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0475・本日の話し合い




 2人で話をするも、どうやらイルも1階で苦労をしていたようだ。具体的には話せなかったが、おそらく狼の夫婦で死んだのだろう。3回トライして駄目だったので、一旦帰って来て休憩していたらしい。



 「まあ、腹を立てながらやったからって上手くいく筈も無いしね。リフレッシュしてからやる方が良いと思うよ。僕の方は9階が終わったから、次はようやくだね。ただし一発勝負な事には変わりないから、気合い入れて頑張らないといけないけど」


 「それは仕方ない。誰しも初めてだと何も分からないから、手探りで何とかするしかない。それでもおそらく何とかなると思う。死んだらエリアの最初からである以上は、そこまで難しいボスは用意していない筈」


 「それは分かるけど、ギミックタイプのボスだと気付かないと勝てないからさ。難しいんだよね。特に戦闘中だと戦う事に集中するから、ギミックに気付かない事も多いし」



 色々とイルと話していると皆も戻ってきたので、更に話は広がる。やはり第2エリアは罠がキツいらしく、そこで皆は苦戦しているようだ。それでも落とし穴などは開けておかないと、忘れる可能性がある。


 なので死んでやり直しとなったら、また罠を探さないといけない。僕は一度も死んでないけど、トモエ達は数回死んだらしい。それとアマロさんは何とか第1エリアを突破したようだ。おめでとうと言っておく。


 ちょうどそのタイミングでファルが来たので食堂に行き、食事をしてマイルームへ。そして囲炉裏部屋からログアウト、現実へと戻る。


 戻って雑事を開始すると、いつも通りにシズが来て話を聞いてくる。



 「で、今日はどうだったの?」


 「今日は9階まで終わったって言ったよね。まあ、細かな内容を聞きたいんだろうけどさ。まずは3階だけど、ここは短い通路で終わり。で、4階はモンスターハウス。数は多いけど下の階に下りて迎撃すればどうにかなる」


 「下の階に下りてねぇ……」


 「で倒し終わったら上に上がって弓持ちのドールを処理。落とし穴の1つが下の階に通じているから下りて、その部屋にある扉を調べる。片方は行き止まりの部屋にアイテムあるからそっちに行きたいね。手に入るのはウォーターメイスと魔法紙が10枚ずつ」


 「そっちに行くにはどうしたら良いのよ?」


 「たしか行き止まりの方はパペットが短槍を持ってたと思う。どっちも通路に出るから説明し辛いんだよねー、だからこそ聞いてるんだろうけど」


 「そうね。で、その後は?」


 「引き返してもう1つの通路へ。そこを進んで行くとボス戦。出てくるのは岩のゴーレムだよ。こいつは散々叩いたりとか色々したけど、正解は水弾の魔法紙を使って顔に撃つ、だったよ。何度も当てれば顔が壊れてコアが出てくる。暴れるけど、このコアに火弾の魔法紙で打ち込めば3発で勝利」


 「という事はコアを露出させるまでが厄介?」


 「その通り。情報聞いてたら楽だろうけど、初見だったから苦労したよ。ウォーターメイスで足を破壊したら復活するし、水弾の魔法紙で腕を壊したら追いかけてくるわでさ。あ、そうそう、顔に何回か当てると腕で防ぐようになるから」


 「まあ、それはそうだろうけど、腕は壊れたら追いかけてくるのよね?」


 「うん。足は壊れても直るから叩いても意味なし。コアを倒せば終わるボスだよ。そして倒せば巨人兵の鍵とガントレット、それと氷縛の魔法紙が貰える。ガントレットは重いけど壊れない便利な物だよ」


 「へえ……そんなボスが4階にね。落とし穴から行かないと駄目とか、厄介なボスね。何人かは気付かずに素通りしそうな気がするけど」


 「多分居るんじゃないかな。そのボス部屋には隅の壁に左にスライドする場所があるから気をつけて。そこを開けたら巨人兵の腕っていう棍棒が手に入るよ。かなりの攻撃力と破壊力だけどメチャクチャ重いから、まともには使えないけどね」


