0458・第四回公式イベント その6
9階に顔だけ出して探ると、今までと変わらず通路だった。僕は慎重に進んでいき、出てきたゾンビやスケルトンを倒していく。武器が壊れないゲームなら幾ら戦っても良いんだろうけど、このゲームは壊れるからねえ……。
とはいえ倒しておかないと、逃げる事になったら邪魔で仕方ない。挟み撃ちなんて最悪だから出来得る限り避けたいし、避ける為には倒しておくしかない。そんな事を思いつつ通路を曲がった瞬間、矢が飛んできた。
慌てて盾で防ぐも、どうやらスケルトンアーチャーがいるらしい。僕は一気に走って接近するも、突然横から攻撃を受ける。いきなりだったので避ける事も出来ずに直撃を受けたけど、どうやら壁が開いたようだ。
そこからゾンビの声がするものの、僕は素早く立ち上がるとスケルトンアーチャーに向けて走る。前に居るスケルトンアーチャーは再び矢を放ってくるが、盾で防ぐと頭に棍棒を振り下ろす。
その一撃で倒したので、すぐに後ろを向くと、開いた壁から魔物が出て来ていた。僕は素早く近付き、出てきたゾンビなどの頭をカチ割って倒していく。ゾンビとスケルトンだけでは脅威にはならないものの、なかなか倒し終わらない。
推定で40体ほどは倒しただろうか? ようやく出てこなくなったので、これで終わりのようだ。残っている敵を倒し終わる前に棍棒が壊れてしまい、仕方なく最後の棍棒を取り出す。
そういえばランドセル型アイテムバッグから物を取り出す際にも、MPを1消費してるみたいなんだよね。どうもこういう道具でMPを使うみたいだ。今のところ、それ以外にMPを使う場所が無い。
そんな事を考えつつ最後のゾンビの頭をカチ割ると、ようやく一息吐く。いきなり壁が開き、その直撃を食らうなんてツイてない。そう思ったけど、あれって近づいてきたヤツに当てるタイミングで開くんだと思う。
腹立たしい事このうえないけど、そういう罠だと思ったら諦めもつく。それより開いている壁の中を確認しよう。そう思い、慎重に顔を入れて覗くと、いきなり矢と石が飛んできた。やはり居たようだ。
という事は全部で50体ほど出てくるんだな。幾らなんでも多すぎる気がするが、文句を言っても始まらない。ゆっくり部屋の中を調べる為にも倒すしかない。
僕は意を決して踏み込むと、まずは左に動いて回避する。全て回避したり防いだら、まずはスケルトンアーチャーを倒す。石と矢なら、矢の方がヤバいに決まってる。何といっても毒が塗ってある可能性があるんだ。
石に毒が塗ってあっても、それが体内に入る確率はそんなに高くない。でも矢は駄目だ。刺さったら確定で、掠っても毒が入る可能性がある。だからこそ、矢持ちを早めに処理するのは当たり前なんだよ。
僕はスケルトンアーチャーのみ先に全滅させ、残る投擲スケルトンは確実に回避してから仕留めていった。全滅させてから部屋の中を見ると、それなりに広い部屋であり、床に武器が幾つか落ちている。
その中でも有用なのは鉄のメイスだろう。ここのボスが骨系だというなら、この武器は相当に役に立つ。
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<棍棒> 鉄のメイス 品質:5 レア度:1 耐久???
