0050・第一回公式イベント終了
ピンポンパンポーン♪
「悪魔の星チームが天使の星チームの大将を打ち倒した為、現時点を持ってイベントを終了とさせていただきます。集計結果を計算中ですのでしばらくお待ち下さい」
「カァァァァァァ!!!! ………うん? あー、終わったのかー。それで転移させられた……と。まあ、イベント終了なら仕方ないね。それにしても最後に殺し損ねたな、残念」
「いや、残念じゃないでしょ。さっき放ってた殺気と殺意は何よ? まともな魔人の持つモノじゃないでしょうが。どれだけの殺し合いをしてたのよ、コトブキ」
「殺し合いは……多少は出来たかな? どちらかと言うと、やってたのは一方的な虐殺だよ。復活する時に光って出てくるから、その瞬間に頭をカチ割ってやってたのさ。約束を守らなかったのは向こうだからねえ」
「コトブキ。あんたの場合、それを名目にして虐殺してたんでしょうが。もしかして、その名目を手に入れる為にラスティアを囮にしたんじゃないでしょうね?」
「~~♪」
相変わらず勘が鋭い姉だ。流石にそれが全てじゃないけど、今の内に訂正しておかないと僕が最低な人間だと思われるな。僕自身、そうなったらいいなであって、最終的な決定権は向こうにあったんだしね。
「そうじゃないけど、そうなるパターンも考えてはいたよ。流石に普通にイベントを楽しんでいる人達を一方的に倒す訳にはいかないし、大手を振って始末、じゃなくて殺す、でもない。退場させるには建前が要るじゃない?」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
「想像していた通り、コトブキはやらかした。きっと今回のゲームもこうなると思ってた。だからこそ楽しい。普通じゃ面白くないから悪魔の星にしたんだし、コトブキがいる時点で絶対に普通にはならない」
「まあなあ。そもそもプロゲーマーを一方的に殺戮してるし、相手は何も出来てないもんなー。仁王が弓使いの事を<アポロン>って言ってたけど、あれ<ゼウス>の連中だったんだな。ならクズだって知ってるだろうに」
「プロゲーマー集団<ゼウス>。あいつらギリシャ神話のゼウスの如く、色んなゲームに現れては好き勝手をしてる。実際に囲い込みとか執拗な嫌がらせとかをして、それを配信してるクズ集団。今回の事は<ゼウス>のアンチが喜ぶと思う」
「そこまで嫌われてるなら、喜ぶじゃなくてお祭り状態じゃないかな? SNSとかでも騒がれると思う。あと、イルやユウヤから聞いてたけど、コトブキ君って本当に容赦ないね」
「戦場で敵に容赦をする奴はバカだよ? 死体に紛れて身を隠し、後ろからいきなり襲ってくるヤツとか居るからね。油断なんて一切しないよ。戦場で一番大事な事は、敵を殺すという事だけさ。敵を皆殺しにすれば、安全は確実に担保される」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
「いやいや、流石にその戦場思考を何とかしなさいよ。と、姉としては言いたいんだけど、今回のイベントはモロに戦場だから何とも言えないわ」
ピンポンパンポーン♪
「ポイントの集計が終わりました、各プレイヤーの前のウィンドウに結果が表示されますので御覧下さい。尚、ポイント交換の期限は3日となっており、8月9日の0時をもってポイントは消滅します」
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プレイヤー<コトブキ>
雑兵殺害ポイント:2640
勝利チームポイント:1000
総計:3640ポイント
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「勝利チームポイントは大きいけど、雑兵殺害ポイントは1620かー。それなりに頑張った方かな? そう簡単には相手プレイヤーも倒せねーし」
「私は雑兵ポイント1710だった。上手く矢が当たったのと、短剣で刺し殺してたのが良かった。目標の2000ポイントは超えてるから良し」
「私1740ポイントだったよー、雑兵殺害ポイント。頭を攻撃してたのと、魔法で攻撃してたのが良かったのかな? 【ライトボール】は結構威力があるみたいだった」
「私は雑兵ポイント1830。結構頑張った方だと思うけど、鞭で巻き込んだりしたのと魔法かな? 出遅れた割には稼げてると思う。ランキングは……おお! 一位のヤツは雑兵だけで3000超えてる!」
「凄いね、最初から戦いまくっ……これ、くまごろう氏じゃんか、ウルフマンの。最初に飛ばされてきたから弱いのかと思ったら強いじゃん。しかも2位がマックスボンバイェ氏なんだけど?」
