0423・素材色々
夕食を終えてソファーの部屋へと戻った僕は、そのままマイルームへと戻りラスティアとキャスティとファルを召喚する。夕食の席で皆に言っておいた通り、優先つきで流されたので買い取った。
その後はログアウト。現実でのお風呂や夕食に雑事を熟したら再びログイン。手に入れた精石などを精錬していくのだが、2つ程作れるかどうかだった。それと金も精錬したが、こちらも何か2つ作れるかという程度だ。
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<素材> 金 品質:8 レア度:3
とても価値のある金属であり、様々な装飾や貨幣に利用されてきた歴史がある。古くより富の象徴ではあるが、悪用厳禁の金属。気を付けよう
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<金属> 魔金 品質:7 レア度:6
魔力金属の金。魔力と闘気の流れがスムーズであり、更に魔力と闘気に対する耐性を持つ。高いレベルで双方を扱える優秀な金属であるが、柔らかい事がネックなので、そこに注意して扱おう
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うーん……銀もそうだけど、やっぱり柔らかいんだよねえ。硬いのって鉄関係ぐらいかなぁ……とはいえ魔銀も使えなくはないし、魔金も似たような物なんだろうか? とにかく作ってみよう。
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<槌・道具> 砂怪木と青魔金のツルハシ 品質:7 レア度:6 耐久600
サンドトレウッドと魔金・青で作られたツルハシ。武器としても使用できるが掘削道具である。魔金という柔らかい金属で作られている為、使用時には魔力を流そう。魔金・青で出来ているので、水中で呼吸できる
攻撃力20 破壊力5 水中呼吸
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<槌・道具> 火怪木と黒魔金のツルハシ 品質:7 レア度:6 耐久600
ファイアトレウッドと魔金・黒で作られたツルハシ。武器としても使用できるが掘削道具である。魔金という柔らかい金属で作られている為、使用時には魔力を流そう。魔金・黒で出来ているので、闇を暴く事が出来る
攻撃力20 破壊力5 闇視
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んー……これってもしかして、ラスティアやキャスティが言っていた見えない所が見れるようになるんじゃないの? 【夜目】と【暗視】と【闇視】。この3つがあればダークゾーンでも突破できる?。
ちょっと戻して、弄くってみるかな。
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<道具> 黒魔銅と黒魔金のゴーグル 品質:6 レア度:6 耐久420
魔銅・黒と魔金・黒と紐で作られた目の周辺を保護する道具。レンズなどは使われていないので、眼そのものを保護は出来ない。ただしある程度前にでている為、日光からは守れる。魔銅・黒で出来ているので夜や暗闇に強く、魔金・黒で出来ているので闇を見通す
夜目 暗視 闇視
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あれ? 闇耐性(小)が消えたね? まあ、あの程度なら別に無くても構わないし、このゲームでは受けた場所のダメージが減るから、ゴーグルに付いてても意味無いんだよね。目の付近に【闇魔法】を受けるなんて滅多に無いし。
それはともかく、やっぱり【闇視】は付ける事が出来たね。まだ【夜目】や【暗視】で見通せない場所は出てきてないけど、そろそろ出てきそうな気もするし、ある意味でちょうど良かったのかもしれない。
しかし……値段的に大丈夫だろうか? アマロさんとか買えない値段になりそうなんだよ。魔金を使ってるから値段が跳ね上がるだろうし、どれだけ使えば【闇視】が付くかも分かってない。そこも検証かな?。
