0481・第四回公式イベント その25
まずはボス戦の部屋の中を調べるんだけど、どうやら今回は何も無かったらしい。奥に続く扉というか壁がスライドして上に上がったので、僕は奥に続いているであろうそちらに向かう。
通路から先に進んで行くと行き止まりであり、壁にレバーのような物が付いている。上を向いたレバーを下に下ろし、僕は来た道を戻っていく。今はランタンを点けなくても良くなったので非常に楽だ。
金縁眼鏡が有るのと無いのでは全く違うんだ。今までなら見えなかった小部屋の細かい部分までよく見える。ランタンじゃ照らしている部分しか見えなかったからね。今とは違って本当に不便だった。
僕はコウモリが1匹も居ないコウモリ地帯を抜けて上の階に戻る。そして蜘蛛が居た地帯を抜けて女性が居た方の2階へと戻った。さて、今の内に【クリア】の巻物の準備をしとこう。盾を持っている手で隠し持つ。
もし敵が正体を現したら、即座に巻物で攻撃出来るように準備して……と。よし、出来た。相手からは盾が邪魔で見えない。これなら騙されてくれるだろう。
僕は鉄格子があった場所まで戻ってきた。すると壁にもたれ掛かっていた女性は起き上がり。話し掛けてくる。
「ああ、やっときてくれたのね! 貴方の御蔭でやっと牢から解放されたわ、ありがとう。お礼がしたいんだけど、ちょっと恥ずかしいから後ろを向いててくれる?」
「分かった、後ろを向いておくよ」
さて、これはレトロゲームにもよくあるパターンだ。これで後ろを振り向いたら化け物が正体を現して戦闘となるパターン。……ただなぁ、そのままのパターンとは思えないんだよ。おそらくここの運営なら余裕無く殺しに来ると思う。と、なると……。
「いいわよ、こっちを向いてちょうだい」
その声が聞こえた途端、僕は反射的に〝前に〟跳ぶ。そしてすぐに後ろを見ると、半透明の女がビックリした顔でこちらを見ていた。
「何故、きさ【クリア】まは、ギャァァァァァ!?!?!!!」
「【クリア】! 【クリア】! 【クリア】! 【クリア】! 【クリア】!! 【クリア】!!!」
「ウギャァァァァァァァァァァァァァァl!?!!!?!!!?!」
MPが無くなるまで【クリア】を連発したからだろう。何とか倒せたようだ。やはり普通とは違い、話などせず即座に僕を殺そうとしてきたね。ここの運営ならレトロゲームのようにするとは思えなかったんだ。
つまり振り向く、実は怪物だった、そこから少々の会話、そして戦闘。そういう流れになる筈だけど、ここの運営なら絶対に振り向く前から殺しにくると思ったんだ。だから声をかけてきた瞬間、即座に前に跳んだんだよ。
しかしレイスって事は物理無効って訳だろうし、あそこで【クリア】の巻物を手に入れてなかったら終わりだったな。絶対って事は無いだろうけど、【クリア】でMPギリギリなんだから、それ以外では勝てないようになっていると思う。
さてと、少し気分がマシになってきたから、そろそろ鉄格子の中を調べよう。それにしてもレイスなら何故鉄格子の隙間から逃げなかったんだろう? もしかして牢屋の中の魔法陣に何か関わりがあるのかな?。
どういう効果があるのかは分からないけど、牢屋の床全体に魔法陣が描かれてるんだよね。これがレイスが逃げられなかった原因なら分かるんだよ。何故ならレイスになったのは鉄格子の外だったし。
あのレイスは弱っていたのかもしれない。だからこそ何処かへと行く事はせず、確実に来る僕を喰おうと思ったんだろう。その結果滅ぼされた訳だけど、自業自得でしかないね。
……うん? 何も無いと思ったけど、この高さの壁なのに何か変だな?。
……まさか通路が隠れてたなんて思わなかった。あのレイスは気付かなかったのか? それとも壁には何も出来ない? まあ、とにかく進むか。
僕は1メートル程度の高さにある縦横1メートルほどの穴に体を入れて進んで行く。進み方は匍匐前進のような形だが、向こうの小部屋が見えているので怖さは無い。これで行き止まりだったら嵌まってジ・エンドなんだけど。
ゆっくりと移動して向こう側に出ると、そこは色々と壊れた物が散乱している部屋だった。そしてその中には金の融合玉と銀の武具玉が見える。しかも銀の武具玉は2個もあった。そして奥の壁に突き刺さっている古ぼけた太刀。
抜いてみるとあっさり抜けたが、血脂と刃毀れでボロボロだ。これを修復する必要があるのか、もしくはこのままで良いのか。若干悩むものの、まずはランドセルに入れよう。
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<太刀> 壊れた太刀 品質:1 レア度:1 耐久???