 「そういうタイプか。たまにあるけど、大体は投げたり落としたりが定番ね。どこかで使うんでしょうけど、どこかしら……?」


 「さあね。5階はボス戦、からくり人形でくノ一だったよ。足が速いうえに適度に離れて手裏剣ばっかり投げてくる。近付いても離れるから凄く厄介なボスだね。で、氷縛の魔法紙で拘束して足を潰したんだけど、そしたら足が車輪に変わった」


 「なんで?」


 「知らないよ、そういうボスなんでしょ。で車輪に変わると、今度は短刀とくないで接近戦をしてくる。で、近接戦闘中に魔法をブチ当てたら結構なダメージが入ってさ、喜んでたら足がプロペラに変わったんだよ。今度は飛びながら手裏剣を投げて来るんだ」


 「何段変身するのよ、そいつ……」


 「プロペラは長く飛べないのか、着地すると地面から伸びたケーブルが足に刺さって燃料を補給してた。その隙に水弾の魔法紙で攻撃し、すぐに氷縛の魔法紙で拘束して叩き続けたんだ。そしたら拘束が解けるギリギリで勝利。ボス戦は終わったよ」


 「幾らなんでも厄介すぎない? そのボス」


 「まあ、敏捷系のボスだから仕方ないんじゃない? 手に入るのは人形の鍵と氷縛の魔法紙と足袋だね」


 「たび?」


 「足に履く足袋。からくりの足袋って出てて、壊れずに足音を減らす【減音】というのが付いてる。それとそこの壁の隅にもスライドする場所があって、中には<からくり手裏剣>が入ってる」


 「からくり手裏剣……て、ボスが使ってくるってヤツ?」


 「そう。魔力を篭めて投げると手裏剣入れに勝手に戻ってくるっていうもの。しかも鉄の剣と同じ攻撃力15で破壊力は4。だから持って行った方が良い。ちなみに篭める魔力はちょっとで済むよ」


 「便利だけど、使えるかは人によるわね。投げるのが下手な人は使えないでしょ」


 「まあね。その後は6階だけど、6階は罠だけで魔物は居ない。7階は音に敏感なネズミが多く居る。共食いすると大きくなって強化されるから注意。8階はループしてる場所さえ分かれば簡単だけど、そこを超えるとワーウルフみたいなのが出てくる。9階はグルグルと渦巻き型の場所。出てくるのは赤いスケルトンのみ」


 「赤いスケルトンだけ、ねえ……。何となく10階のボスが分かるわ」


 「やっぱり? 僕も予想は付いてるけど、果たして居るのかな? 一番最初に倒しちゃってるから、居ない可能性が高いんだよねー」


 「そうね。でもお代わりのボスは用意されてるでしょ。どうもボスは無限の何かを落とすみたいだし、って言いたいところなんだけど、その替わりがランドセルだと言われたら反論のしようが無いのよ」


 「確かにランドセルがあるから十分だろうと言われたら、返す言葉は全く無いね。とはいえ代わりのボスならそこまで強くないんじゃないかと思う」


 「分からないわよ。もしかしたら最初の死神を倒すとハードモードなのかもしれないでしょ? 思っている以上にあのイベント難しいから、最近死神を倒すかどうかで分岐してるんじゃないかと思ってるんだけど、どう思う?」


 「どう思うって言われても、僕はこのまま突っ走るだけだよ。あそこまでやって今さら最初からも……やる気にはならないしさ」


 「まあ、そこまで突っ走れば最後まで行ききるだけか。検証班の誰かがやってるでしょうし、リアルの何処かに書きこんでないかしら?」


 「目立つところには無いだろうね。っと、おかえりー!」


 「おかえりー! でしょうね、それだと運営に目を付けられるし」



 僕とシズは両親が帰ってきたのでゲームの話を止め、用意や雑事などをしていくのだった。


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