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0420・暗闇ダンジョン40階 その2




 弱点も急所も無いうえ耐久力も高いという、厄介な魔物である<暗闇ソード>を倒した僕達は、改めて探索を開始する。流石に40階以降は簡単じゃないなと思っていると、新たな魔物が現れた。



 ―――――――――――――――


 <暗闇シールド> 特殊魔物 Lv63


 暗闇ダンジョンにのみ生息する特殊な魔物。全身が白く、非常に見えやすいのが特徴。とても厄介な魔物であり、群れの数が多い。無機物なので気配が無く、生ある者の目の前に表れて体当たりを仕掛けてくる。生物的な弱点や急所がないので注意しよう


 ―――――――――――――――



 「今度は盾だけど、随分と分かりやすい奴だ。どうせコイツも弱点無しなんだから、派手にブン殴るに限るぜっ!!」



 ドゴッ! という音が鳴るものの、敵である<暗闇シールド>は後退もしない。殴った側のユウヤの方が驚き、体当たりというかシールドバッシュを受けて尻餅をつく。


 横からシグマが【闘刃】を纏わせて攻撃したものの、やはり刃状の【闘刃】では碌なダメージにならないようだ。今度はシグマに対してシールドバッシュを仕掛けてきたけど、シグマは冷静にこれを受け止める。


 その隙に僕は闘気バインドを使うが、これはあっさり解除された。次に普通のバインドを使ってみたけど、これもあっさり解除。もしバインドを使うなら、弱点属性しかダメみたいだ。


 しかし………もしかしてと思い【ダークバインド】を使うと、<暗闇シールド>を止めることに成功。まさかの闇属性が弱点だと判明。慌ててセナは黒魔銀のトンファーに持ち替えて殴る。


 その攻撃一発で<暗闇シールド>は後退。どうやらこの敵は弱点属性で攻めるべき敵らしい。それさえ分かれば後は難しくない。僕やラスティアが【ダークジャベリン】を使いつつ戦うと、あっさりと勝利した。