「「「「………」」」」
「まさかの出オチじゃなかったっていうね……何なんだろう、ネーミングセンスがアレな割に強いって………あれ? 今気付いたんだけど、プロゲーマーが10位以内に入ってないような?」
「……ん、コトブキの言う通りプロゲーマーは入ってない。何で?」
「さあ? プロゲーマーも様子見してたか、漁夫の利を得ようとしてたか、それとも何か狙いがあったけど上手くいかなかったんじゃねえの? 普通はプロなんだから、俺達よりも上の筈だよな?」
「うん。あんまりゲームの事詳しくない私でも、普通はアマチュアよりプロの方が上って思うけど……。何故かプロの名前が無いんだよね?」
「……コトブキはあんまり驚いてないみたいだけど、何か知ってるの?」
「いや? ただラスティアも分かってるだろうけど、乱戦って玄人と素人の差が少なくなるんだよ。どんな玄人でも死ぬ可能性が出てくる。だから乱戦っていうのは凄く怖いんだ、本来は。それが3度死んでも大丈夫ってなれば、ねえ?」
「コトブキの言う通りね。死んでもいいってなれば、達人でも気は緩むでしょうよ。そうなれば更に死亡確率は上がる。そのうえ、こんな自称素人が紛れ込んでる訳だしね?」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
さっきから周囲の目が変なんだよ。昔から恐れられたりとか怖がられたりとかは慣れてるけど、たまーに尊敬するような視線をする奴が居たりするんだ。そっちの方が面倒臭いんだけど、このゲームではそれが多い感じがする。
ピンポンパンポーン♪
「全プレイヤーが確認を終了したようですので、皆様を元の場所に戻します。ポイントの交換期限をお忘れなきようお願い致します。クレーム等は一切受け付けませんので、あしからずご了承下さい」
その言葉と共に足下に魔法陣が出現し、僕達は師匠の家に戻ってきた。何故か師匠も戻ってきたが、何か異様なまでに喜んでるなあ……。
「コトブキ、ようやった! 脳筋の<八聖人>どもの顔が傑作であったわ!! 特にイルシエラの顔など真に見物であったぞ。あそこまで激怒しているイルシエラを見たのは久しぶりじゃ。ははははは……!」
「<弓聖イルシエラ>ねえ……あいつがどうかしたの?」
「わははははは、あやつの弟子が卑怯な事をした男よ。何でも優秀だったので自らの技を教えてやったそうだが、破門したらしいわ! かかかかか、あの卑怯者は今ごろ顔を青くしておろうよ。<聖人の呪い>を受けたのじゃからな!」
「ああ、そういう事。まあ、自分が教えた技を卑怯な事に使われれば、あの女ならキレるでしょうね。これで卑怯者は2度と弓は持てないけど、いい気味でしかないわ」
「コトブキは分かっておらんようじゃが、聖人どもも妾達も弟子に呪いを掛ける事が出来る。<八聖人>も<八魔女>も強力な力を持つだけに、その技を悪用されんように魂に呪いを掛けられるのじゃ。妾達とて混乱を生み出したい訳ではないからのう」
「どの口で言ってるのやら」
「ほっとけ、あれは妾に喧嘩を売ってくるのが悪いんじゃ。それはともかく、肉体を幾ら変えたとて魂に打ち込まれた呪いは消えぬ。奴は永劫に弓に関わるスキルは得られぬという事じゃ。無様な者には似合いの末路よ。それはともかくカムランが鬱陶しかったわ」
「<棍聖カムラン>ね。棒や棍の達人だけど、聖人どもの中では割と冷静な奴じゃなかった?」
「コトブキが棒で暴れとったであろう? 己の弟子にしたいとしつこくてのう、コトブキは魔人じゃと言うても話を聞かぬ。おっと、それはよいのじゃコトブキ。妾の知り合いにシャルロットという巨人族がおる。そやつの所と庭を繋ぐでな、少々出入りがあるからの」
「何でそんな事すんのよ?」
「前々から話しておったのじゃが、向こうは山奥で不便なのじゃよ。しかしながらシャルロットは人見知りでな、小さめの町ぐらいが限度なんじゃ。それを克服する為に妾の所と繋いで、物の売り買いをするという事じゃの。今は知り合いとしか売り買いしておらんでな」
「だから、何でそんなことすんのよ? <破滅>が何のメリットも無しにそんな事する訳ないでしょうが」
「当たり前じゃ。向こうは山奥であり温泉があるんじゃよ。碌に誰も来ん、秘境の温泉じゃ。繋ぐ価値はある。それに先ほどコトブキと共に戦っておった巨人族もおるでな」
「やっぱりユウヤの所ですか。まあ、ユウヤも町どころか村も無くて不便だって言ってましたからね、助かるんじゃないでしょうか」
しかしまさか、僕とユウヤの所が繋がるなんて面白い事になりそうだ。山って事は、強力な魔物も居そうだしね。




