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0510・第四回公式イベント その45




 僕は8つの鍵穴がある扉に近付き、1つずつ鍵を使って開けていく。捻るごとに鍵が塵になって消えていき、最後の8つ目の鍵を入れる前に、何となく<ワルキュ○レの冒険>みたいだなと思った。


 アレもラストに鍵を突っ込んで終わりだし、何だかそんな感じの気分だ。とはいえ扉を開けた段階じゃ終わらないんだけどね。そう思いつつ最後の鍵を差し込んで回すと、自然と鍵が消え、それと同時に扉が自動で開く。


 その瞬間、僕の目の前にウィンドウが現れ、同時に部屋が大きく揺れる。



 ―――――――――――――――


 残り300秒


 ―――――――――――――――



 やっぱりか! どうせそんな事だろうと思ったよ! そういえば<コ○ミワイワイワ○ルド>もそうだったなと思いつつ、僕は扉を抜けて前へと走る。すると、早速敵からの攻撃が飛んできた。


 それは最初に現れた死神だったが、僕は大鎌をかわすと同時に<絶刀・万華>で切り裂く。ボスではなく脱出用の敵だからか、その一撃で塵となって消える。前を見ると4つの扉があるので一番左の扉へと入った。最初はLLだったし、間違ってはいない筈。



 ―――――――――――――――


 残り279秒


 ―――――――――――――――



 扉を開けて中へと入ると、次に出てきたのは狼2匹に大蛇にネズミだった。こいつら武器を強化するのに必要な像の奴等だね。数が多くて厄介だが、襲ってきた狼の旦那にカウンターで突き刺し、その一撃で倒した。


 狼の妻が鳴くが無視し、大蛇が近付いて来たので噛みつきをかわして首近くを切り裂く。簡単に刎ねられた大蛇はすぐに塵になり、狼の妻とネズミが同時に襲ってくる。


 狼の妻の噛みつきに対してはカウンターで口の中を突き刺して倒し、ネズミの噛みつきはキメラの脛当てで受け止める。多少のダメージは無視し、噛みついているネズミの上から刀を突き刺して殺したら扉へと走る。


 【リジェネレイト】を使って回復しつつ、4つの扉の右から2番目に入った。RLなので右2つの左側という意味だろう。



 ―――――――――――――――


 残り201秒


 ―――――――――――――――



 扉の先にはレイスが居たので、近付いてきたところに【セイントエリア】を使い、後は2度斬ったら消えた。流石は<絶刀・万華>だと思うも、そんな感慨に浸ってる場合じゃない。


 今度の扉はRRなので一番右の扉を開けて中に入る。



 ―――――――――――――――


 残り182秒


 ―――――――――――――――



 中に入って出てきたのは、まさかの灰色ゴブリンの商人だった。


 僕は素早く走って近付き、突き出された短剣をかわしてカウンターで斬り上げる。確実性を考えた場合、どうしてもカウンターにならざるを得ない。何故なら確実に斬れるからだ。


 僕の一撃で両断された灰色ゴブリンの商人はウネウネしながら消えていったので、僕はLR、つまり左から2番目の扉を開けて入った。



 ―――――――――――――――


 残り157秒


 ―――――――――――――――



 すると中には地下のボスであるドラゴンが居たが、僕は無視して入ってきた扉を開けたら外へと滑り込む。扉が閉まるとそこは真っ白な空間であり、何も無いような場所だった。


 背後の扉を見ようと振り返ると消えており、目の前にはウィンドウが現れた。



 ―――――――――――――――


 第4回公式イベントクリア、おめでとうございます。貴方のイベント中の行動などから結果を算出しますので、しばらくお待ち下さい


 ―――――――――――――――



 どうやら完全にクリアしたみたいだ。やれやれ、今回のイベントは本当に疲れたよ。長いというより厄介という方が正しい。クリスマス過ぎまでだっけ? 今回のイベントの猶予期間は。


 それよりも随分前に終わったけど、明日からはゆっくり素材集めでもしよう。流石に疲れたよ、本当。


 そう思っていたら急に目の前にマネキンが現れた。いったい誰なんだろう?。



 「驚かせたようですまない、私は運営の中の一人だ。君に折り入って頼みがあってね。それは君が第3エリアでサキュバスと戦った際の戦闘データ、これを我々は使いたい。その許可を君に申し入れにきたんだ」


