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0414・あのアレ




 僕は迷わず闘気バインドを使い、暗闇ヘビを拘束していく。それに気付いたシグマが即座に【闘刃】を纏わせた斧を首元に落として切り落とす。それでも跳ね回り暴れるが、首を落とされても生き続ける事は無かった。


 ヘビだから分かるんだけど、そこまで再現しなくていい気もする。そんな事を考えつつも闘気バインドを使っていき、多くの暗闇ヘビを拘束していくと、皆も分かったのか次々に首を落としていった。



 「おつかれー。幾らヘビといえども、首を落とされれば死ぬしかないね。それは楽でいいんだけど、やっぱり闘気バインドを使わないと無理そう?」


 「お疲れ様。ハッキリと言うと、バインドがなければ難しい。ウサギやネズミにトカゲより小さいのと、地面を這っているから当てづらい。それに地面に武器が当たると耐久がグッと減る」


 「おつかれ。確かにそれはあるね。私も鉈でやったけど、地面にガンって当たったら思ってた以上に耐久が減って驚いたよ。これが続くと、ちょっと面倒な事になるかも」


 「お疲れ様。となると暗闇ヘビは魔法で倒した方が良い? なんかイルの言う通り、生命力が高くてしぶとそうなのよねー。魔法じゃ時間が掛かって苦戦しそう」


 「おつかれー。盾を持ってない奴等が、片手で持ち上げたらどうだ。闘気バインド喰らってる間なら、持ち上げても噛みつかれたりしないだろ」


 「おつかれ。それが一番良いんじゃないかしら。暗闇ヘビは結構しぶとい魔物で、魔法なんかで戦うと苦戦するわよ。一気に畳み掛けるのが一番良いわ」


 「お疲れ様です。ラスティアの言う通り、一気呵成に倒すのが一番良いですね。でないと苦戦しますし、ここでギブアップする者も居るくらいです」



 どうも暗闇トカゲはともかく、暗闇ヘビは結構厄介な相手らしい。皆で話し合いを行い決まったのは、盾持ちが闘気バインドを行い、盾を持ってない者が首を落とすという事だ。僕も首を落とす側に回る。


 槍を短く持って【闘刃】を纏わせれば、上手く切り裂く事は可能なのでそうなった。とりあえず次に暗闇ヘビが出てきたら、決まった形で戦ってみよう。


 罠を警戒しながら進んで行き、落とし穴に落ちたシグマを引き上げたり、ブラックウェーブの罠でダメージを受けたりしながら進むと、再び暗闇ヘビが現れた。


 素早く散開し、盾持ちの皆が闘気バインドを使い、その隙に僕達は敵に接近。闘気バインドで拘束されている間に首を落とす。ちょっと闘気バインドの手が足りない気がするなあ……。


 拘束されていない魔物は牽制しつつ、拘束されたら首を落として戦闘は終了。上手くいったけど、これをどう考えるべきかな?。



 「おつかれー。上手くいった感じではあるけど、闘気バインドの手が足りてない感じがしたね。ドースやフォグにも闘気バインドに回ってもらった方が良いかな?」


 「ブル?」 「クー?」


 「おつかれー。そうね、それで丁度いいバランスになるんじゃない? 確かに牽制してたし、その時間が無駄だった気もするわ。早く倒せるなら、早く倒しておくべきよ。何か余計な事が起きる前にね」



 皆の意見も一致し、ドースとフォグも闘気バインド側に回ってもらう事になった。遊ばせておいても仕方ないし、活躍どころがあった方が良いだろうしね。


 再び進んでいき、21階への青い魔法陣を見つけたので乗る。警戒しながら進んで行き、魔物を倒し、罠を踏んだり落ちたりしながらも25階に辿り着いた。今のところは順調に来れていると思う。


 しかし、新たな魔物が出てくるであろう、ここからが分からない。3体目の魔物が厄介だと進む速度が落ちてしまうし、まずは戦ってみないと……。そんな緊張感を持っているなか、ソイツは現れた。