総鉄製でフランジが4枚付いたメイス。ホーリーウォータースプリンクラーという異名通りの威力を発揮する
攻撃力18 破壊力7
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よく考えたら<黒の大腿骨>と同じ攻撃力と破壊力なのか。だったら十分に使えそうだな。とりあえずランドセルに入れて、と。
他にも革の水筒のような物と木箱があり、箱の中にはパンが5つ入っていた。食料を一気に得られたのはありがたい。水分は少ないけど……これはあれかな、水甕のある部屋まで戻れって事だろうか?。
僕は戻る必要はないけど、他の人なら戻って革の水筒に補給してこいって事だろうね。とはいえパンを5つも持ち運ぶのは大変だから、ここまでの魔物を倒しているかによって変わるとは思うけど。
僕は全てをランドセルに詰め込んで先へと進む。開いた壁の直撃を食らったけど、9割以上まで回復したので、わざわざポーションを飲む必要は無いね。
「……ん? 革の水筒にポーションを入れておけばいいのか。今の内に用意しとこう」
僕は革の水筒に入っていた水を飲み、ポーション甕をランドセルから取り出す。革の水筒の中にポーションを入れ、その状態で剣帯に縛る。これでいつでも回復できるようになった。こういうのも重要だからね。
再び一本道を進んで行くも、後は魔物が出てくるだけで何も無かった。どうやら9階で手に入るのは、あれだけだったらしい。しかし鉄のメイスが手に入っただけで十分とも言える。
そのまま進んで行き、遂に10階への階段が目の前に現れた。ここを上ったら恐らくボス戦だろう。慎重に階段を上っていき顔を出して覗くと、通路の奥に豪華な扉が見える。
それ以外には何も無い為、僕は豪華な扉の前に行って休憩を行う。流石に装備は変えた方が良いだろうと思い、鉄のメイスを剣帯に差すと、簡易薙刀と盾を左手に持ち、右手に黒の大腿骨を持つ。
持っても呪われたような感じは無く、黒いオーラを立ち昇らせているだけだ。僕は気にするのを止め、ボス部屋の扉を押して開き、ゆっくりと中へと入る。
地面に魔法陣が出てきて回転、輝きながら上へと上がっていくと、その下から白いスケルトンが出てきた。しかもそのスケルトンは光り輝いているんだ。ちょっと眩しくて見づらい。
そんなスケルトンに対し、右手の黒い大腿骨から大量のオーラが噴き出す。間違いなく黒の大腿骨にとって、あの白いスケルトンは敵だ。それは分かるんだけど、向こうは切れ味鋭そうな剣と盾を持っている。
何だか激しく嫌な予感がするも、その予感通りに素早く接近し袈裟に振るってきた。僕は上手く盾で流し、黒の大腿骨で頭に一撃を加える。しかし何の痛痒も受けてないのか微動だにせず、今度は水平に切りこんできた。
僕はバックステップで回避すると、今度は剣で突いてくる輝くスケルトン。しかしこれも盾で流し、少々近いものの黒の大腿骨で頭を攻撃する。すぐに距離をとり、無理に持っていた簡易薙刀を後ろに捨てておく。
あんな物を持ったままじゃ、勝てる戦いも勝てやしない。改めて互いに構え、ジリジリと接近していく。剣の距離になった途端、再び袈裟に切り込んできたので流し、変わらず頭に一撃を加える。
またも何の痛痒も感じていないかのように、輝くスケルトンは切り上げてくる、しかしこれも流し、更なる一撃を頭に加えてやると後ろに逃げた。どうやら何の痛痒も感じていない訳じゃないみたいだ。
優勢だからか黒い大腿骨から黒いオーラが噴き出したが、それに呼応するように輝くスケルトンも白いオーラを立ち昇らせた。どうやらHPが減ってきたので強化されたらしい。
先程よりも素早く踏み込んできた輝くスケルトンは、袈裟切りのフェイントからシールドバッシュを繰り出してきた。しかし僕がそんなものに引っ掛かる筈もなく、シールドバッシュを繰り出してぶつかる。
「ぐっ!?」
「カタ!?」
両者ともに弾かれ、どちらかが攻撃する事は叶わなかった。少し離れてから再び仕切りなおし、ジリジリと寄っていく。そしてスケルトンが袈裟に振るフリをして突いてきた。
僕は素早く流して頭に一撃を加える。すると水平切りに移行してきたので、力が乗る前に押し込む形で盾で防ぎ、更に頭に一撃を落とす。頭が押されて下を向いたので、更なる一撃を加えると頭蓋骨が砕けた。
輝くスケルトンは塵になって消えたが、それと同時に黒の大腿骨も塵になって消えた。どうやら黒の大腿骨を使って倒さないといけないボスみたいだね。簡易薙刀を拾って仕舞って戻ると、地面には鍵と白い剣があった。
僕はそれを拾いランドセルに入れると、まずは調べる事にする。何となくは分かるけどね。
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※装備
木の棍棒
木の盾
革鎧
革の剣帯・鉄のナイフ・革の水筒
革のサンダル
※ランドセル型アイテムバッグ
白い剣?
骨の槍
簡易薙刀(錆びた鉈)
簡易ポールハンマー
鉄の剣
鉄のメイス
木の盾2
鉄の盾
パン6
大きなハム
干し肉
チーズ
コップ
水甕3
ポーション甕2
荷物袋(小)
死神の鍵
鍵?




