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0509・第四回公式イベント その44




 「お久しぶりですな。やっと追いつく事が出来ましたよ。私もここまでは来た事がありませんでしてたが、やっとこの先に進めそうです。貴方の御蔭ですよ」


 「そう。それなら一緒に行く?」


 「宜しいんですか? それじゃ、お願いします」



 後ろから来たのは灰色のゴブリンみたいな商人だった。僕は彼と一緒に行く事にし、螺旋階段まで歩いていく。そして一歩目を上ろうとした瞬間横に跳び、抜き打ちで後ろの〝敵〟を切り裂く。



 「な……な、ぜ?」


 「攻撃する時くらい殺気を隠しなよ。それ以前に後ろから来た時に殺意を滲ませては駄目だね、三流もいいところさ。そしてそれに気付かない僕じゃない」


 「………」



 上下に分かたれた灰色ゴブリンは地面に倒れた後、うごめいてグネグネした肉に変わり、塵になって消えていった。先ほどのボスがゾンビじゃなかった事を含めると、最後のボスは〝アレ系〟で決まりかな?。


 灰色のゴブリンらしき者が持っていたバックパックが残っているが、怪しいので<絶刀・万華>で突き刺してみた。すると、それも肉で出来ていたのか、のた打ち回ってから塵になって消える。何処までトラップを用意してるんだか。



 「ここまで執拗に殺しに掛かるって事は、この上が最後のボスで良さ気だね。さて、それじゃ上るとするか。しっかしあの商人が持っていたアイテム類は何処に行ったんだろう?」



 疑問はあるが、ゲームなので突っ込んだら負けなんだろうね。それはともかくとして、さっさと螺旋階段を上がって記録しよう。おそらく白色の魔法陣がある筈だ。


 螺旋階段を上がりきると、またもや床が閉じられる。しかし、壁を見ても天井を見ても隠された場所は無い。一応レバーのあった場所を探るが、そこには何も無かった。やはりここまで来たら、もう戻れないらしい。


 暗いピンク、或いは肉の色のような床や壁の中を歩いていく。通路は真っ直ぐにしかなく、右の扉以外は通路の向こうに豪華な扉しかない。僕は右の扉に耳を付け中の音を探るも、何も聞こえてくる事は無かった。


 いちおう覚悟をしてから扉を開けて中に入るも、短剣が飛んでくる事も魔物が居る事もなく安全なようで安堵する。部屋の中には白い魔法陣と緑の魔法陣、そして床に一枚の紙が落ちていた。僕はそれを拾って読んでみる事に。



 ―――――――――――――――


 LL・RL・RR・LR・B


 ―――――――――――――――



 ………どういう事だろうね、コレ。いくつか考えられる事はあるけど、おそらくLはレフト、Rはライトだと思うんだ。これ系の場合、大体は難しくなっていない筈だから。


 問題は最後のBなんだけど、これはおそらくバック。つまり、後ろに戻れという意味だと思う。そして間に点が入ってるって事は……もしかして次に進むドアが複数あるパターンかな?。


 初代の<く○おくん>とかまさにこれだよね。扉が山ほどある場所で無限ループするっていうステージがあった筈だし、そういうパターンの場所があっても不思議じゃない。となるとLLは一番左って事かな?。


 そう考えた場合、扉は4つになるんだけど最後だけは入ってきた扉から出るんだね。それはいいとして、何故こんな所にこんなヒントのような物があるのか……。


 予想は幾つかあるけど、可能性が高いのは2つ。1つはこの順番で進まないとラスボスに辿り着けない。もう1つはラスボスを倒した後で脱出する際に必要な情報の場合。こっちの場合は<魔塔の○壊>と同じパターンだと思う。


 脱出時に時間制限があり、それを超過すると死亡となってやり直し。そういうパターンだ。前者の場合は……なんだろう? ボスと戦うのに必要な情報という意味では<大魔司教ガ○ウス>みたいな感じかな?。



 「<魔塔○崩壊>パターンだと面倒臭いなー。あれ時間制限があるうえに魔物を倒さないと先に進めないんだよ。おかげで部屋の中の魔物に手間取ると時間制限が来て終了という、<メ○ロイド>より面倒臭い形だし」



 どっちにしたところで戻れないんだから、白色の魔法陣に乗って、と。……よし、記録は終わったし、さっさとラスボスさんを拝みに行こう。まだまだ時間はあるんだし。


 豪華な扉を開けて中に入ると、そこは大きな部屋になっており入り口の扉が自動で閉まっていく。僕の目の前には部屋一杯を覆いつくす肉が見える。壁にもびっしりと肉がくっつき蠢いていた。


 そして前方から光の環が放たれてきたのですぐに回避する。光の環は広がりながら迫ってきたが、中を潜れるほど隙間は無い。何と言うか、喰らってはいけない禍々しい光という感じだった。


 僕は前へと走り、ボスの近くまで寄る。中央には巨大な顔があり、それは鰐の様でもありながら熊の様でもあった。更に右と左には肉の器のような物があり、そこからゾンビがせり上がってくる。