 ―――――――――――――――


 <暗闇G> 特殊魔物 Lv53


 暗闇ダンジョンにのみ生息する特殊な魔物。全身が赤いのが特徴。非常に厄介な魔物であり、群れの数が多い。体が小さいので攻撃を当てるのが難しく、集って噛みついてくるので注意しよう。毒と病気を持っている


 ―――――――――――――――



 「「「「キャーーーーーーーッ!?!!?!!?」」」」


 「キャスティ! エスト! 一気に倒せ!!」


 「【ライトウェーブ】!」 「カ!!」



 2人の【ライトウェーブ】でも足りなかったが、ドースが【ウィンドウェーブ】を使う事で一掃できた。今回も3体目の魔物はHPが低くて良かったよ。


 それよりも、いつかは出てくると思ってたけど、まさか<暗闇ダンジョン>で出てくるとは思わなかった。ここの運営は悪辣あくらつだから、必ず視覚からの攻撃を行ってくると思ってたんだ。



 「おつかれー。コトブキ、上手く指示を出してくれて助かったぜ。俺だって得意って訳でもねえし、いきなりでビックリしたからな。いつか出てくるんじゃねえかと思ってたけど、まさかこことは……」


 「おつかれ。【火魔法】は誰かに持たせた方が良いかな? あいつら燃やしたい気分だよ。どうせ油虫の別名の如く、派手に燃えてくれると思うんだよね。まあ、火が着いたまま暴れ回る可能性が高いけど」


 「おつかれー。ところであの4人、あの虫がダメなの? 何だかよく分からないけど、40階で魔物が変わるまで続くわよ」


 「お疲れ様です。そうですし、こんな所で足止めを喰っている場合ではありません。さっさと先へと行かないと、夕方までに間に合わなくなりますよ」



 2人の言っている事は至極正論なので、僕はナツ、イル、トモエ、アマロさんを説得する。とにかくここに居ても解決しない事、魔法で一掃すれば終わる事、時間が無いから急がなければいけない事。


 それを話すと正気に戻ってくれたようだが、運営に対する怒りは持ったらしい。ま、Gを出してきたんだからワザとだろうし、怒りを持たれても仕方ないかな?。



 「許せない! ああいうやり方で攻撃してくるってのは、他のゲームでもあるけどさぁ! やる奴等は楽しいかもしれないけど、やられた側は心臓が止まるかと思うのよ!」


 「本当に! 強制ログアウトになったら運営が責任をとるのかって話! どうせ責任なんてとらずにケタケタ笑ってるに決まってる! 運営許すまじ!!」


 「あーーー! イヤだ、見たくない!!」


 「本当に! ああいう攻撃をしてくる人は、陰湿なヤツだと相場は決まってます! 碌でもない大人ですね、ここの運営は!!」



 何だか運営へのヘイトが物凄く上昇した気がするけど、まあ、僕達の方に来ないのならいいや。流石にやり方が汚いと思わなくもないしね。


 男性でもユウヤみたいに一瞬止まる人とか居るし、苦手な人は多いからさ。



 「あー、もう! コイツだけ全身が赤くてシャカシャカしてキモいのよ!! 死ね!!」


 「本当に、何でGだけ全身赤いのか意味が分からない! 絶対にワザとに決まってる! とりあえず、さっさと死ね!!」


 「【ライトウェーブ】!! よし、消えた!」


 「とりあえず、見敵必殺で進みましょう!!」


 「楽で良いけど、MPの配分大丈夫か? まあ、他がサポートに回ってるから大丈夫だと思うけどよ。しっかし、やり過ぎって気もしないでもないな」


 「仕方ないんじゃない。嫌いみたいだから、過剰に攻撃してでも倒したいんでしょ。僕達がフォローするしかないよ」


 「何故あそこまで虫如きで暴れるのか理解に苦しむけど、誰しも苦手なものはあるから仕方ないのかしらねえ」


 「多分そうなのでしょうが、いささか過剰すぎる気はしますね。まあ苦手なら分からなくもないですが」



 僕達はこのまま30階まで行けるのだろうか? 何だか途中でMP切れになりそうな気がするし、そこのフォローを今から考えておいた方がいいね、これは。


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