ま、今日はこれで終わって、明日皆に聞こうっと。という事で、本日はここまで。
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2000年 11月14日 火曜日 AM8:12
本日もログインして、いつも通りの素材集めなんだけど……そうだ! 昨日の事を話しておかないと。なのでさっさとログインしよう。
囲炉裏部屋に来た僕は売り上げの回収と、ファルとキャスティが作った物をプレイヤーマーケットに流す。そして3人に声を掛けたらソファーの部屋へと移動し、ラスティアとキャスティとファルを呼び出す。
既にお喋りしていた女性陣に挨拶し、昨日作ったゴーグルを見せると……。
「黒魔金っていうので、【闇視】なんてものが付くの? ……また面倒な感じねぇ。しかも金を使ってるからか、値段が跳ね上がりそうな気がするんだけど?」
「それは僕に言われても困るよ。でも、前にラスティアやキャスティが言っていた見えない場所。これで見えるようになるんじゃないかな? 【夜目】や【暗視】で見えない場所が暗闇ダンジョンにあるんだよね?」
「ええ。あるんだけど………私も【闇視】なんて聞いた事がないわ。だから、これがあれば見えるとまでは言えないのよ。行って使ってみないと分からないって感じかしら? それと、確か50階からよね?」
「確かそうだったと思います。50階から全く見えない場所が出てくるので、流石にどうやっても突破できずに諦めましたね。そもそも何も見えない中では魔物と戦えません」
「魔隠穴みたいに感じる事って出来ないの? ああやれば真っ暗な中でもどうにでも出来るんじゃ……」
「暗闇ダンジョンの暗闇は魔力的なもので出来ているらしく、魔力を感知しても意味がありません。魔力が其処彼処と言いますか、周りにあるので非常に判別が付きにくいのです」
「周りに魔力がありすぎて分からないの。魔隠穴では魔力が無い場所に浮かび上がるでしょ、だから分かるのよ」
「成る程、それは厄介。魔力がありすぎて魔物かどうかも分からず、暗闇ソードにいきなり首を刎ねられる可能性が高い。暗闇ソードが実に面倒な場所に配置されてる」
「周りが碌に見えないなら、いつ死角に入られるか分からないし、首を刎ねられる可能性は極めて高いね。エンリエッタさんが50階から悪辣になるって言ってたけど、それかな?」
「そうね。真っ暗闇が出てくるのと、<炎熱通路>や<電撃通路>の罠も出てくるわ。とにかくコトブキには早急に魔金を使った物を作ってもらわないとね」
「そうですね。それがあれば突破出来る可能性が高いです。私ですら途中で諦めましたが、今回は先に進めそうで嬉しいですよ」
「途中から魔物がシャレにならないレベルで強くなっていく筈だから、今のところ行けても50階が限度じゃない? 私もその辺りで止まってるし、<破滅>が100階で諦めたぐらいだしね」
「まあ、そうですが、面倒だから止めた感じでしたよ? 強さ的には先に進めるんでしょうね。それに伝説級金属の材料が出るとはいえ、アレだけでは作れませんし」
「それはそうよ。他に必要な素材が沢山あるもの。とはいえ、一番手に入りにくい物が低確率でも手に入るのは凄いけどね」
「おっと、ファルが来たから食事に行こう」
呼びに来たファルに連れられて食堂へ。既に師匠が着いていたので挨拶し、僕達も椅子に座って食事を開始する。
「昨日は初めて40階を調べた筈であろう? 何か良い物は出たか?」
師匠はニヤニヤしながら聞いてきた。という事は、師匠は40階あたりで金が出るって知ってたのかな? 可能性は高そうだなぁ。とはいえラスティアもキャスティも知ってる筈だよね?。
「金が出るって事? ……いや、魔金・黒の事ね。<破滅>、あんた知ってたんでしょう? 魔金・黒を使えば、あの真っ暗な中を突破できるのを」
「妾をなんだと思うとるのか、知っておるに決まっておろうが。しかしな、自分で知る事が大事なのだ。金を採掘して作ったのはコトブキであろうがな。そうやって少しずつ自らの力で解き明かしていくものよ」
まあ、師匠の言いたい事は分からなくもない。誰かに聞いた事は、しょせん誰かに聞いた事でしかない。そしてそれは往々にして身につかないんだ。




