0468・第四回公式イベント その14
2000年 11月28日 火曜日 AM8:21
今日もイベントを進ませる日なんだけど、昨日1日でまさかの2階までだよ。ここまで先に進めないと思わなかったなー。流石は1ヶ月もの期間になってるイベントだ。そうそう簡単には攻略させてくれないね。
ログインした僕は囲炉裏部屋に行き、ファルに声を掛けた後でソファーの部屋へ。既に皆ログインしてたけど、まずはファルに朝食をお願いする。
「おはよう、コトブキ。とりあえずここに座って話を聞かせて」
イルが自分の横を「ポンポン」と叩くので、僕はとりあえずイルの横に座る。話せと言われても、いったい何が聞きたいのやら。
「おはよう、コトブキ君。実はさ、螺旋階段の奥の部屋。コトブキ君は出現してたよね?」
「は? どういう事? ……僕は確かにあそこに入ったけど、それがどうかした?」
「イベント専用掲示板にさ、その部屋が出現していないヤツがいるのよ。つまり、何かしていない事があるんじゃないかと言われててね。コトブキの映像の通りに進んだらしいんだけど、なぜか螺旋階段の奥に扉が無かったらしいの」
「あの動画も編集されています。その切られた部分に答えがあるんじゃないかという話になっていますね。無理に聞くと悪行度が跳ね上がりそうですけど、扉があったかどうかはセーフでしょう。それに会話ならば、そこまで厳しい訳ではないようですし」
「そうなの?」
「会話は不特定多数に漏れたりしないから、掲示板よりも緩い。だからこそ話してる。もちろん具体的に話すのはアウトだけど、多少であればセーフ。掲示板でも騒がれてるけど、運営はまたトラップを仕込んでたっていう意見が大勢」
「まあ、言いたい事は分からなくもないけどね。それはともかくとして、扉が出る人と出ない人の違いはなんだろう? そこが分かってないんだろうけど、受けたダメージとかかな? 或いは武器が壊れた回数とか」
「掲示板で一番有力だと言われているのは、全ての魔物を倒したかどうかじゃないかって。コトブキは全ての魔物を倒したんでしょ? 扉が無いって言ってるヤツは、逃げて行ったらしいのよね」
「あー、そっちかぁ。可能性としては十分ありそうだね。しかし皆も早いねぇ。僕なんて昨日一日で2階が終わったところだよ。これから3階」
「まだ、そんな所までしか行けてない? ……何だか嫌な予感がする」
「確かにね。コトブキでその程度って事は、相当難易度が高いって事じゃない。流石に第2エリアの難易度じゃない気がするんだけど……?」
「そこまで難しい訳じゃないよ。それでも簡単に進めなかったのは行ってみれば分かる。大変だろうけどね」
「カンカン!」
ファルが呼びに来たが、今日は何故かおたまでフライパンの底を叩いている。漫画かアニメでしか見た事がないけど、リアルにやるとそこまで五月蝿くもないね。とにかく朝食を食べに行こう。
食堂で師匠とラスティアとキャスティの質問攻めに遭いつつ、上手く悪行度が上がらない範囲で話した。確認したが上がってないのでOKらしい。よかった、よかった。
ソファーの部屋からマイルームへと飛び、囲炉裏部屋からイベントマップへ。今日も気合い入れて頑張ろう!。
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1階から始まり、僕はすぐに移動を開始する。昨日魔物を全て倒しているので楽に進み、あっと言う間に3階への階段前へ。たったこれだけの距離を調べるのに、昨日1日を使ったんだよねー。
なんだかガックリ来そうだが、とりあえず3階を調べよう。そう思って顔だけ出すと、真っ直ぐの通路とドールが見える。剣と盾のドールなので上がり、気付いたドールがこちらに来るのを待つ。
ドールは当たり前のように一定範囲に入ると剣を振ってくるので流し、態勢を崩させて頭に一撃。それで倒せるので順番に倒していく。それほど時間も掛からずに終了。通路を進む。
棒を取り出して調べながら進み、通路を右に曲がる。そのまま真っ直ぐ進んで行くとドールや狼が居たので倒し、更に通路を右に曲がって奥へと行く。すると上への階段が見えた。
