表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
410/565

0410・緊急メンテナンス




 ユウヤとは家の前で別れ、僕達は師匠の家へと入る。ソファーの部屋へと来たらラスティアとキャスティを召喚し、代わりに僕がマイルームへ。精錬作業は終わっているので、魔力金属や属性金属を作る仕事だ。


 とりあえずアマロさんが頼んできた黒魔銅は作り終わったが、ウェルズベアーの皮が無い。仕方ないなと思い、一旦ソファーの部屋へ。



 「ちょっとごめん。アマロさん。ウェルズベアーの皮が無いんだけど、代わりに安い皮で代用して大丈夫?」


 「あ、はい。できれば少しでも安い方が助かります。7個ですけど、お願いできますか?」


 「了解、了解。適当にプレイヤーマーケットで買って、今から作るよ」



 僕はそう言ってからファルを呼び出し、夕食作りの手伝いに行かせると、マイルームヘと戻る。囲炉裏部屋で適当にプレイヤーマーケットを見ていると、前に使ったブラウンウルフの皮があったので購入。早速、首輪作りを始める。


 アマロさんもネクロマンサーなので、僕と仲間は被ってる。なので大きさを聞かなくても分かるんだよね。そんな事を思いながら7つの首輪を作り、ソファーの部屋へと移動。アマロさんに見てもらうと、コレで良いとの事だった。


 ただしファルが来たので、プレイヤーマーケットに流すのは夕食後になった。僕はインベントリに仕舞って食堂へ。既に席に着いていた師匠に挨拶し、僕達も席に着く。



 「ふむ。今日は大人数で<暗闇ダンジョン>へと行ったようだが、成果は出たか? 少人数で行こうが多人数で行こうが、楽ではないからな、あそこは」


 「何とか10階まで行けました。キャスティが力押しで行けるのは30階までだと言っていましたので、まずは30階を目指そうと思います」


 「そうか。まあ30階ぐらいならば余裕であろう。そこまで敵も強くないうえ、罠もそこまで悪辣あくらつではない。50階ぐらいから急激に罠がいやらしくなる。そこは注意するがよい」


 「はあ……未だ行く事も出来ていない領域ですので、コツコツと頑張ります。それに罠も感知できてませんので、【罠発見】のスキルも磨かなければいけませんし……」


 「【看破】のスキルは持っておるか? あそこの罠の中には【看破】のスキルがなければ見破れん物もある。そういった物もあるので気を付けよ」


 「分かりました」



 成る程なあ、【看破】のスキルってそっち方面にも関わってくるのか。てっきり隠された何かを発見するだけかと思ってたよ。言われて見れば納得なんだけど、アマロさんは持ってないんだよね、大丈夫かな?。


 夕食後。ソファーの部屋からマイルームへと戻った僕はプレイヤーマーケットに優先つきで首輪を流してログアウト。リアルでお風呂や夕食などと雑事を終わらせたら、再びログイン。


 魔力金属と属性金属作りの続きを行う。これはそこまで掛からないんだけど、今度はユウヤに売ってほしい物を聞いておこう。と思ってメールを送ったら、結構な数を要求された。


 別に持っている分から出せるけど、何かあったのかな? まあ、向こうから言ってくるまで聞かないけど、妙に多いな。


 ユウヤ向けの魔力金属と属性金属を流した僕は、残った物を加工していく。といっても、昨日と同じく短剣やトンファーにヌンチャクを作り、後は適当にプレイヤーマーケットに流すだけだ。これ……うん?。



 『フレンドコールなんて珍しいね? ユウヤ、何かあったの?』


 『何かあったじゃねえよ。コトブキ、運営インフォを見に行ってないな? 明日、緊急メンテナンスだって書いてあるぞ?』


 『ええ!?』


 『やっぱり知らなかったか。緊急メンテなんて初めてだけど、何かあったのかね? ま、明日は1日ゆっくりするしかないだろ、マイルームすら使えないんだし。今日はギリギリまでやろうと思って、さっき大量に頼んだんだよ』