 「サキュバス戦の? 生憎あいにくと僕は記憶にないんですが……」


 「それはそうだ。そもそもあの魔法陣の攻撃は<狂戦士化>といって、プレイヤーを勝手に暴走させる罠のような攻撃なんだよ。プレイヤーは起きているか寝ているかの狭間になり、その間に暴走してダメージを受ける。そして一定のダメージを受けたら目覚めるというものだった」


 「ああ、それで僕に記憶が無いのか……」


 「ところが君は暴れもせずに殺意を撒き散らし、近付いてきたサキュバスに対してカウンターを叩き込む始末だ。我々としてはどうしようもなくなり、統括AIに指示を出す事で無理矢理に君のHPを半分にしたぐらいなのだよ」


 「それは……僕には何とも言えませんね」


 「まあ、それはそうだろうな。我々が言いたいのは、その際のモーションデータ等を使いたいという事なのだ」


 「利用規約には勝手に使われても仕方がない的な事が書いてありませんでしたっけ? 僕としては構いませんけど、<BUSHIDO>の完全リアルモードの<鬼一法眼>を使った方が良いと思いますよ?」


 「……一応言っておくんだが、アレを倒せるのは君と極僅かな剣豪の人達ぐらいだぞ? 君は自分が現代の剣豪達と同じくらい異常だと自覚した方が良い。君の会話も一部は取り上げられているが、まさか天兵巌氏と知り合いだとは思わなかったよ」


 「え? 天兵さんを知ってるんですか?」


 「彼は我々が<BUSHIDO>を作るに当たって最も協力を仰いだ方なんだ。まさかその天兵氏の弟子のような人物だとは思わなかったし、知らなかった。知っていれば君のおかしさにも納得したよ。天兵氏も十分におかしい人だったからね」


 「それはそうでしょうね。本当に殺し合いにしか興味の無い人だったので、むしろゲーム作りに協力していた事の方がビックリです。同時にある意味納得もしますけど。……とりあえず使うのはOKです。何に使うのかは知りませんが」


 「今のところ予定しているのは、カカシ先生バージョン2だね。あれの<鬼面武者>って、実は第2回イベントの時の君なんだよ。だから今回は新しい君となる。<影の剣士>として予定してるけど」


 「<影の剣士>?」


 「そう。真っ黒な見た目の人型が、刀を持って攻めてくるって感じかな? そういうのを考えている。……っと、リザルトが出るみたいだから私は去るよ。それじゃ、カカシ先生に期待していてくれ」



 その言葉と共に運営の人は消えていった。その後、すぐにリザルトが出たので、僕の興味はそちらに移る。



 ―――――――――――――――


 第1エリア魔物全撃破:1000

 第2エリア魔物全撃破:1000

 第3エリア魔物全撃破:2000

 地下エリア魔物全撃破:2000

 全アイテムポイント化:13290

 完全ノーデスクリア :20000

 10日以内クリア  :10000

 最高難易度クリア  :×5


 総計        :246450


 ―――――――――――――――



 うーん……これが多いのか少ないのか分からないな。とはいえこれで、うん?。



 ―――――――――――――――


 取得ポイントに納得がいかない場合、再び最初から挑戦できます。もう1度挑戦したい方は黄色の魔法陣に、このポイントを受け取って終わらせる方は緑の魔法陣にお進み下さい

 尚、ポイント交換はイベント終了後になります。あしからずご了承下さい


 ―――――――――――――――



 成る程。取得ポイントが気に入らない場合はやり直しが可能なのか。まあ、僕は面倒だからもうやらないけどね。そもそもノーミスのうえに最高難易度を突破してるんだしさ。これ以上は難しいでしょ。


 っていうか、やり直せるからクリスマス過ぎまでこのイベントは続くのか。僕は終わりだから、さっさと緑の魔法陣で戻ろう。


 僕は終わらせてポイント取得する緑の魔法陣に乗り、第4回公式イベントを完全に終了させる。本当に疲れたよ。明日からはゆっくりしよう。


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