0462・第四回公式イベント その9
落とし穴を避けて先へと進む。どうやら一度開いた落とし穴は開いたままとなり閉まらないらしい。ありがたい設定だ。これで閉まるなら、忘れた頃に引っ掛かる可能性があるからね。それに、また調べるのは面倒臭い。
通路の先を進んでいると、突然頭上から何かが飛んできて「カン!」と音がした。ほんの少し衝撃があっただけだが、地面に落ちているのはボルトだ。そして上を見るとクロスボウが設置されている。サレットが必要だった理由がアレか。
「まったくもって厄介な事をしてくれるよ。これからボルトが飛んでくるだろうけど、いったい何処を目掛けて飛んでくるのやら。場合によっては胴体を狙ってくる可能性もあるし、盾を構えて移動しなきゃいけないかな?」
思わず顔を顰めてしまう。10フィート棒で調べながら盾も構えるって……本当にもう。盾は諦めて罠を探すのを優先するか。頭上のも分かっていれば見えた筈なんだし、とにかく慎重に進もう。
改めて気合を入れなおし、集中して進んで行く。棒で先の地面を確認しつつ進んでいると、再び狼が現れた。向こうから突っ込んで来てくれたので迎え撃つ。
この狼も同じで、左右に跳ぶように接近してくる。どちらから攻撃するかを悟らせないように動いているんだろうが、こちらからすればどっちでもいいのだ。
そんな僕の左から迫ってきて口を開ける狼。そんな狼にシールドバッシュをブチかます僕。口を大きく開けた狼に一撃を加えた僕は、着地した狼の左前足に白の意思を振り下ろす。当然その攻撃は直撃し、慌てて狼は後ろに跳んだ。
「グルルルルル………」
「威圧しようという魂胆なんだろうけど、残念ながら全く怖くないんだよ。何故なら同じ事を繰り返すだけだからね」
再び左右に跳びながら接近してくる。今度は剣を持つ右側からだが、そうなると僕は口の中を突き刺すだけだ。まさかそんな攻撃をされるとは思っていなかったんだろう。大ダメージを受けた狼は着地後に暴れる。
しかし剣を放さない僕は、更に突き込むように体重を掛けて前に出る。口の中に深く突き刺さっていく白の意思。それに大して苦しみもがく狼。ズブズブと深くなっていく最中、僕は狼を地面に縫いとめて蹴りを放つ。
剣で体重を掛けられているので抗えず、狼は好き勝手に蹴られ続け、そして死亡した。攻撃力が低いから仕方ないんだけど、蹴りまで必要になるとはね。もう少しダメージを与える方法を探ろう。
再び進もうとすると、今度は前から2頭現れた。これは厄介だなと思いつつ、盾を構えてジリジリと近寄っていく。向こうも「グルルルル……」と言いながら、低い姿勢で唸る。
直後、2頭は一気にこちらに走ってきた。左右に跳ぶ事もせず真っ直ぐに来るのは、2頭が同時に攻撃してくるからだろう。そしてその予想は当たっていた。
だからこそ僕は盾で防ぎつつ、右の狼の口の中に突き刺した。左の狼が防がれた事に腹を立てたのか、それとも仲間を助けようと思ったのか、盾に噛みついてくる。僕は盾を取られないように踏ん張りつつ、口の中に剣を刺した狼を左に放る。
流石に狼を投げ飛ばす事なんて出来ないが、剣が抜けて右の狼は自由になった。その事で左の狼も距離をとり、僕の方へと唸り声を上げる。しかし口の中を刺された方は口から血が出ており、唸る事さえ出来ない。
再び左右から攻めて来るものの、一度剣を刺されたからか右の狼は積極的に出てこない。右に剣を向けて牽制しつつ、左の狼の顔にシールドバッシュを叩き込む。鉄の盾は痛かったのだろう、「ギャン」と鳴いて着地する。
その瞬間に左前足に白の意思を叩き込み、一旦距離を置く。左前足は切れなかったものの、あからさまに痛そうな表情をしており、明らかにトップスピードが出せない事が分かる。
狼はチームプレーと速さで翻弄してくるから厄介なのであって、左前足と口の中に傷を負った手負いの狼は怖くない。
手負いの虎は怖ろしいなどと言うが、あれは傷ついた事で暴走するのが怖ろしいのであって、怪我というものを負って戦闘力が低下しているのは事実である。なので勝ちに逸らず、慎重に対処すれば勝てるのだ。
