0459・第四回公式イベント その7
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<イベントアイテム> 骨の鍵
最後の大扉を開ける為の8つの鍵の内の1つであり、これは古代の剣士の英霊を慰めた証である。
そこに永く在り、自身の敵となれる者を待っていた。スケルトンになっても勝利という意思を失わなかった彼に、ようやく鎮魂の時が訪れたようだ
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<剣> 白の意思 品質:10 レア度:10 耐久∞
白の剣士の折れない心が具現化した剣。黒の闘士と白の剣士と言われた2人は最後まで決着がつかなかった。その黒の闘士の遺品を使って決着をつけてくれた者に託す、彼なりのお礼である
攻撃力5 破壊力1
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やった! ……けど、剣かぁ。これが槍とかなら嬉しいんだけど、剣でありショートソードの長さじゃねえ。壊れないとはいえ役に立つかは難しいところだ。それでも壊れないという一点だけで優秀だけど。
とりあえず他の武器は仕舞って、メイン武器は<白の意思>にしよう。この感じだと黒の大腿骨を使わなくても倒せそうだね。でも、使わないと<白の意思>は手に入らないんだろうなぁ。
となると、あそこの黒いスケルトンは生み出さなきゃいけないわけで……。あの黒いスケルトンに勝てない人は、出現させずに攻略するんだろう。そしてその結果、先に進むのが更に大変になると。
これは攻略情報を掲示板に書きこめないよ。これを書き込まれたら、せっかくの謎があっさりバラされる。それじゃ意味なんて無くなるし、ネタバレで興醒めもいいところだ。
さて、ウダウダせずにそろそろ出発しよう。……調べてみると、ボス部屋から手前への扉が開かない。つまりボスを倒したら最後、戻る事は出来ないって訳だ。もし取り残したアイテムがあったら……。
マズいな、これから先はしっかりと調べていこう。もしかしたら隠し部屋とかもあるかもしれない。そこのアイテムが無きゃ後で進めなくなるっていう、地獄の可能性すらある。ここの運営だしね。
仕方なく開いている方から出ると、後ろで閉まる。出口は扉ではなく壁が上にスライドして上がった所だったんだけど、それも今は下りて戻れなくなった。しっかり調べて行こうと思った矢先にこれだ。
メト○イドみたいに、ボス部屋にアイテムがあったらどうする気だって話だよ。しまったな、ボス部屋もしっかり調べておくんだった。ここの運営なら当然の如くやってくるだろうからね。
溜息1つ吐いて真っ直ぐの通路を進むと左に扉があり、真っ直ぐ前には階段がある。しかし、唯の階段じゃなくて螺旋階段だ。いったい何処に繋がってるのか分からないが、次は上に進むらしい。
とりあえず扉に耳を付けて音を確認し、異常は無さそうなので慎重に開ける。中を覗くと床に緑色の魔法陣があり、テーブルの上にはコップとパンと干し肉があった。テーブルの横には甕も置いてある。
魔物が居ない事を確認したら中に入り、テーブルの上のパンと干し肉を食べてから、減っている水甕を出して水を飲む。新しい水甕は満タンだったのでランドセルに仕舞い、残りのアイテムも収納したら緑色の魔法陣へ。
魔法陣に乗った僕は瞬時に囲炉裏部屋へと戻された。既に夕方近くだから、すぐにソファーの部屋へと行こう。
師匠の家に移動したら、ファルを呼び出して夕食の手伝いに行かせる。ソファーの部屋には誰も居なかったので掲示板でも見ようかと思ったら、何故か師匠が来た。
「ちょっとよいか、コトブキ。お主の召喚モンスターを幾つかこちらに呼び出してくれ。【浄化魔法】を持っておる者だけな」
「【浄化魔法】ですか? ……ああ、<屍人の森>の浄化ですね。分かりました、今の内にこちらに移しておきます」
「すまぬが、頼む。妾の召喚モンスターには、やらせておる事が多いでな。こちらにまでは、今は手が回らんのだ」
