0431・黒魔銀製の武器作成
魔隠穴から戻った僕達は、いつも通り豪雪山とバイゼル山を巡って色々な物を手に入れてから戻る。その間に決まったのはシグマの片手斧とユウヤのメイス、それとナツの鉈を黒魔銀で作る事だった。
「ナツも暗闇シールドと戦うの? それは別にいいんだけど、急にどうしたのよ?」
「だって暗闇ソードって首を刎ねようとしてくるでしょ? 本音を言うとあんまり戦いたくないんだよね。だから私は暗闇シールドと戦うよ」
そういう事かと思いつつ了承し、師匠の家に戻った僕はイルに弓を流す事を言ったらマイルームへ。白魔銀と黒魔銀の弓を流し、代わりに皆が流す素材を購入していく。全て買い終わったらシグマの片手斧からだ。
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<片手斧> 風怪木と黒魔銀の片手斧 品質:7 レア度:5 耐久720
ウィンドトレウッドと黒魔銀で出来た片手斧。使いやすい半月型の刃であり、完全な戦闘用の斧として作られている。魔銀・黒で作られているので強い闇属性を持つが、柔らかい金属なので気をつけよう
攻撃力23 破壊力3 闇属性(大)
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<棍棒> 黒魔銀のロングメイス 品質:6 レア度:5 耐久780
全て黒魔銀で作られたメイス。フランジと呼ばれる刃は4枚付いている。黒魔銀で作られているからか強い闇属性を持つが、柔からかい魔銀製なので魔力を通して使おう。弱点を突くと大きなダメージが与えられる
攻撃力21 破壊力5 闇属性(大)
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<剣・片手斧> 黒魔銀の鉈 品質:7 レア度:5 耐久620
黒魔銀で作られた大型の鉈。伐採よりも戦闘用として作られており、鞘と柄はウィンドトレウッドで出来ている。魔銀・黒で作られているので強い闇属性を持つが、柔らかい金属なので気をつけよう
攻撃力22 破壊力3 闇属性(大)
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これで完成なのでユウヤにメールを送り、黒魔銀のメイスを優先つきで流す。ビックリするほどの値段になってるけど、これ本当にユウヤは買うのかな? 巨人仕様のメイスだから人間が使う物に比べて大きいし太い。
正直に言って、ロングソードなら3本か4本分の黒魔銀を使ってると思う。それぐらいの素材を使って作ってるからか耐久力も高いし、破壊力も高いんだけどね。代わりに値段が……。
まあ、買うのはユウヤだし、駄目ならファルにでも渡そう。とりあえず訓練場に行ってシグマに斧を渡しておくかな。シグマの所に行って黒魔銀の斧を渡すと少し困っていたので、盾の裏に黒魔銀の斧を取り付けられるようにした。
シグマの盾がタワーシールドだから出来ることだなと思いつつ、ファルに話してソファーの部屋へ。昼食の手伝いにファルを召喚すると、ナツに鉈を見せる。
「おおー……黒魔銀の鉈ってこんなのなんだー。何か黒光りしてるのが色々アレだけど、これは黒魔銀だから許せるね。うん、プレイヤーマーケットにお願い」
「了解。優先つきで流すから……っと、ユウヤはどうやら買ったみたいだね。ユウヤに話して流したメイスが売れてる」
「ユウヤさんは買うと言ってましたから当然では?」
「ユウヤに作ったメイスは巨人が使う仕様のロングメイスで、総黒魔銀製の代物なんだよ。ロングソード3本か4本分の黒魔銀を使って豪勢に仕上げた物でね、驚くほどの値段がするんだ」
「「「「あー……」」」」
流石に総黒魔銀製と言われて理解したらしい。結構な値段してたからなぁ……それでも買えるって事はユウヤも儲かってるんだろうけどね。それでも今後の事を考えるとユウヤが買ってくれて助かる。
