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0424・罠発見




 朝食を終えた僕達は師匠の家の前でユウヤと合流し、まずは魔隠穴へと向かう。中に入ってから試しにゴーグルを着けてみたが、【闇視】は強力らしく中がハッキリと見える。感動するものの、訓練にならないので外す。



 「僕のゴーグルは【闇視】付きだけど、コレを着けると魔隠穴の中を確認する事が出来たよ。スキルが育たないからすぐに外したけどね。予想通りとも言えるし、予想外とも言えるかな?」


 「魔隠穴の中が見えたら確かに訓練にならねーな。未だに上級には上がらないけど中級にはなってるし、結構なレベルになってるのかね? それとも惰性で戦えてるから駄目とかか?」


 「分からない。今のところ順調だと思いたいけどスキルレベルも不明だし、何より上級には誰も至ってないからさ。なかなか難しいんじゃないかと思う。僕達が上がる可能性は高いけど、惰性で上がるかと言えば……」


 「確率は低いわな。掲示板の書き込みでも努力しない奴は上がらないって書かれてたし、壁に手を付いて歩く奴とかは下級から上がってなかったそうだし。しっかり苦労して努力しないと上がらないみたいなんだよ、当たり前だけど」


 「まあ、スキルを上のクラスに上げるんだから、それだけ努力しなきゃ駄目に決まってるよね。普通に考えてもそう思うんだから、適当にしたり楽をしてると上がらないっていうのは当たり前だと思うよ」


 「会話しながら倒せるのは余裕の証拠なんでしょうけど、それがスキルの上がらない理由だったりしてね」


 「「………」」



 真面目に戦ってるような態度じゃないと言われれば、確かにその通りとしか言い様がないね。反省してしっかり戦おう。楽な戦いだとついつい惰性で動いてしまう。これが<BUSHIDO>だと、絶対にそんな事はないんだけどなぁ。


 そういえばゴーレム系も弱点が無いと言えば無いのか。こいつら首を刎ねたところで動くし、なんなら自分以外を何処で認識しているかも不明だし。胴体なのか足なのか、少なくとも頭や腕じゃないんだよね。


 首を刎ねても腕を壊しても動くし、そういえばセナが足を壊してても動いてたな。となると認識しているのは胴体か。一番防御力が高い部分だから、そこに配置するのは当然なのかな? 何となく人間と同じで頭を想像してしまうけど。


 その予想を試すにしても、胴体を輪切りには出来ないんだよね。それだけのパワーというか攻撃力が無いから、胴体をぶった切るのは無理だし壊すのも難しい。正面から殴り合いをしないと駄目なタイプなのには変わりなしか。


 それでも足を破壊すれば戦力半減とも言えるから、暗闇ソードに比べれば遥かに楽だけどね。あの魔物はそもそも何処で認識をしてるのか不明だし、いわゆるリビングソードだと仮定すると、オカルトな力で認識しているパターンかもしれない。


 まあ、あくまでもゲーム的に考えてだし、おそらくどこかで認識してるんだろうけど。握りか鍔か、それとも剣身か。ま、何処でもいいか。


 魔隠穴から出た僕達は、豪雪山とバイゼル山で採掘を終わらせ、師匠の家へと戻る。ソファーの部屋からマイルームへと飛び、ラスティアとキャスティ以外を召喚すると、精錬作業を始める。


 途中でソファーの部屋へ行きファルを呼び出すと、再びマイルームに戻って精錬を続ける。終わってソファーの部屋へと移動するのと、ファルが呼びに来るのは同時ぐらいだった。今日はギリギリ間に合ったか。


 食堂に行って食事を取り、ファルをマイルームに戻したら、師匠の家の前でユウヤを待つ。その間に昨日描いた地図を元に巡る場所を決める。ポツンとある採取場所などを巡っても非効率的だからね。



