0490・第四回公式イベント その30
2000年 11月30日 木曜日 AM8:18
ログインしたものの、昨日夜遅くまでシズに根掘り葉掘り聞かれた所為で疲れた。精神的な疲れだから体は元気だけど、本当に本当に疲れたよ。最も聞かれたのはサキュバス戦で意識を失った事だ。
おそらくアレはHPの高い者に発生し、強制的にダメージを受けるものだったんだと思う。いきなりHPが半分以下まで減っていてビックリしたしね。とりあえず考えてないでログインしよう。時間の無駄使いだ。
ログインした僕はファルに声を掛け、その後は囲炉裏部屋からソファーの部屋へ。何故かセナ達は2対1で戦っていた。不利な状態に追い込まれての修行かな? なかなか良い事だと思う。
それはともかくとして、ソファーの部屋に飛んだらすぐにファルに朝食の用意を頼む。ファルを見送って一段落と思うと、イルが声も掛けずに隣を「ポンポン」と叩く。座れって事だから座るけど、何かあったかな?。
「昨日、色々な事はトモエから聞いた。ただ空白の間に何があったかは記憶に無い?」
「申し訳ないけど無いよ。あの後も思い出そうとしたけど、やっぱり空白の間の記憶はない。そういう攻撃だと思うから、皆も気をつけて」
「そういう意味じゃない」
「は?」
「何でもない」
何か言いたかったのかな? その後は少しだけ微妙な雰囲気になったけど、すぐにナツが色々と話し始めたので変な雰囲気は流れた。何だったのかは知らないけど、流れてくれて良かったよ。
適当な話をしているとファルが呼びに来たので食堂へと移動し、師匠やラスティアにキャスティと挨拶して食事を始める。
「………コトブキ。昨日からそうだが、お主随分と変わったのう? いったい何があった?」
「えっ? いえ、特に何もありませんが……。何か変わってますか?」
「気付いていないのは本人だけって感じね? 気配がまるで抜き身の刃のように鋭くなってるわよ。私達は然程気にしないけど、それ引っ込めないと誰も彼もに喧嘩を売ってる事になるわ」
「そうですよ。何があったかは知りませんが、あまり良い事ではありません。そういった事は戦闘の時だけにした方がいいですし、普段に放つ必要はないでしょう」
「………あの、どういう事?」
困惑しつつも食事をしながら詳しく聞くと、今までとは違って近付けば切るとでも言うべき、そんな気配が僕から発散されているらしい。そう言われても意味が分からないと思っていると、師匠達に呆れられた。
「コトブキはアレじゃな。敵に相対する事は詳しいが、己の事はよく分かっておらんようだ。何故そんな歪な形なのかは知らんが、普通は敵の事を理解すれば己の状態も理解できるものぞ」
「そうよねえ。まさかそこまでの気配を出していながら、本人が理解していないなんて事が本当にあるなんて……」
「そもそもコトブキが纏っているその気配を得る事すら異常なのです。日常的に殺し合いでもしていないと、本来休む場でそのようにはなりません。そしてトモエ達が驚いていないという事は……」
「そう。かつてコトブキはこうなっていた時期がある。それは<BUSHIDO>で殺し合いを続けていた時。段々とこんな感じになっていった。笑顔でいて普通に会話ができるのに、凄く恐ろしい気配がする。そんな時期」
「ある意味では常在戦場と言えますが、むしろ殺気か殺意に近いものですので良い事ではありません。それは隠すか抑えなければいけないものです。とりあえず今日の<神の遊戯>は早めに終えてください。私達が教えましょう」
「ああ、うん。分かったよ。でも……そんなに?」
「「「「「「そんなに!」」」」」」
「そ、そう……」
どうやら強く言われる程度には殺気や殺意が漏れているらしい。自分的にはお漏らししてるつもりなんて無いんだけど……おっかしいなぁ。あれから〝漏れない〟ようにして癖まで付けたのに、何故か漏れてる? しかもサキュバス戦から?。
あの空白の時間に何かあったんだろうけど、何があったか分からない以上はどうにもならないね。根本的に僕の抑え方が間違ってるかもしれないから、ラスティアやキャスティに習っておいた方がいいね。
朝食後はソファーの部屋からマイルームへと戻り、囲炉裏部屋からイベントへ。第3エリアの5階から始まったので、すぐに6階へと移動する。顔だけ出すとレイスが襲ってきたので<秘刀・千華>で斬った。