あれなら暗闇シールドを倒すのも相当楽になるだろうし、メイス系はそもそもの耐久力が高いし減少も少ない。長く使える武器であり、だから多くの人が棍棒系の武器を使うんだ。使いやすいのもあるけど。
僕はマイルームに戻り、精錬作業をチマチマと続けていく。武器を作ってたからあまり進まないけど、あれは必要な物だったし頼まれた物だから仕方ない。そう思いながら進めていると、トモエからメールが来たのでソファーの部屋へ。
お礼を言いつつ食堂へ行くと、師匠が居たので挨拶。席に着いて食事を始めた。
「お主らが暗闇ダンジョンに行きだして多少経ったが、罠は分かるようになったか? 罠が分からんでは先には進めんぞ」
「昨日ようやく僕がトラバサミと落とし穴が分かるようになりました。おそらく今日辺りに皆も分かるようになると思います。他の罠はまだ無理ですが、そもそも45階にも到達していませんので」
「なんじゃ、そんなものか。時間を掛ける事は悪くないが……となると階層の全てを見回っておるのだな。それでも遅いが、お主らの強さなら時間が掛かるのも仕方あるまい」
「まあ、そうなんだけどさ。そうもあっさり言われると、それはそれで腹立たしいわね。そもそも誰も彼もが<破滅>のような実力を持つ訳が無いでしょうが」
「そういう意味では無い。お主らも気付いておる筈ぞ、あそこの魔物は弱点を突く方が早く倒せるとな。しかし強引に突破しておるのであろう? だからお主らの実力では遅いのだ」
「そうなんですよね。弱点を突けば早く倒せるのですが、それを作るのは主にコトブキであり、結構な値段がするのですよ。そう簡単に他の者も買えませんし、そうすると時間が掛かります。それは仕方ありません」
「タダで作るなんてあり得ないしね。そうなると簡単には買えない値段みたいよ? 私なんて薙刀だから、簡単にスイッチ出来ないしね。キャスティなら大丈夫だろうけど、使うなら剣?」
「ですね。ウォーハンマーのスイッチは無理ですよ、今は天使の力も制限されてますから。なので剣の方を黒魔銀か白魔銀で作ってもらうくらいでしょう」
師匠から魔物を倒すのが遅いと言われたけど、やっぱり遅かったんだなーと思うぐらいかな。僕達も戦闘に時間が掛かってると思ってたし、自分達で分かるくらいだからね。
昼食も終わったのでソファーの部屋へと戻りマイルームへ。皆を召喚したらログアウト。現実での昼食や雑事を終わらせたらログイン。皆が入ってくるまでソファーの部屋で待つ。
皆が揃ったらユウヤにフレンドコールを行い、インしているのを確認したら師匠の家の外へ。ユウヤが来るまでに地図を確認し、「あーでもない、こーでもない」と話す女性陣。そして来たユウヤは呆れていた。
「また地図を見て話し合ってるんだろうけど、効率よく回れてるんだよな? 俺は地図を見てないから分からないんだけど、あの光景を見てると疑問しか出てこないぜ」
「まあ、大丈夫だと思おう。微妙な所にある採取場所とかは人によるからね。その辺りは揉めたりする元だし、見切りを付けられる人と付けられない人と居るじゃない? そこもねえ……」
「まあな。おーい! そろそろ行くから話し合いはそろそろ終わってくれ。それとパーティーに入り忘れてないよな?」
「心配しなくても僕が確認してるから大丈夫だよ。そもそもパーティーに入ってから話し合いを始めたし」
「そこは前回と違って改善したんだな。それはともかく、アレは無視してそろそろ行こうぜ。転移したら一緒に飛ばされるだろ」
「そうだね。さっさと飛ぼうか」
一応女性陣に近い所へ移動し、僕は転移札を使って暗闇ダンジョンへと飛んだ。周囲を確認すると皆が居たのでパーティーを解散し、召喚してパーティーを組む。その後レイドを組んだら出発だ。
今回も40階からスタートだけど、何とか45階までは進みたい。