僕は師匠の前を辞し、マイルームに戻って【浄化魔法】持ちに召喚する事を伝える。具体的にはフォグ、フィーゴ、セス、エストの4名だ。ソファーの部屋で召喚すると、師匠は4体に<屍人の森>の浄化を頼んでいた。
そういえば最初の頃なんて1つしか命じても理解出来なかったのに、今や複雑な事を話してもちゃんと理解してくれるんだよね。ありがたい事だ。
4体は師匠の家を出て浄化しに行ったけど、それと入れ替わりでファルが夕食が出来たと伝えにきた。ちょうどその時、イル、ナツ、トモエ、アマロさんの4人がソファーの部屋に現れる。4人で何らかの話し合いでもしてたのかな?。
「殺されたから諦めたのよ! 何あの黒いス……んー! 危なかったー!! もうちょっとで口に出すトコだった!」
「危なかったですね。私も何度も死んでしまい、最初のアレに勝とうとしなくてもいいかと思い始めました。トモエは勝てただけ凄いですよ」
「私も勝った。けど、それまでに何十回死んだか分からない。それでも回数を熟せば慣れると思う。ナツは?」
「私は6回目だったかな? その時に成功したよ。コトブキ君と同じ方法で勝ったけど、あれが楽だったから、あれで良いんじゃないかな?」
「とりあえず夕食が出来てるから行くよ。そっちで話そう」
皆で食堂に移動し、イベントの話をしつつ食事をする。僕達の少し後にラスティアとキャスティも来たので、2人も参加しての話し合いだ。
「途中、魔物が雪崩のように落ちてきて、それで潰された魔物の中の1体が強くなるのよ。その所為で殺されちゃってさ。あんなトラップがあるとは思わないじゃん」
「そうそう。私もあそこで一度死んだ」
「私なんて魔物の雪崩に潰されて死んだよ。それよりはマシじゃないかな?」
「私なんて、そんな所まで行けてませんよ。未だに最初のが倒せません」
「なんか色々大変そうねえ……。私達は暇なままだったけど」
「そうですか? 私は久しぶりに色々と出来て楽しかったです。農業なんて本来は、やる事が山ほどありますからねえ」
そんな話をしながらの食事も終わり、ソファーの部屋からマイルームへと移動。これ以上はログインしても仕方がないので、本日はここまでとしてログアウトする。
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リアルに戻ってきたら様々な雑事を終わらせていくんだけど、シズが僕を追い駆けながら聞いてくる。
「で、どこまで行ったのよ。タマ?」
「とりあえず1つ目? いや2つ目の鍵を手に入れたよ。10階のボスである白いスケルトン。正しくは<白の剣士>を倒して奥の部屋にある魔法陣で帰ってきた」
「<白の剣士>ねえ、それが最初の鍵のボスかー。死神は横に置いておくとして、そのボスは強いの?」
「それなりに強いけど、それより大事な事がある」
「なに?」
「黒いスケルトンを倒すと<黒の大腿骨>というアイテムが手に入る。これは棍棒なんだけど、これを使って白の剣士に勝つと、ボス戦後に<白の意思>という剣が手に入るんだ。だから黒いスケルトンは倒すしかない」
「うえぇー、それって絶対?」
「多分だけど、<黒の大腿骨>が無いと<白の意思>は手に入らない。そういう感じの説明文だったから」
「んー……。その<白の意思>を取らなくても鍵は手に入るんでしょ?」
「手に入るとは思う。でも<白の意思>を手に入れないと後が厳しいんじゃないかな?」
「なんで? 剣なんでしょう?」
「剣だし攻撃力は5なんだけど、代わりに耐久力が無限」
「………マジか」
SNSに書き込む事もせず、シズが呆然としてるよ。気持ちは分かるけどね。
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※装備
白の意思
木の盾
革鎧
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒
革のサンダル
※ランドセル型アイテムバッグ
木の棍棒
骨の槍
簡易薙刀(錆びた鉈)
簡易ポールハンマー
鉄の剣
鉄のメイス
木の盾2
鉄の盾
パン6
大きなハム
干し肉
チーズ
コップ
水甕3
ポーション甕2
荷物袋(小)
死神の鍵
骨の鍵




