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0409・再び暗闇ダンジョン10階へ




 昼食が終わった僕とトモエは、一旦マイルームへと行って全員を退避させる。次に師匠の家の前に集まりパーティーを組むと、転移札を使って<暗闇ダンジョン>へと移動した。


 現地で一旦解散し、僕やアマロさんはメンバーを召喚してパーティーを組みなおす。トモエも召喚してパーティーを組むと、僕達はレイドを組んで<暗闇ダンジョン>へ。おそらくこれで全員が同じ場所に行けると思う。


 <暗闇ダンジョン>の中に入ると、全員が居たので「ホッ」と胸を撫で下ろす。師匠が他の人物に中で会った事が無いって言ってたし、レイドを組んでても個別に分けられる恐れはあったんだよね。


 パーティー単位じゃないと駄目だとか、そういう可能性も考えてたんだけど、違ってて良かったよ。とりあえず全員一緒に進んで行こう。



 「ここが<暗闇ダンジョン>……暗闇っつーか、真っ黒だな。壁が黒いんだけど、どうにも遠近感が狂いそうな感じだ。これだけで厄介なのが分かるぜ」


 「本当。入り組んでても黒一色だから分かり辛い。それよりアマロは大丈夫? 何か困った事になってるような……」


 「すみません。ウチの子達は見えないみたいで、今送還します。灯りがないと進めないみたいですが、灯りなんて持ってませんので……」


 「私はコトブキに売ってもらってたけど、アマロは自分の分だけだったのね。まあ、首輪も結構高いから仕方ないわよ。あれ、それなりには黒魔銅を使ってるし」


 「属性金属の量が多いと、どうしたって値段は上がっちゃうから、仕方ないとは思うけどね。でも経験値が貰えないんだし、今回の一度だけだから諦めるしかないかな。アマロさえ進めたら大丈夫だと思うよ」


 「他のダンジョンみたいに攻略していない奴が居たら、一からやり直しって事は無いだろ。あれも相当に面倒な仕様だけどな。改善要求が出てたから、もしかしたら全てのダンジョンがそうなるんじゃね?」


 「実際おかしな形だと思うよ。僕達のような職業しか苦労しないから目立たないんだろうけど、仲間が増えたら最初から、仲間が増えたら最初からって絶対におかしい。幾らなんでも面倒すぎる」


 「まあ、そうよねえ。後で新しい仲間ができたら、また最初からって、いい加減にしろとしか思わないし。って、あれが暗闇ネズミ? とりあえず戦闘だから一気に倒しましょ」



 暗闇ネズミが出てきたので皆で戦うものの、流石にこちらの人数が過剰だったのか至極あっさりと終わった。ここの魔物は何かをドロップしたりもしないので、僕達は立ち止まる事もなく進む。


 昨日来たので何となく覚えており、サクサクと進んで行く。途中うろ覚えのところはラスティアやキャスティと相談して進み、先へと進む魔法陣を見つけては突破する。


 壁から矢が飛んできたり、突然落とし穴に落とされたり、壁に手を付いたら電撃壁だったり、罠にも苦しめられながら進んで行く僕達。予想以上に罠が分からず、皆もイラついているね。



 「ここの壁が真っ黒だからか、本当に分からねえ。【罠発見】もサッパリ反応しねえし、いったいどうなってんだって言いたくなるぜ。ここまでどうにもならないとは思わなかったな」


 「本当にね。これっぽっちも反応しないし、罠には引っ掛かりまくるし、本当に厳しいわ。とはいえ、これを繰り返さないとスキルレベルも上がらないんでしょうけど」


 「いきなりだと盾で防ぐ事も出来ないから困るよ。あと落とし穴は止めてほしい。穴の底に剣っぽいのがあって刺さるとすっごく痛いから、ダメージを受けるより辛くてイヤ」


 「あれは驚いた。本気で殺意のある罠が満載。ここの罠は危険極まりない物ばかり。途中にあったトラバサミも思っているより強力だった」


 「あれも驚くほどダメージ受けてたわよ? 予想以上に厳しかったんでしょうけど、挟まれた段階でダメージを受けるうえ、抜け出せないと動けないし。最悪、あのまま魔物になぶり殺されてたかも」


