0045・第一回公式イベント01
2000年 8月6日 日曜日 AM7:44
今日は初めてのイベントの日。両親は昨日の夜から居ないので、そういう事だ。ちなみに行き先は父さんの古い実家となる。今は町中にあるマンションにお爺ちゃんとお婆ちゃんは住んでるけど、元々は白山の麓の家に住んでいた。
そこは今でも電気、ガス、水道が使えて、予備の家として使われている。主に両親が使っているというか、両親と一部の人しか使っていない。白山町の名前の元である白山、その近くに家を持っているのはウチだけだ。
昔は数軒あったらしいけど、今は取り壊されていて既に無い。つまり周りの目や耳を一切気にしなくていい場所なんだ。まあ、そりゃウチの両親なら使うよね? って話ではある。ちなみに何処かの人が使う事もあったりするらしいけど、詳しい事は知らない。
たまに友哉の両親や葛城さんの両親、それに五條さんの両親やそれ以外の人がウチに来たりするけど知らない。僕は知らないとしているし、悪い事ではないのでスルーさせてもらう。まあ、友哉も葛城さんも五條さんも知ってるんだけどね。
下らない事を考えてないで、そろそろログインしよう。イベントは8時からだから用意をしておかないと。今回のイベントはアイテムを持ち込めない為、一時的にインベントリの中身が取り上げられる。イベント後には返してもらえるらしいけど。
それと、イベント中は武器や防具が一切壊れないらしい。装備が無くなったら困るイベントなのかな? それっていったいどんな内容なんだろう?。
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ログインした僕は皆に挨拶し、集まるように言って僕の周りに集める。まだ寝ていたラスティアも起こし、ソファーの近くに連れてきた。流石に近くに居ないとイベントに参加出来ないから、ベッドで惰眠を貪らせる訳にはいかない。
さて、皆も集まったし、そろそろログインしてからずっと出てるウィンドウを操作しよう。
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第一回公式イベント:大将首を獲れ!!
このイベントに参加しますか?
・YES
・NO
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……いや、名前、名前。参加するけど、この名前はどうなのさ? 大将に選ばれた人は敵軍から執拗に狙われ続けるじゃん。しかもこういうのって大抵一番レベルが高い人が選ばれるんでしょうよ。それって僕じゃんか!?。
とりあえずYESをポチっと押しておいて、ステータスを確認しよう。
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<コトブキ>
※種族・職業
種族:魔人(♂) Lv17
メイン職業:ネクロマンサー・下級 Lv3
サブ職業:錬金術師・下級 Lv3
※能力
力:12
耐久:12
魔力:18
精神:15
意志:12
敏捷:13
器用:12
感覚:12
魅力:5
※スキル
【槍術・下級】【棒術】【投擲】【身体強化】
【闇魔法】
【魔力操作・下級】【魔力感知・下級】【闘気操作・下級】【闘気感知・下級】【総合鑑定】
【魅了耐性】
【屍命召喚】【瘴気変換】
【乾燥】【変形】【融合】【破砕】【分離】
【伐採】【採取】
※装備
右手:石と木の棒
左手:なし
頭:幸運のウサギ耳
体:革鎧
右腕:指貫グローブ
左腕:指貫グローブ
腰:革の剣帯・鉄の短剣
足:革の脛当て・鉄の鋲付き革のブーツ
※アクセサリー
01:なし
※称号
【卑怯者】【剛速球】【破壊魔】
※所持金 0デル
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※使い魔
<ラスティア>
サキュバス・ダンサー・下級 Lv2
※能力
力:10
耐久:9
魔力:10
精神:10
敏捷:14
器用:14
※スキル
【長柄術】【短剣術】【回避術・下級】【歩術・下級】【身体強化】
【魔力操作・下級】【魔力感知・下級】【闘気操作・下級】【闘気感知・下級】
【舞踏・下級】【魅了・下級】【誘惑・下級】
※装備
石と木の薙刀
革鎧
指貫グローブ
革の剣帯・鉄の短剣
革の脛当て・鉄の鋲付き革のブーツ
所有紋
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※屍命召喚
<ファル>
スケルトン・クラフター・下級 Lv3
※能力
力:10
耐久:10
魔力:8
精神:8
敏捷:10
器用:15+3
※スキル
【棍棒術・下級】【盾術・下級】【解体】【伐採】【採取】【木工】【料理】
※装備
石と木の棍棒
石と木の盾
革の帽子
革鎧
指貫グローブ
革の剣帯・鉄のメイス
革の脛当て・鉄の鋲付き革のブーツ
ネズミの器用な尻尾
革のジャケット