2頭の狼は攻めて来る事も無くなり、消極的な戦いに変わった。どうにも僕に隙を晒してほしいらしいので、剣と盾を構えず下ろす。すると好機と見たのか一気に走り出してくる2頭。所詮はその程度のようだ。
タイミングを合わせて再び襲ってきたものの、左を盾で防ぎ、右の口の中に再び突き込む。しかも今回は遅かったので、ハッキリとカウンターになった。前回よりも深く突き刺さる感触がすると、右の狼は塵になって消えた。
すると左の狼は慌て、僕から離れようとするけど遅い。僕は素早く前進し、狼の頭に振り下ろす。頭蓋骨があろうが関係なく頭に攻撃。たとえ狼といえど頭に直撃を受ければ目は瞑る。
その間に腕を引き、狼が目を開けた瞬間に突き込む。それは当然のように鼻に刺さり、「ギャイン!?」という悲鳴を響かせる。突然パニックになるような攻撃を受けた狼は混乱。その隙に再び頭に白の意思を振り下ろす。
その後は何度も頭に叩きつけて勝利。厄介ではあるものの、白の意思で十分に戦っていける事が判明した。
「思っているよりも良い結果だと言えるけど、しかし攻撃力不足は明らかだ。口の中以外に有効な弱点は無いものかな。この武器だと弱点を狙わないと厳しい。それでも耐久無限である以上は使うんだけど」
通路を進んで行くと扉を発見。耳をつけて音を確認するも、中から音はしない。なので慎重に扉を開けると、中から矢が飛んできた。慌てて扉の影に隠れると、「ドスッ」と音がしたので入り、中に居たスケルトンの頭に剣を振り下ろす。
一度では倒せなかったので2度目を振り下ろすと、それだけでスケルトン弓兵は塵に変わった。部屋の中を見回すと、スケルトン弓兵が1体しか居なかった事もあって碌な物がない。テーブルと椅子と紙が散乱しており、ワインの染みが広がっているくらいか。
砕けたガラスの瓶と、ワイングラス。そして一部ワインで変色した紙が見える。一応1枚1枚確認してみるも、ワインが染み込んでいる所為か文字がグチャグチャになってしまっていて読めない。
ワインの掛かっていない紙は白紙だ。一応この白紙の紙は持っていこう。何かに使えるかもしれない。しかし部屋の中に書く物が無いな? 何でだろう?。
もう一度見回すも持っていくような物は無いので部屋を出る。再び通路を進んで行くと十字路を発見。その真ん中に狼が居たので構えて待つ。こちらに突っ込んで来る狼にカウンターで口の中へと突き込むと、そのまま地面に縫いつけてストンピングで倒した。
とりあえず倒せれば何でもいいなと思いつつ、十字路をどちらに進むか迷う。一応地面も確認しておくかと思い十字路の中心を叩くと、いきなり床が回転し始めた。
グルグルと床が回転しているのを見ていると、十字路の左右から狼の吠える声が聞こえた。これはマズいと思い、慌てて後ろに下がった僕は構える。すると回転が終わった後の十字路の中央を越えて、2頭の狼がこちらに来た。
回転床を踏んでいたら、間違いなくあの2頭から挟まれていただろう。そうなると好き放題に噛みつかれていたに違いない。
「それにしても、危なかった、な! まさか十字路の中央が回転床とか!! いったい何処の3Dダンジョンゲーなんですか、ね!!」
「ギャン!?」
口の中を突き刺した方は置いといて、盾で防いだ方を先に殺そう。そう思い、顔に振り下ろすと一撃で倒してしまった。
いきなりで驚いたが、先ほど振り下ろしたのは……。そうか、この狼はそこが弱点か!。
僕は口の中を突き刺した方に接近し、狼の眉間を突き刺した。その一撃で狼は塵になって消える。やはり狼の弱点は眉間らしい。
弱点が分かったし、これで楽に進めそうだ。狙うのは大変だけどね。
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※装備
白の意思
鉄の盾
鉄のサレット
革鎧
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒
革のサンダル
※ランドセル型アイテムバッグ
骨の槍
鉄のメイス
パン6
大きなハム
干し肉
チーズ
コップ
水甕2
ポーション甕
荷物袋(小)
紙(複数)
長い棒
死神の鍵
骨の鍵
※イベント限定金銭
40エス




