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0476・第四回公式イベント その20




 2000年 11月29日 水曜日 AM8:19



 今日は遂に第2エリアの10階に行く日だ。おそらく今日で第2エリアは突破できると思う。しかし第3エリアがどうかと考えると、ここから更に難易度が上がっていく訳で……。本当にクリア出来るようになってるのかな? という気もする。


 まあ悩んでないでさっさと始めよう。ゲーム開始前のムービーがリピートされ始めた。


 囲炉裏部屋に来た僕はファルに声を掛け、すぐにソファーの部屋へ。すると全員が既に揃っていたので挨拶をする。昨日で皆も第2エリアだし、ここから僕と同じような苦労をするだろう。先に聞いていても厄介なものは厄介だし。



 「おはよう、コトブキ。今日で第2エリア突破だと思うけど、死んだら第2エリアの最初からやり直しになる。勝算は?」


 「相手が何となくの予想だけだからね、予想通りなら高い確率で勝てると思う。でも予想と違ってるとちょっと分からないね。準備はキッチリしておくけど、正直に言って出たトコ勝負しかできない。初見である以上はどうしてもね」


 「それに関しては仕方ないわね。誰だってそうだけど、初見じゃどうにもならないわよ。むしろ初見で一発クリアをしているコトブキがおかしいだけ」


 「確かにそうだね。私達なんて多少聞いてるとはいえ、それでも厳しいし。あれをどうやって初見で倒してるかと思うよ。1階とか」


 「ああ、あの3匹。あれ大変だったわよ、全部。コトブキは1匹だけ苦労したって言ってたけど、「何処が!?」としか思わなかったし。全部厄介なのよ、全部!」


 「それはそう。そもそも<BUSHIDO>を平気でする人と一般人は同じじゃない」


 「それは僕も分かるけど、それでもある程度は攻略したじゃん。トモエもイルもさ」


 「そうだけど、アレは絶対にまともな人間のやるものじゃない。間違いなく歪んだ人間が出来上がるし、普通ならアレを本気で攻略しようなんて思わないわよ。ひたすらに殺し合いをするだけのゲームなんてさ」


 「カンカン」



 今日もファルがおたまで鍋の底を叩いて知らせてくれる。誰が教えたのか知らないけど、別にめくじらを立てる程の事じゃない。さっさと食堂に行って朝食を食べよう。



 「ふむ、今日も<神の遊戯>か。しかし今回はなかなか厄介そうじゃのう。今までとは違い全員がソロなだけに自力が問われるようじゃし、地力も問われておるようだ。ちょうど良いと言えば、ちょうど良いのであろうがの」


 「仲間と組んでても、個人の力は大事だからね。仲間に頼るようになったら終わりよ。幾ら仲間と言っても、1人1人が自分の足で立っていないとね」


 「仲間に頼るのは仕方ない部分がありますが、頼りすぎるとお荷物ですからね。そうなると切り捨てられて終わりです。仲間だからこそ、しっかり自分も実力をつけなければいけません」


 「甘ったれてくる者など邪魔にしかならぬからな、誰であろうと左様な者を仲間にしたくなどあるまい。荷物になるくらいなら捨てていくが無難じゃの、他の仲間の為にも排除せねばな」



 そんな話をしながら食事をし、終わった僕はソファーの部屋から囲炉裏部屋へ。そしてイベントを始める。


 5階から始まった後、すぐに僕は部屋を出て出発する。6階の罠を越えれば後は難しくない場所しか殆どないので進み、素早く10階に到達した。そういえば第2エリアは武器が少ないな。やはり三魔の剣で攻略しなくちゃいけないんだろう。


 10階の豪華な扉の前で少し準備をし、終わったら扉を開けて中に入る。そのまま待っていると、何故か再び大きな鎌を持ったスケルトンが音も無く現れた。魔法陣が現れる事もなく出現したけど、どういう事だろう。やはり本当のボスは死神で、既に倒されているからだろうか?。


 しかしこのスケルトン、死神さんとは違うな。コイツ首に何かのメダルの様な物を着けてるんだよ。そしてそのスケルトンはいきなり距離を詰めて攻撃してきた。僕は素早く鉄の盾で防ぐも相当の威力があって吹き飛ばされる。


 すぐに立ち上がったから良かったものの、まるで瞬間移動のように現れた。間違いなくそういう能力持ちなんだろう。僕は素早く火弾の魔法紙を破り左手に持つ。盾の持ち手を握りながらも、火弾の魔法紙も握りこむ。