「たったこれだけ? ……明らかにおかしいね。となると上から降ってくるパターンかな? 上の階の落とし穴は中までチェックするか」
口に出して確認しながら階段を上がり、顔だけ出して確認する。この階はモンスターハウスであり、通路や小部屋が無い。そして見つかった僕は一気に階段を下りて下の階へと逃げた。
流石に狼とドールの混合はマズい。そう思って階段の下へと下り、そこで迎え撃つ。狼は素早く下りて来たので、頭を攻撃して後ろに引く。するともう1頭が上から襲ってきた。連続で攻撃してたら、噛みつかれてたな。
そう思いつつ盾で防いで頭に一撃を落とす。初めに頭を攻撃された方は復帰し、襲い掛かってきたので口の中に刺し込む。その一撃でHPが無くなったのか死亡。塵になって消えた。
もう1頭も復帰したが、その後ろから狼が襲ってきた。今度は眉間を狙って突き、その一撃で撃破。左から襲ってきていた狼にシールドバッシュをして後退。右からの狼を迎え撃つ。
今度は口の中を突き刺し、上顎でなく喉の奥へと突き刺す。なんとその一撃で倒せたので、上顎に突き刺して深く入りすぎるのを止める必要は無いようだ。
迂闊に深く刺して抜けなくなると困るから、今までは意図的に上顎を突き刺してたんだけどね。これからは一撃で倒せる喉奥を突き刺そう。眉間以外にも弱点があったのか、それとも攻撃力で倒せているだけなのか。その辺りがちょっと分からない。
とはいえ一撃で倒せるなら何でも良いんだけどね、特に今のように素早く倒せなきゃいけない時にはさ。それにしてもドールが微妙に邪魔してくれているのか、狼が雪崩れ込んでこないのは本当に助かる。
先に狼を倒しながら、ドールが近付いてくると後退する。狼が邪魔でなかなか前に進めないドールと、そのドールが邪魔で前に進み辛い狼。お互いがお互いの足を引っ張っているので、その分だけこちらが有利だ。
狼だけを倒し続けて来なくなったら、今度は自分から前に出てドールを倒していく。それにしても2階への階段手前まで下がらされるとは思わなかったし、3階が通路だけで良かったよ。ここが広かったら迎撃できないところだった。
ドールを倒しながら進み、4階への階段前まで来た。後は4階に上がって、残っているであろう弓持ちドールを倒すだけだ。そう思いながら上がると、やはり矢が飛んでくる。僕は剣と盾で防ぎつつ、その合間に棒で地面を調べる。
残念ながら落とし穴がある以上、簡単に動き回るという事はしない。落ちてモンスターハウスだったら間違いなく殺されるだろう。流石にそんな真似は出来ない。
僕は地道に防ぎつつ、棒で地面を調べながら弓持ちドールに近付いていく。いきなりドールとの間に落とし穴が開き、仕方なく迂回する形になったりと大変だったが、なんとか全ての弓持ちドールが倒せたね。
「1体だけ弓持ちドールが落ちたけど、あれは反則でしょうよ。弓持ちドールの居る場所が落とし穴の上だなんてさ。調べないで戦おうとしたら落ちて死ぬじゃん。何故かあの落とし穴だけ、紫色の液体のプールに落とされるし……」
そんな愚痴も出るものの、棒で床を調べつつ落ちているアイテムを拾っていく。新たに魔法紙を5枚と、鉄の盾が手に入った。そろそろ盾が壊れそうな気がするけど、最後まで使いたいなぁ……。
このままの装備で4階を調べ尽くそう。どこに落とし穴があるか分からないし。
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※装備
三魔の剣
鉄の盾
鉄のサレット
革鎧
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒
火弾の魔法紙12・水弾の魔法紙12
革のサンダル
※ランドセル型アイテムバッグ
骨の槍
鉄の槍
鉄のポールアックス
鉄のメイス
鉄のサレット
鉄の盾2
パン6
大きなハム
干し肉
チーズ
コップ
水甕2
ポーション甕
荷物袋(小)
紙(複数)
長い棒
大きな板
死神の鍵
骨の鍵
※イベント限定金銭
40エス