ボロボロになっていて既に使えない太刀。元がどういう太刀だったのかすら分からない。君はこれをどうする?
攻撃力1 破壊力1
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どうするって言われても、このまま持っておくしかないだろうなぁ……迂闊に使う事は出来ないし、使ったところで有効かも分からない。それに、僕には死天の槍があるからね。これがあれば十分に戦える。だからとりあえずは保留だ。
他にも何かないか探ったが、後は全て壊れていたので放置し、僕は牢の方へと戻る。戻ってきたら再び3階への階段を上がり、2階に下りる分かれ道までやってきた。今度は左へと進んで行く。
するとまたもや下り階段を発見。いったいどうなってるんだと思うも、これ以外に進む道は無いので2階へ。今度は蜘蛛が多いがパターンは確立しているので進み、階段があったので3階へ。
3階に顔だけ出すと魔物も何も居らず、4階への階段が見える。どうやら随分とウロウロさせられるらしい。4階に顔だけ出して様子を見る。確認すると魔物が居たのだが……あれはスケルトン?。
何だか普通のスケルトンに見えるんだけど、違うのかな? 僕が4階に踏み出すと、スケルトンはこちらを見つけたのか襲ってきた。とはいえ敵の攻撃が当たる前に、こちらは相手の頭蓋骨に槍を振り下ろす。
一撃であっさりと潰れたが、スケルトンの骨が塵になって消えない? 僕はすぐにバックステップで離れる。すると、スケルトンは寄り集まって1つになり、また僕を襲ってきた。なのでもう1度潰したが、それでも復活してくる。
仕方なく【クリア】を使用したものの、倒す事が出来なかった。どうやら全く効いていないらしい。という事は、おそらくあの方法なのだろう。僕はスケルトンを倒し、バラバラになっている間に【クリア】を使う。
するとスケルトンは塵になって消えていった。この倒し方は想像できたけど、厄介な倒し方をする必要があるね。他にもっと楽な方法は無いだろうか? 【クリア】のMP消費量が重く、これでは休み休み突破するしかなくなる。
通路を進むと再びスケルトンが出てきたので頭蓋骨に振り下ろし、バラバラになって地面に倒れたところで【ライトバレット】を放つ。すると、こちらでも塵になる事が確認できた。おそらく【光魔法】か【浄化魔法】だったら消えるのだろう。
【ライトバレット】の方が消費が少ないので本当に助かる。倒し方は分かったのでこの調子で進みたいのだが、流石に今の内に走って戻らないと昼食に間に合わない。間に合ってもギリギリだろうけど急がないと。
今日は朝からボス戦、第3エリアでボス戦と中ボス戦と色々あったからなぁ。すっかり昼食の事を忘れてた。
僕はスタミナが続く限り走って戻り、1階の魔法陣部屋に着くと、パンを食べつつ水で流し込み飢餓度と渇水度を回復する。回復したのを確認したら、すぐさま緑色の魔法陣に乗った。
やれやれ、間に合ったっぽいね。
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※装備
死天の槍
死骨の盾
鉄のサレット
金縁眼鏡
死骨の鎧
巨人兵のガントレット
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒・からくり手裏剣
火弾の魔法紙8・水弾の魔法紙3・氷縛の魔法紙12
【ライトバレット】の巻物
【サンダーバインド】の巻物
【クリア】の巻物
キメラの脛当て
からくりの足袋
※ランドセル型アイテムバッグ
壊れた太刀
骨の槍
鉄のメイス
鋼鉄の剣
鋼鉄の槍
鋼鉄の盾
金の融合玉
銀の武具玉2
パン10
大きなハム2
干し肉4
チーズ2
コップ
水甕2
ポーション甕
下級ポーション甕
毒消しの甕
油の樽
荷物袋(小)
紙(複数)
長い棒
大きな板
ランタン
火付け棒
死神の鍵
骨の鍵
巨人兵の鍵
人形の鍵
吸血鬼の鍵
※イベント限定金銭
39440エス