 「となると、こっちの1つだけの採取場所とかは行かない方がいいね。それからここの伐採場所も?」


 「そっちはそこまで遠くないし、途中の寄り道で行ける。それよりも、ここの採掘場所も思っているより遠い。地図だと近く見えるけど、迂回してこなきゃ駄目だから時間が掛かる」


 「確かにそうですね。という事はこちらの方面はむしろ切り捨ててしまいますか? 次の階に行く青い魔法陣からも遠いですし」



 そうやって話し合っているとユウヤが来たんだけど、何やら微妙そうな感じでこちらを見てるね。



 「どうしたんだ? 顔を付き合わせて何かを見てるみたいだけど……」


 「地図を見ながら、どう回れば効率的か話してるんだよ。遠い所とか迂回しなければ行けない場所に行ってもね、時間の無駄だし」


 「ああ、そういう事か。確かにルート選択はしておかないとな。なるべく短時間に効率よく稼ぎたいし、ガチャだからなるべく多く挑戦しないと良い物は手に入りそうにないしな」


 「ユウヤも参加する? 横から口出すと怒られそうだけどさ」


 「どうせ意見が通らないんだろうから、参加する意味なくね? 大人しく待ってるのが一番いいだろ。それに、明らかにおかしなルート選択はしないだろうしな。トモエとイルが認めないだろうよ」


 「まあ、そうだね。2人はゲーム歴が長いから、その分だけ拘りが強そうではあるけど。……そろそろ行くよ。悩んでたって時間が過ぎるだけだからね」


 「「「「はーい………」」」」


 「聞いてるのか聞いてないのか分からない程の空返事だな。パーティーに入ってなかったらお留守番になっちまうから、ちゃんとパーティーに入っとけよ?」



 どうやら聞いてるみたいで、パーティーメンバーにはキッチリ入っていた。それを確認した僕は転移札で飛び、現地で解散してパーティーを組む。皆の準備が整ったらレイドを組んで40階からスタート。


 昨日と同じく暗闇ソードや暗闇シールドを倒しながら進む。採掘や採取や伐採を行って素材を手に入れつつ、効率よく魔物を倒す方法を模索しながら慣れていく。


 首を刈ってくる厄介な敵だけど、それだけに緊張感を持って相対する事は出来ている。この緊張感が無くなったら本当に首を刈られるんだろう、そんな事を戦闘の合間に話しつつ、しかし戦闘は緊張感を持って当たる。


 そして通路を歩いている最中だった。通路に何か光っている物を確認した僕は皆にストップをかける。



 「コトブキ、どうした? 何かあるのか?」


 「いや、そこの床が銀色に光ってるんだよ。初めて見るけど、いったい何なんだろう?」


 「………それって罠が見えてるんじゃないの?」


 「あれ? これってもしかして【罠発見】が通じてる?」



 試しに僕が銀色の光を踏むと、トラバサミが発動して噛み付かれた。冷静に回復してから無理矢理脱出したけど、銀色の光がトラバサミねえ……。



 「おめでとう。トラバサミだけでも分かるようになったのは良い事。他のも分かるようになるのは近い?」


 「ありがとう。多分そうじゃないかな? 僕は皆より1回多く入ってきてるからだと思う。だから僕だけが見えるようになったんじゃないかな?」


 「そうだろうな。コトブキが最初に10階に行って、その後に俺達が入ってる。つまり俺達も罠が分かるようになる日は近いってこった。……それにしても、やっとかよ」


 「分かります。随分と長く罠が分かりませんでしたが、ここの罠は相当レベルが高いのでしょう」


 「逆に言えば、ここの罠が分かるってレベルが高いって事だよね。むしろそこまで上がってる人って多くないんじゃないかな? 暗闇ダンジョンに来て諦めた人も多いみたいだし」


 「確かにそんな書き込みも見るわね」



 諦めた人が多いっていうのは、それだけ敵が強いからかな? それとも暗闇が厳しいからなのか。どっちなんだろうね?。


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