革のズボン
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<セナ>
グーラ Lv3
※能力
力:11
耐久:12
魔力:7
精神:7
敏捷:12
器用:12
※スキル
【格闘術・下級】【回避術】【歩術】【魔力操作】【魔力感知】【闘気操作】【闘気感知】【身体強化】
※装備
石と木のヌンチャク
石と木のトンファー
革鎧
鉄のガントレット
革の剣帯
鉄の脛当て・鉄のスパイクと鉄板付き革の靴
幸運のウサギ耳
革のジャケット
革のズボン
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<ドース>
ゾンビホース Lv3
※能力
力:10
耐久:11
魔力:7
精神:7
敏捷:12
器用:11+3
※スキル
【疾走】【魔力操作】【魔力感知】【闘気操作】【闘気感知】【身体強化】
※装備
暴れ河馬の革の鞍
鉄の蹄鉄
ネズミの器用な尻尾
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<フォグ>
ゾンビラクーン Lv2
※能力
力:10
耐久:8
魔力:10
精神:10
敏捷:12
器用:9
※スキル
【土魔法】【魔力操作】【魔力感知】
※装備
幸運のウサギ耳
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自分としては最初に比べれば強くなってると思、おお!? 転移させられたみたいだけど、これはイベントフィールドかな? 周りにはウルフマンとかキャットマンが居て、何故か一斉にコッチを見てくるんだけど……どういう事?。
そんな事を思っていたら、急に凄い速さで寄ってきてフォグを攫う人物が一人。
「おお! モフモフ! モフモフが気持ち良いーー!!」
「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」
周囲からジト目が突き刺さってるのに気にしない姉よ。まあ、同い年の姉だけどさ、凄い速さで突っ込んできたなー。そして遅れてやってくるゴブリン……あれ? この子もしかして雌じゃないの? ゴブリンに雄と雌があったとは……。ゴブリナ辺りかな? 種族名は。
何故か僕の前に来てペコペコ頭を下げてるけど、どうやらシズは他の所でもやらかしてるな?。
「いや、気にしなくてもいいよ。トモエはこんなものだし、昔からこれっぽっちも変わらないからね。それよりもトモエ、フォグが嫌がってるから止めてあげてくれないかな?」
「もうちょっと!!」
「キュウ……」
「何か容赦なくモフり倒してるわねえ。コトブキはそういう可愛がり方しないから良いけど、やられたら鬱陶しいでしょうに。流石にどうなのよ、コレ?」
そうやって話してくるラスティアの向こうから、面影のある3人がやってきた。シズが騒いでいたから気付いたのか、一緒に居たシズが高速で移動したのかは定かじゃない。
「よお、コトブキ! 久しぶりだな。お前から鉄の剣を買ったけど師匠に爆笑されちまったぜ。普通の魔人用の剣を買っても、巨人族には合わないだろってな」
「久しぶりって言うほどは久しぶりじゃないけどね、ユウヤ。それにしても確かに魔人用の剣は巨人族には短いか」
「お久しぶり、コトブキ君」
「久しぶり、コトブキ」
「2人も久しぶりって言うほどじゃないけどね。イルはともかくとして、ナツもイベントに参加するんだ? 割と騒がしいのは好みじゃなかった筈だけど」
「せっかくだから参加しようってなったんだよ。日曜まで頑張ってスキルのレベル上げてきたし、回復魔法とか浄化魔法とか使えるから」
「私が引っ張ってきた。イベントなんてレベルとスキルを上げるチャンスだし、参加しないと損しかない」
「まあ、それはね。おっと、そろそろ始まるのかな? 誰かが近くにあるステージに転移し……師匠? と七人だから、<八魔女>かな?」
「悪魔の星の稀人どもよ、よう集まった!! これから行われる事を簡単に説明する! この草原の向こう側におる天使の星の稀人、その中におる大将首を獲ってまいれ。以上じゃ!!」
「いやいや<破滅>、あなた幾らなんでも端折りすぎでしょう。こちらも相手も大将以外は3度復活出来るわ、4回殺されたら終了よ。大将首を獲った方が勝ちだけど、それ「敵を多く始末」だけじゃ……」
「おお! 久しぶりに喋りおったな、フェウ・ティス。昔、毒を撒き散らして荒地を作った時ですら碌に喋らんかったのにのう」
「国を幾つも滅ぼしたエンリエッタよりマシ……」
「おめーら凶悪度は変わんねーんだから、いちいち口喧嘩すんな! アタシは<業炎の魔女>フラム。とりあえず、あいつらは無視して説明を始める」
えっと、師匠はワチャワチャ遊んでるんだけど、いいのかな? ついでにシズの師匠とも別に仲は悪くないみたい。良かった、良かった。気を揉まずに済むよ。