その一撃であっさりレイスは消滅、簡単に勝利する事が出来た。各種の特効効果が非常に強力だと思いながら通路を進んで行くと、曲がり角を曲がった瞬間、大量の魔物が見えた。
ムカデ、スケルトン、蜘蛛、更にはトカゲ。それらが一斉に向かってくるので迎え撃つ。最初に来たのはムカデだったが、僕の目の前で体を持ち上げたのですぐに斬った。そこまでの長さではないが3分の1のところからは斬れた。
後は放っておけば塵になって消えるだろう。次に向かってきたスケルトンの攻撃をスカし、頭に一撃を入れて勝利。すぐに蜘蛛を迎え撃つ。糸を受けるとちょっとマズイので、左に走りつつかわす。
糸は吐きっぱなしには出来ず、かといって連射も出来ない。なので素早く近付いて目を切り裂く。その傷で暴れ始めたが、その所為でトカゲが思うように僕の方に来れない。都合が良い状況だ。
今の内に少し離れて別の連中を迎え撃つ。通路が長いのか他の魔物も寄って来てるんだ。この階は魔物が大量の階なのかもしれないね。人によれば突破できないかもしれないけど、難易度調整はどうなってるんだろう?。
そんな事を頭の片隅で考えつつも、魔物を屠っていく。特効効果が効く相手ばかりなので楽であり、あっと言う間に片付けていける。太刀なのがアレだけど、強力な武器だと楽だなぁ。
最後に暴れている蜘蛛を仕留め、先へと進む。そこまでの苦労はせずに進んで行き、6階の魔物を全て掃除した。階段も既に見つけており、後は進むだけだ。しかし長い通路ばかりで小部屋が無かったのが気になるね。
とはいえ怪しい所は無かった気がするしなぁ、とにかく7階へ行ってみよう。僕は階段を上がり7階を覗くと、再び通路が見えるだけだった。またもやこのパターンかと思いつつ、7階へと上がって進んで行く。
魔物の姿が見えないまま進んで行くとT字路があり、左に大きな丸い岩が、右の通路の壁にレバーが見える。何となくだけど、あのレバーを下ろすと岩が転がってくる気がするな。まずは調べよう。
ここ第3エリアに罠は無いと言われたので、おそらくアレは罠じゃなくてギミック扱いなんだろう。ただし失敗すれば死ぬ感じの。
僕は右の通路を歩いていく。すると途中に右に曲がる通路があった。そこを見ると、多少奥まであるが行き止まりになっている。どうやらここに隠れろという事らしい。更に先へと行くと壁があり、これ以上は進めない。
あの大きな岩を転がしてこの壁を破壊しろという事だろう。こういう厄介なギミックは用意してほしくなかったなぁ。とはいえ能力値は変わらないんだから、誰だって苦労するのだろう。……そういえば【脚力強化】ってパッシブなのか? それともアクティブ?。
今さらながらに調べてみると、なんとアクティブだった。危ない、危ない。先に調べてなかったら多分だけど失敗してたな。とりあえず真剣に挑もう。折角なら失敗したくない。
よしっ! まずは通路を戻って……と。あそこにレバーがあるんだから、走りながら下げて駆け抜けた方が良いね。そうじゃないと下げてから走り出したら間に合わないと思う。とにかく速い方が良いに決まってるんだから、全力で行こう。
それじゃ……行くぞ!!。
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※装備
秘刀・千華
鉄のサレット
金縁眼鏡
死骨の鎧
巨人兵のガントレット
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒・からくり手裏剣
火弾の魔法紙8・水弾の魔法紙3・氷縛の魔法紙12
【ライトバレット】の巻物
【サンダーバインド】の巻物
【クリア】の巻物
キメラの脛当て
からくりの足袋
※アクセサリー
吸精リング
※ランドセル型アイテムバッグ
死天の槍
死骨の盾
骨の槍2
鉄のメイス
鉄の短剣
鋼鉄の剣
鋼鉄の槍
鋼鉄の盾
鋼鉄の鎧
金の融合玉
光の解呪玉
パン10
大きなハム2
干し肉4
チーズ2
コップ
水甕2
ポーション甕
下級ポーション甕2
毒消しの甕
油の樽2
荷物袋(小)
紙(複数)
長い棒
大きな板
ランタン
火付け棒
死神の鍵
骨の鍵
巨人兵の鍵
人形の鍵
吸血鬼の鍵
※イベント限定金銭
39440エス