 「予想以上に強力だし、予想以上に悪辣あくらつなダンジョンだ。しっかりと準備しておかなきゃいけないし、流石にここをソロで攻略するのは無理だわ。誰か助けてくれる奴が居ないと、簡単に詰む」


 「それぐらい、っと。新たな魔物が出てきたわ。あれってウサギと……何?」



 今度は暗闇ウサギと暗闇リスが出てきたけど、早速シグマの盾が「ガァン」という音を出す。その音に注目していると、暗闇リスが黒い木の実を投げつけてくるんだ。コレが結構痛くてダメージを受けるんだよ。


 暗闇リスはアーチャーみたいな立ち位置で攻撃してくるから、早めに【ライトウェーブ】で一掃しないと面倒な事になる。キャスティとエストが前に出てくれたから良いけど、思っているよりも厳しい。


 皆も暗闇リスの黒い木の実を受けながら戦ってる。セナなんかはマニカで弾いてるけど、他の皆は武器で防いだり、仕方なく腕で防いだりだ。止むを得ないとはいえ、ダメージを地味に喰うのは腹立たしいみたい。



 「おつかれー。やっと終わったけど、5階からは暗闇リスなんてのが登場するんだね。それも黒い木の実を投げつけてくるなんてさー。鑑定の説明にはあったけど、すっごく痛かった!」


 「私も結構受けて痛かった。避けたりしても数が多いから、気付いたら飛んできてたりする。あのリスは早めに倒さなきゃ駄目だけど、小さいから魔法で一掃するべき」


 「開幕【ライトウェーブ】2発で大分削れるか倒せるから、キャスティとエスト以外にも使えるならお願い。MPにも限りがあるし、順繰りで使っていく感じで」


 「そうだな。あのリスさえどうにかなれば、ネズミとウサギにも慣れたからそこまでじゃない。ネズミもウサギも体がデカいから、面倒な訳でもねえし」


 「そうね。あのリスは普通のリスより大きいとはいえ、それでもネズミやウサギに比べれば小さいから、武器で戦うより魔法で一掃する方が楽でしょ」


 「とりあえず、どんどん進んで行こう。10階にまで行かないと転移魔法陣の登録は出来ないからさ。急げ、急げ」



 僕がそう言うと、皆も思い出したのか急いで進む。流石に10階まで行かないと、また1階からやり直しだからね。流石にそれは勘弁してほしいんだろう。


 ただし早く移動するあまりに、ユウヤが落とし穴に落ちたり、ナツがトラバサミに挟まれたり、イルが毒矢を受けたりしたけど、それでも僕達は急いで10階にまで来る事が出来た。



 「いやー、キツかった。<暗闇ダンジョン>は魔物よりも罠の方がキツい気がするが、気のせいか? それとも段々と罠よりも魔物の方が厄介になっていくのかね?」


 「どうかしらね? いきなり爆発する壁とかあった筈だけど、まだ出てきてないし……。それに、いきなり燃え上がる通路とかなかった?」


 「ありましたね、そんなの。確かに罠もまだそこまで厳しい物ではないですし、どちらもこれからでは?」


 「いやいやいやいや、幾らなんでも厳しすぎないか、ソレ? 普通に歩いてたら、いきなり壁が爆発すんの? 訳が分からなさ過ぎる。意味不明だし、それもう罠じゃなく兵器か何かじゃないのか?」


 「なんか地雷の壁バージョンって感じだね。いや、笑い事じゃないんだけどさ。それよりも全員登録した? 登録できたなら、今日のところはここまでだから、赤い魔法陣で脱出しようか」



 そう言って全員の登録が終わったら脱出。次にマイルームへ行く説明を行い、一度全員がマイルームへと行き、僕はメンバーを全員マイルームへと召喚する。その後で戻ると、前回と同じく知らない国の首都に居た。


 皆も珍しがってキョロキョロしてるけど、ここがどんな国なのか分からないので、さっさとパーティーを組んで師匠の家へ。


 見慣れた師匠の家を見て、安堵の溜息を吐く僕達。やっと帰ってこれたね。


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