 『ああ、それでだったんだ。まあ、僕はいつも通りに落ちるよ。明日は久しぶりに残してる授業を受けておくかー。もう殆ど残ってないんだけども』


 『俺もそんな感じだな。それじゃ、そろそろ集中したいから切るわ。じゃあな』


 『じゃあ、また明後日。おやすみー』



 フレンドコールを終えた僕は息を吐く。まさか緊急メンテナンスで休みとはね。仕方がないとはいえ、何か大きな不具合でもあったかな? 今のところは特に何かあったとは思えないけど……。


 とはいえ運営サイドでは大きな問題があったのかもしれないし、僕達には分からないね。やるべき事は終わったし、そろそろログアウトするかな。本日はここまで。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 11月9日 木曜日 AM8:21



 今日は緊急メンテナンスの日だ。ポッカリと穴が空いたようになってるけど、今の内に終わらせるものは全部終わらせておこう。授業を受けて終了させておくだけだから、特に難しいことでもないけどね。


 ………そろそろ夕方か。今日でほぼ授業は終わったなぁ、とりあえず雑事を終わらせておいて夕飯の用意でもしておこうっと。


 夕食もお風呂も色々な事も終わった。でもまだ緊急メンテナンスは終わってないらしい。仕方ないから<BUSHIDO>でなまった感覚を鍛えなおしておくか。


 ………予想以上になまってたね。仕方がないとはいえ、ヒリつく戦いは久々だったけど、やはり良い。こう、生きている事を実感するよ。それじゃ、そろそろ寝るかな。おやすみなさい。



 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



 2000年 11月10日 金曜日 AM8:18



 今日は………どうやら無事にログインできるらしい。っていうか、ログインできるようになったの、AM7:38だってさ。40分前じゃん。


 トモエは8時ごろにログインしてる筈だから大丈夫だろうけど、朝に少しログインする人とかは多分無理だったろうなぁ。それと緊急メンテナンスの内容だけど、瀕死の者が居るとターゲッテングの挙動がおかしい事の修正だった。


 これ完全に僕等が報告したものじゃないか。まさかアレの所為で緊急メンテナンスが行われるとは……。それと細々とした変更もされ、あっ! ダンジョン攻略の際のも変更されてる。


 サモナー、テイマー、魔隷師、ネクロマンサーは、プレイヤーの攻略階層が基準になり、召喚モンスターが攻略してなくても連れて行けるようになったみたいだ。これは大きい。


 あとは細々としたマイナーアップデートと、スキルの効果の修正ねえ……? 何か影響が出そうな予感もする。まずはログインして確かめるかな。


 ログインした僕はラスティアとキャスティとファルに声を掛け、ソファーの部屋へと移動する。挨拶する前に3人を呼び出し、ファルを朝食の準備に行かせたら、改めて挨拶をした。



 「おはよう。メンテナンス空けだけど、全員居るみたいだね。昨日ログイン出来なかったから、ズレてる場合があるからさ」


 「おはよう、コトブキ。流石に1日でそれはないと思う。私は大人しく休んでた」


 「おはよう、コトブキ君。私も昨日はゆっくり休んでたよ。緊急メンテナンスで騒いでる人は居たそうだけど」


 「おはようございます。緊急メンテナンスが朝まで続いた所為で、朝早くにログインする人達はログイン出来なかったそうですからね」


 「コトブキ。攻略掲示板に書かれてるんだけど、運営ダンジョン40階の蛙戦隊。弱点は水属性なんだって。どうも緊急メンテのギリギリ前まで、その話題で盛り上がってたみたい」


 「えー……蛙戦隊って水が弱点なの? 蛙なのに? 最後までやってくれるなあ、あそこ」


 「<闘士>の中には格闘武器オンリーの連中が居る、だから水属性のトンファーやヌンチャクは売れ筋になるかも。青魔銀なら打撃武器でも攻略できる筈」



 確かにそっち界隈から注文は殺到しそうな気がする。それはそれで面倒臭いけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