 「おつかれー。盾のみが4体だったけど、盾のみで良かったよ。もし剣との混成だったら、かなりヤバかったかもしれない。特にユウヤが尻餅ついた時は本気でヤバかったよ」


 「俺が相手してたのはタワーシールドだったからなー。あれのパワーはエゲつないぜ、まさか倒されるなんて思わなかったっての」


 「私達が相手をしてたのはバックラーみたいなヤツだったし、剣もそうだけどバラバラよねえ。ショートソードもロングソードも居たもの。あれに対応するのも苦労しそう」


 「思ってる以上に無機物が強い。ゴーレムなんかはそうじゃなかったけど、アレはレベルが低かったからかも。魔隠穴のはそこまで強い魔物じゃないと思う」


 「だから勘違いしていたという感じでしょうか? 格上となるとここまで強いとは思いませんでした。初めてかもしれませんね、弱点属性を突いた方が有利な相手は」


 「そうね。盾は闇属性が弱点みたいだから、黒魔銀の武器だと楽勝みたい。実際にセナがそんな感じだったから。ただねー、剣の方は多分だけど光属性よ。どうする?」


 「どうするも何も、今のところは【光魔法】でどうにかするしかないんじゃない? 他に弱点を攻める方法も無いし」


 「だよねー。私とキャスティとエストぐらい? できるだけ【ライトウェーブ】で頑張ってみるけど、そんなにダメージは与えられないかも」


 「【ライトジャベリン】だと威力は出るんだろうけど、それだけ消費も激しいし単体魔法なのよねぇ……。格上だと本当に上手くいかないわ」


 「仕方ねーさ、そんなものだし諦めるしかない。とにかくここで喋ってても仕方ないから進もうぜ」


 「そうだね。剣の方は打撃の形に【闘刃】を使って凌ぐしかない。とにかくキャスティが言ってたように、何度も戦って慣れるのが先かな。そのうち攻略法も出来るでしょ」



 話を纏めて先へと進む。暗闇ダンジョンの良いところは、一度倒すと敵が復活しないところだ。敵を倒せば、ある程度の安全は担保される。そういう意味では非常にありがたい。


 僕が地図を描きながら進んでいると、採掘場所を発見。皆が掘った後、最後に僕が掘る。石が数個でたけど、有用な物が早速でてくれた。しかし個数を集めるのが大変だな?。



 ―――――――――――――――


 <石> 光精石 品質:8 レア度:3


 光の魔力が篭もった特殊な石。魔力金属と溶かし合わせれば白の魔力金属に出来る素材の一つ。沢山必要になるので頑張って掘ろう


 ―――――――――――――――


 ―――――――――――――――


 <素材> 金鉱石 品質:7 レア度:4


 金の含まれた鉱石、それ以外にも含まれているが、大半は唯の石である


 ―――――――――――――――



 「光精石が3に金鉱石が2か。皆はどうだった?」


 「俺は火精石だな。後は銀鉱石とか紫曜石とかか。聞いた事ないのもチラホラ手に入ってるが、使えるかどうかは分からねーな」


 「私も金が出た。後でコトブキに売りつける。持ってても仕方ないし、プレイヤーマーケットで流すのが一番。ついでに金で属性金属を作ってほしい。どんなのになるか楽しみ」


 「確かにね。私も金が出たから売りつけようっと」


 「私は光精石と火精石でした。これも使えそうですから私も流しますね」


 「私は風精石と土精石だったわ。この辺りは属性として使うよりも、魔鉄か魔銅で効果を調べるべきかしら。その方が良いと思う」


 「どのみちコトブキ君に流せばいいね。お金持ってるし、私達のも買ってくれるでしょ?」


 「まあ、必要な物だから買うけどさ。僕が持ってるお金にも限度はあるからね?」


 「属性金属の武器で儲けてるんだから、金はあるだろ? 俺も最近は儲かってるけど、それでも錬金術師の方が作るのは圧倒的に早いからなぁ。鍛冶師は武器1つでも作るのに時間が掛かる」


 「でも強力な武器が作れるのは鍛冶師だけだし、錬金術師が作った物と鍛冶師が作った物じゃ、品質が同じでも性能が違うらしいから当然じゃない? 早くそこそこ、遅いけど高性能。一長一短あるわよ」


 「そうそう。錬金術師と鍛冶師じゃ領分が違うからどうにもならないよ。そもそも金属作りがメインだからね、錬金術師は」


 「まあ、そうなんだけどよ。こっちは儲けようとすると時間が掛かるんだよ、だから俺も売れるもんはコトブキに売ろうと思ってな。特に金は手を出す気がないし」


 「気持ちは分かるけどね、金は茨の道だと僕も思うから。ま、とりあえず進もう。ここで喋ってても仕方ないし」



 その言葉で皆も気持ちを切り替えたのか、先へと進んでいく。まだまだ採掘場所で1度掘っただけだ。40階にどれだけ掘れる場所があるか分からないし、ここを周回するうえで最良のコースも作らなくちゃいけない。


 そういう意味では、まだまだ始まったばかりだ。そんな状態の僕達は進んでいき、ユウヤが落とし穴に落ちた。



 「いてててて、くそっ! またコレかよ!」


 「落とし穴かー。そろそろ罠も見えてほしいところだけど、見える感じはしないね」


 「仕方ない。相当低いレベルのままで止まってたと思うし、ここの罠のレベルが高すぎるんだと思う。その差が埋まるには、まだまだ時間が掛かる」


 「仕方がないにしても、早くしてほしいという思いはありますね。でないと、いつまで罠に引っ掛かり続けるか分かりません。敵も強いですし、罠に気をとられて首を刎ねられるなんて事にも……」


 「確かにトラバサミだと、そうなる可能性はありそうね。目立つ白い盾と、見え辛い黒い剣。厄介だと思うわ、本当」



 まあ、ゲームだから当然そうしてあるんだけど、何処かのゲームのNINJAかと思うほど首を刈ろうとしてくるからなぁ……。


 とはいえ、元々僕達がやってた事だから、文句を言うのは筋違いなんだけどさ。


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