 そして盾を構えながらジリジリと近付くも、またもや瞬間移動のようにして振りかぶって来た。僕はそれを前進して防ぐと共に、魔法紙の魔法を放つ。



 「【ファイアバレット】!!」



 その魔法はメダルスケルトンに直撃したけど、そこまでの大きな傷にはなっていないらしい。それでも盾で防ぎつつ反撃する事はできた。次は三魔の剣で反撃できるだろう。そう思いジリジリと前に出つつ、相手の攻撃を誘う。


 再び瞬間移動をしたものの、そこは僕の目の前じゃなかった。一瞬何処に行ったのか探した隙に、背後からバッサリとか鎌の攻撃を受ける。首ではなく胴だったのが救いで死ぬ事はなかったけど、まさか背後に瞬間移動をするのか。



 「流石にそれは卑怯じゃないかな? アレを初見で回避するのは無理だよ。メチャクチャすぎない?」



 僕は視界でHPゲージを確認するが、たったの一撃で瀕死になってしまった。もしかしたらアレは死なないけど一撃で瀕死になる攻撃なのかもしれない。僕は再びジリジリと盾を構えて近付いていく。すると、何故かスケルトンが驚いているように見えた。



 「僕が前に出てくるなんて予想外かい? こういう時に引いたり回復なんて考えるヤツは死ぬんだよ。君もそれを狙ってるんだろう?」


 「カタカタカタカタ♪」



 何故かこのスケルトン、僕を面白がってるな。気が引けたなら多少でも隙はあるのかもしれない。それにしてもわざわざ第2エリアのボスに個性を持たせたのか? 最後のボスでもないしイベントなのに?。


 そう思っていると再びメダルスケルトンが消えた。僕は視界から居なくなった瞬間、沈み込んで後ろに水面蹴りを放つ。メダルスケルトンは予期してなかったんだろう、派手に転んでしまう。それを見逃す僕じゃない。



 「喰らえっ! 【魔弾】!!」



 胸の中に剣を突き入れ、そこで【魔弾】を発動する。胸の所にある火に直撃し、派手に大ダメージを受けたのだろう。メダルスケルトンはすぐに離脱する。再びジリジリと近付くも、メダルスケルトンは首のメダルを右手で取って掲げた。


 嫌な予感がした僕は全力で革袋を取り中のポーションを飲む。メダルが光り輝いた瞬間後ろに跳び、更に革袋が空になる勢いで飲み干した。僕が想像したような範囲攻撃ではなかったけど、メダルスケルトンの見た目が変わってしまっている。


 何故か黄金色の鎧と兜に身を固めており、手には黄金色の剣と盾を持っている。何かHPも全回復したっぽいんだけど、コレ勝てるようになってる? 嫌な予感しかしないんだけどね。


 そう思っていたら、メダルスケルトン改めゴールドスケルトンが剣を振りかぶる。嫌な予感のままに僕は右へと跳んだ。すると剣から光が飛び出し、そのまま遠くまで切り裂いた。幾らなんでも反則に過ぎるでしょうよ!。


 僕はすぐさま立ち上がり、右手の三魔の剣を左手で無理矢理に持って手裏剣を投げる。当然ゴールドスケルトンは盾で防ぐも、僕はその間に接近する。【自動帰還】で戻ってきた手裏剣を再び投げて接近すると、右手に剣を戻して振り下ろす。


 その攻撃は盾で防がれるものの、それは予想していた。だからこそ敵の剣を鉄の盾で防ぐ。その瞬間「バキィッ!」と音がして盾が壊れた。それは予想していなかったが仕方ない。



 「【魔弾】!!」



 顔面に剣を突き入れた僕は、そこで【魔弾】を使用。相手の顔面から内部に高いダメージを叩き出したのだろう、ゴールドスケルトンは嫌がって瞬間移動で離れる。


 またもや仕切り直しのようだが、おそらくこの繰り返しで勝てる筈だ。



 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼


 ※装備

 

 三魔の剣

 鉄のサレット

 革鎧

 巨人兵のガントレット

 革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒・からくり手裏剣

 火弾の魔法紙8・水弾の魔法紙3・氷縛の魔法紙12

 からくりの足袋


 ※ランドセル型アイテムバッグ


 骨の槍

 鉄の槍

 鉄のポールアックス

 鉄のメイス

 巨人の腕

 鉄のサレット

 鉄の盾2

 革のサンダル

 パン6

 大きなハム

 干し肉

 チーズ

 コップ

 水甕2

 ポーション甕

 荷物袋(小)

 紙(複数)

 長い棒

 大きな板

 死神の鍵

 骨の鍵

 巨人兵の鍵

 人形の鍵


 ※イベント限定金銭

 40エス


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