからと、ファルが防いでくれるから出来た形だね。チャンスは自らこじ開けても良かった気はするけど、言い方が悪かったかな?。


 隙なんていうものは無理矢理作っても良いんだよ。相手に隙が出来て、こっちの攻撃が当たればそれでいいだけだしね。大事なのは敵を倒す事であって、自分のやり方に拘る事じゃないんだよ。


 シグマの方ではセスがエストックを使っているが、スケルトンとは相性が悪い。しかも魔法を封印する形で戦っているので、それ以外に攻撃手段が無いと誤解している。使っていいのがもう1個あるのにね。


 そう思っていたら、セスがシールドバッシュを行った。そうそう、使える物は何でも使って勝たないといけない。魔法を封印しているものの、だからといって武器しか使ってはいけないとは言っていないんだ。


 セスは軽いから相手はバランスを崩さなかったけど、その後にシグマがシールドバッシュをしたからか転倒。そして囲んで叩き潰して終了。酷い? そんな事は無い。立派な戦術だよ。そもそも相手の方がレベル高いし。



 「確かにそうなのよね。最初だけかもしれないけど、それでも81は高いわ。予想以上に深層の魔物が強力なのが分かるわね。ここでこれとなると最深部はどうなってるのかしら?」


 「レベル100超えでしょうか? それとも120超え? どのみち破滅殿が抑えるしかないのが、この屍人の森だそうですし、その程度の魔物の強さはあるんでしょうね。国だと中隊ぐらいは駐屯する必要があるでしょう」


 「中隊規模で果たして抑え込めるのかは謎よ? 瘴気に犯されて狂う可能性が高いわ。ここ不死者の国だし」


 「そういえばそうでしたね。ここはブラッディアであり不死者の国だったのを忘れてましたよ。となると破滅殿が抑え込むしかありませんね。それ以外だと瘴気で狂った者が増えるだけでしょう」


 「そうなったら……って、何か来たわね」



 ―――――――――――――――


 <ブッチャーゾンビ> 魔物 Lv79


 肉屋で働いていたのか巨大な包丁を2つ持つゾンビ。太っているものの、生前と同じく腕や足は太いのでパワーは強い。果たして本当に肉屋だったのだろうか?


 ―――――――――――――――



 「今度はブッチャーゾンビらしいけど、本当は肉屋じゃなくてプロレスラーとでも言いたいのかな? どっちにしても強敵そうなのは間違い無いね」


 「「「「ヴォォォォォォォ!!!」」」」



 ブッチャーゾンビ4体だけど、これはちょっと厳しいかな? 流石に両手に牛刀みたいなのを持ってるから、ほぼ双剣を持っているようなものなんだよ。厄介極まりない敵だけど、それだけ強い敵だからこそ経験値も多く貰えそうだから頑張ろう。


 ファル、シグマ、セス、キャスティが前に出て防いでいるけど、攻め手の皆は相手を気にせずスイッチしながら戦っている。攻撃できるなら側面でも背後でも気にしない。


 しかしさっきのスケルトンフォーアームと違い、ブッチャーゾンビはタフだ。流石はゾンビ系、簡単には沈んでくれない。それでも戦っていると徐々に優勢に傾いていき、最後にはこちらの勝利で終わった。


 僕も結構攻撃に行ったけど、思っている以上にブッチャーゾンビの脂肪や筋肉が硬かった。やはり相当の防御力をしているらしく、早々簡単には倒れてくれない。それなりに良い装備で固めているんだけどね。


 再び歩き出すと、今度はスケルトンフォーアームとブッチャーゾンビの混合で7体も出てきた。流石にコレは駄目だとして、【セイントエリア】を解禁する。僕だけでなく、【浄化魔法】が使える全員で【セイントエリア】を使い、有利な場を作って戦う事に成功。


 しかし予想外に弱まらず、結構な強さの相手と戦う羽目になった。これでは押し込まれてしまう可能性が高いので、仕方なく【セイントジャベリン】も追加して戦い、4体いたスケルトンフォーアームを先に倒す事で有利な状況を作り出した。


 後はダメージを蓄積させて勝てばいいだけである。そこまで敵が弱体化してはいないものの、それでも【セイントエリア】を使用した方が早く倒せた。となると瘴気で自動回復してるのが停止したかな?。



 「確かにアンデッド系の魔物は自動回復をしますね。それも瘴気が濃い程に回復しますから、ここは彼らにとって有利な場所だと言えるでしょう。【セイントエリア】程度では一時的に自動回復を停止させるぐらいが精一杯かもしれません」


 「そもそも上級なんだし、【浄化魔法】に耐性がありそうよね。【光魔法】の方が効いたりするかも」


 「流石にそれは無いでしょう。アンデッドが最も苦手とするのは【浄化魔法】です。ネクロマンサーの呼び出すアンデッドでない限り、弱点は絶対に変わりません。あれらはそういう存在ですから」


 「って事は、もっと強力な【浄化魔法】を使わないと駄目って事ね。まあ【セイントジャベリン】の方は効いてたみたいだし、あの程度の魔法は必要なんでしょ。まだその上は無いんだけど」


 「仮にあったとしても役に立つかは分かりません。敵が多数だと出し惜しみ無しで戦った方が良いでしょう。確かに強い魔物との戦いは練習になりますが、本来【浄化魔法】を使わないと大変な相手でもあるんです」


 「確かにね。皆の技術の底上げをしたかったけど、それは後でいいか。まずは出来得る限り倒しながら進もう」



 そう言って移動しだしたのも束の間、またスケルトンフォーアームとブッチャーゾンビが現れた。思っている以上に深層では魔物の密度が濃いのだろうか? とりあえず魔法も含めて全力で戦おう。


 【浄化魔法】を最初からキッチリ使って戦うと、そこまで苦戦する相手じゃなかった。特に効いたのは【セイントエリア】と【クリア】のコンボで、明らかに弱体化する事が判明。


 弱体化させると、そのまま武器攻撃で押し込んだ方が早かったので、簡単に勝つパターンも確立できた。こうなるとそこまで苦戦はしない。適正レベルのように思えなくもないね。


241話と300話の誤字報告、ありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