 「このラスボス、今までと違っておかしいでしょ! ここまで脱出ゲームとかRPGっぽい感じだったのに、何で急に<魂○羅>になるのさ!!」



 誰か銃を持って来てくれないかな? それで戦うから。できれば火炎放射器でお願いしたい。……っていうか<魂斗○>はおかしいでしょ、マジで。それじゃエイリアンゲーに変わっちゃうじゃん。



 「※G!JE#OS※L$W?KM!!」



 僕が愚痴を溢していると、中央の鰐熊が変な声を出す。すると黒い霧のような物が床から噴出し、ダメージを受け始めた。僕は慌てて巻物を持ち、【セイントエリア】と【リジェネレイト】を使う。


 【セイントエリア】でダメージが止まるのと共に、【リジェネレイト】で回復していく。僕は左右から出てくるゾンビ達を一撃で倒しつつ、中央の鰐熊に近付く。首が少し伸びて噛みついてくるも、そこまでの脅威じゃない。


 しかし<絶刀・万華>で攻撃しても、弾かれて効かなかった。これはどういう事だろう? そう思いながらも調べるが、目を突いても弾かれてしまう。となると攻撃方法が間違ってる?。


 僕は鰐熊の口から発射される光の環を回避しつつ、左右のゾンビを倒しながら考える。そして、ランドセルを下ろして【ライトバレット】の巻物を取り出した。


 それを中央の顔に当てると明らかに顔を振って嫌がったのだ。つまり、ラスボスは魔法で遠距離攻撃らしい。



 「マジで<魂○羅>みたいに戦うの? 冗談でしょ!? そりゃ最強武器が要らない筈だよ!!」



 それでも【セイントエリア】や【リジェネレイト】が無いと厳しいのだから、地下エリアに行く意味はあったんだろう。とはいえ、ラスボス戦が地味に時間のかかるだけのボスだなんて思ってもみなかった。


 なんだかバカバカしいけど、ここで手を抜いて失敗したらもっとバカバカしい事になる。きっちりと完璧に戦って倒そう。


 僕は中央の顔に【ライトバレット】でダメージを与えつつ、ゾンビを倒してMPを回復する。もちろん【セイントエリア】の効果が切れたらすぐに使い、常にゾンビ弱体と霧ダメージ無効を維持し続ける。


 そうやって戦う事20分ほど、ついにラスボスが倒れた。何というか、本当に面倒臭いだけのボスだったね。今までの強かったボスに謝ってほしいよ、ホント。ラスボスだけ明らかな手抜きじゃないか。


 そんな事を思っていると中央の顔が塵になって消え、その下に鍵が落ちる。これが最後の鍵か……。そして、中央の顔のあった場所の後ろに鍵穴が8つある扉が見える。更に入り口の扉が開かない。


 つまりここからは一気に行けって事ね。



 ―――――――――――――――


 <イベントアイテム> 肉迷宮の鍵


 最後の大扉を開ける為の8つの鍵の内の1つであり、この迷宮を作り出した古の大魔導師の成れの果てが持っていた鍵である。

 自らの力でダンジョンを作る。それに対して並々ならぬ決意と覚悟を持っていた大魔導師が居たが、自身の寿命が尽きるまでに研究は終わらなかった。何を思ったか、その研究者は自らをゾンビとしてでも研究を続けようとし、ダンジョンを創るだけの怪物に成り果ててしまう。

 今まで数多の者を飲み込んできたのは完成したダンジョンを誇る為か、それとも解放の時を願ってのものなのか。それは誰にも分からない。


 ―――――――――――――――



 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


 ※装備


 絶刀・万華

 竜鱗の兜

 金縁眼鏡

 竜鱗の鎧

 魔岩巨人のガントレット

 革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒

 【ライトバレット】の巻物

 【リジェネレイト】の巻物

 【セイントエリア】の巻物

 キメラの脛当て

 忍者の足袋


 ※アクセサリー

 吸精リング

 解明のネックレス


 ※ランドセル型アイテムバッグ


 死竜の盾

 死骨の鎧

 鉄のサレット

 骨の槍2

 鉄のメイス

 鉄の短剣

 迷宮の手鏡

 鋼鉄の剣2

 鋼鉄の槍2

 鋼鉄の盾2

 鋼鉄の鎧2

 銀の武具玉

 光の解呪玉

 パン12

 大きなハム2

 干し肉3

 チーズ4

 コップ

 水甕2

 ポーション甕

 下級ポーション甕2

 毒消しの甕

 火弾の魔法紙8

 水弾の魔法紙2

 氷縛の魔法紙20

 【クリア】の巻物

 【サンダーバインド】の巻物

 油の樽2

 荷物袋(小)

 紙(複数)

 鉛筆

 長い棒

 大きな板

 ランタン

 火付け棒

 木の梯子

 死神の鍵

 骨の鍵

 巨人兵の鍵

 人形の鍵

 吸血鬼の鍵

 地獄蛙の鍵

 人形剣士の鍵

 肉迷宮の鍵


 ※イベント限定金銭

 39440エス


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